磯日記

2004/07/06(火)23:21

抜けちゃう極意

「初乗りエレベーターで中心に立つ勇気・・・・」 こんばんは。 今日は最近出会った奇妙な人のお話し。 「凄い」とか「やり手」とか「人が成し得なかった」とか 「BBQ」とか「小麦色の・・・」といった単語に極端に 弱い自分は、上のキーワードが二つ以上コラボすると 興奮する性質である。 ただ、人から聞いたところでその単語たちはあくまで「単語」 のままで、それらを自分なりに組み立てちゃうのも性質である。 その人の年齢は「還暦」 少し大きすぎるくらいのスーツを小気味よく着こなしていた。 一見どこにでもいそうな「とつぁん」である。 以上に血色のいい肌と異常にキラついた目以外は・・・ 自分はそう言った「キラキラ」とか「ギラギラ」とか「ギトギト」 といったものが、苦手である。 否・・・実は好きなのだ。「嫌よ嫌よも好きのうち」に近い。 得体の知れない「パワー」もしくは「キラリン笑顔」に対しては 体が、拒否反応する。 そのご老体も第一印象はそんな感じであった。 こっちが、「嫌悪」及び「険悪」な空気をかもし出せば出すほど、 ご老体の「キラリン」系パワーは見に刺さった。 「もう分かった!!」キラリンするの勘弁して・・・ そう心で観念すると、ご老体は静かに話し始めた。 「私は31歳まで人とろくに話をする事すらできない状態でした」 「またまた~」(心のボイス) 「何をしても自信が無く、周りにいる人たちをうらやましがっているばかりでした」 「ま、また~」 「人と比較ばかりして、ドンドン自分を追い込むばかりでした」 「・・・・・」 「そんな状況の中で、会社は最悪の環境のところに自分を送り込みました」 話は続いた・・・・ご老体の半生記を聞くうちに、内容よりも、 「この人なんでこんな楽しそうなの??」 ウキウキなのである。 自分の中での「過去ばな」をする時のルール。 1:遠い目をする。 2:出来れば話したくはない的な空気を前面に出す。 3:ディテールは話さない。 これが原則だと思っていた。 「逆」である。もう「真逆」である。 「何でも良いからドンドン聞いて~」 「おいら、こんな感じで生きてきたし、これからもいっきま~す」 こんな事は一言も言ってないが、こんな感じであった。 「抜け切ってるな~」 この「抜ける」というのは「吹っ切れている」「ぶっちぎってる」 という意味。 以前、「ぶっちぎる」事の大切さを教えてもらったが、 このご老体は「ぶっちぎり抜いてる」と言った感じであろうか。 「どうやって?」「何がそうしたの?」「きっかけは?」 猛烈に沸いてくる疑問も「あ、あ、あぅ~」といった擬音語にしか ならなかった。 すると、ご老体は言った。 「どうにもこうにも、そんな状況で凄まじい環境に行かされて、 自分は・・・・なんて考えてる場合じゃなかった。とにかく、 自分が変わろうとしない限り、どうにもならないって事は確実だった。それで、最初は一週間、できたのなら一ヶ月、そしたら半年・・・一年・・・そんで、気がついたら結果出してた。」 「自分は~が苦手で・・・それは自分にはちょっと・・・・」 そんな事言っている間はまだまだ「平気」だな~と思った。 「変わらざるをえない状況に身を置く、もしくは置かされる。」 そんな状態で「抜けちゃう」極意は生まれる・・・・ 分かるなんて毛頭言えないが、そんなご老体が「好き」になれた。

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