冗談じゃないですから、ホント

2013/08/27(火)18:29

やっぱりプロの仕事は違う

旅行(61)

 「男ってのは、2種類しかいない。プロか、馬鹿か」というのは、映画「アゲイン」のエースのジョーさんのセリフだけれど。女の人でも、やはりプロというのはいるわけで。改めて「プロの技」というのは、スゴいと感心した次第。「女性のプロ」と言っても、別に「その道のプロ」というわけじゃなくて。プロのバスガイドさんの話なのですが。  青森から八甲田山を抜けて、奥入瀬渓流を通って十和田湖へ。十和田観光のパスを貸し切っての移動。観光バスなので、このバスには運転手さんとバスガイドさんが乗っている。バスガイドさんの乗っているバスに乗る機会なんて、まずなくて。だいたいバス旅行だと眠っていて、ガイドさんの話なんて聞いたことがないんだけれど。  バスに乗って、ねぶたの話に始まり。青森の無落雪住宅から八甲田山の死の彷徨、奥入瀬渓流の数々の滝の謂われから、十和田湖のカルデラ湖に至るまで。話が尽きない。しかも、興味深くて、眠気が起きない。昨日は飛行機に乗るために早起きして、夜は遅くまで飲んで。今朝も早起きしたので眠いはずなんだけど。このガイドさんの頭の中には、一体どれだけの知識や情報が詰まっているのかと思う。歌人の歌も暗記していれば、歴史の話も、地質学の難しい話も、わかりやすく説明してくれる。どんな質問が出ても、その場で答えてくれる。  仕事なんだから当たり前、と言われれば、確かにそうなんだけど。ガイドさんの仕事っぷりを見ていると、単に仕事だからという理由では片付けられないものがある。例えば、休憩時間。僕らがトイレに行っている間、ガイドさんは登山者のような方と話していて。あとでガイドで話してくれたけど、その人は冬虫夏草を研究している人で。トイレ休憩から戻ったら、ガイドさんはたった今仕入れた冬虫夏草の話をしてくれる。類い希な知的好奇心。そして、プロ意識。  ガイドさんに聞いてみると、最初はガイドさんのためのガイドブックみたいなものがあって。まずはそれを全部覚えるのが第一歩。でも、そこから先は、すべて個人のカスタマイズ。自分で情報を仕入れて、自分なりに加工していく。お客さんの質問などから、人はどういうことに興味があるのかを探っていく。「お客さんが一番の先生ですね」というガイドさんの姿勢には、これがプロというものなんだと感じさせるものがありました。  お昼は、奥入瀬の道の駅でアイスバインや豚バラバーガーなどを食べながら奥入瀬の地ビール。ガイドさんのプロらしさについて話すと、やはりみんな同じことを感じていたようで。みんな、見るべきところは、ちゃんと見ているものですね。かみさんは「子どもの時は、バスガイドさんになりたかったんだよ」と言っていたけど。悪いけど、かみさんには絶対無理だと思う。  食事のあとは、十和田市現代美術館へ。現代美術なんて、全然興味がないんだけれど。これが結構おもしろい。アートというよりも、美術をテーマにした遊園地みたい。十和田市は現代美術館だけじゃなくて。街全体がアートになっている。たまたま美術館の内外でパフォーマンスをやっていて。なかなかおもしろい。バスに戻ると、まだみんなは戻っていなくて。パフォーマンスの話をすると、ガイドさんは興味津々。デジカメを持って、バスの外へ飛び出していきました。本当に知的好奇心が盛んな人。  バスは三沢市の小牧温泉に到着。これで本日の予定は終了。バスガイドさんと運転手さんとお別れ。ガイドさんは、「奥入瀬ろまん新聞」というWebサイトをやっているそうです。バスガイドだけじゃなくて、奥入瀬のガイドもやっているそうなので。奥入瀬に観光の節は、ぜひご利用してあげてください。

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