はんなり京都ヴァーチャルトリップ

2007/07/20(金)06:43

祖母ときつねうどん

路地裏で(283)

街中で祖父や祖母と暮らしていたとき、祖母のお気に入りは私であったので、しょっちゅうお出かけのお供をすることになっていました。たいていはデパートに行ったり親戚の家を回ったりということが多かったので、私としては何か特別な期待もなくついていったのだけは覚えています。たいていは大通りまで出て当時はまだ街中を走っていた市電でお出かけ。市電のターミナルの前には定食屋があり、必ずといっていいほどそこでお昼を食べていきました。祖母も気ままで頑固な祖父に苦労したせいでしょうか、こういうときは楽しそうでした。定食屋で食べるものはいつも決まっていました。祖母は肉うどん。私はきつねうどん。二人で仲良く食べていました。熱いのが大の苦手の私のためにどんぶりの蓋かお椀が出てくるのが常で、それで冷ましつつ食べていました。小さい頃は食が細くゆっくりしか食べられない私に付き合って、祖母もまたゆっくり食べるのでした。その時あれこれと話しかけていましたが今となっては思い出せないですね。でも楽しいひと時でした。今でも定食屋に入るとその頃のことを思い出すことがあります。あのきつねうどんはとてもおいしかったですね。思い出の中だけにあるきつねうどんです。人は食べ物を食べるだけなのではなく、そのまわりの色々なものも食べているのでしょうね。

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