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2010.01.13
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カテゴリ:カテゴリ未分類


ウディ・アレンの「アニー・ホール」という映画のワンシーンに、こんなシーンがありました。
ウディ扮する主人公がダンアン・キートン扮する恋人と映画館へデートに出かけ、そこのロビーで男性の映画評論家が自身の映画論を周囲に聞こえるような大きな声で仲間に話しているシーン。
その評論家はこんなことを言います。
「フェリーニは偉大だが、「道」を貫いているのはネガティブなエネルギーだ。」
「道」というのは勿論、フェリーニの初期の代表作であり今もって世界中の映画ファンから愛され続けている映画作品のこと。
その評論家の語り口からは、巨匠フェリーニだろうとしょせんはたいした存在ではないと言わんばかり。
ウディ・アレンは隣で評論家の話にじいっと聞き耳を立てつつ、だんだんとイライラしはじめ、遂には、いてもたっていられなくなります。
そしてスクリーンごにこの場面を見ている観客に向かって(つまり撮影カメラのレンズに向かって)頭を抱えながらこう訴えかけるのです。
「こんな場合、あなたならどうしますか!?」

もちろん、ウディ・アレンはフェリーニの映画の素晴らしさを理解し讃えている側の人間。
一方の偶然にそばに居合わせた評論家にとって、フェリーニなど取るに足らない存在でしかないとでもいいたげ。
ウディ・アレンにしてみれば、「この知ったかぶり!」と罵倒したいところを、見ず知らずの他人なので言い出せないまま隣で頭を抱え一人で地団太踏みながら怒っているわけです。
この場面はとても面白いシーンでした。
「アニーホール」というのはコメディ色の強い映画なのだけど、特にこのシーンには爆笑させられたものでした。



「道」は果たして、ほんとうにネガティブな映画なのだろうか?。
どうなんでしょうね。まあ観る人によっては非常に暗く救いようのない物語にも感じられるかもしれません。
でも、僕は、この「道」という希有なる名作映画に向き合うスタンスとして、ウディ・アレンと立場を共にするとしかいいようがありませんね。
というより、偉大な映画監督の作品ほど、時にネガティブと思えるようなエネルギーから目を背けることなく、且つ、自身が伝えたいメッセージなりへと昇華させるものだから。

-----フェリーニは偉大だが、「道」を貫いているのはネガティブなエネルギー-----

なにをいまさら、そんなわかりきったことを言っているの?
僕なら、ウディ・アレンに変わって、どこぞの評論家にそう呟きたい。
「道」を貫いているのはネガティブなエネルギーだけど、それだけじゃないでしょ?と。
悲哀に満ちた登場人物たちの時に滑稽そのものな人生の歩みに訪れるネガティブな出来事の連続を描きながら、
同時に、
フェリーニが映画にこめた想い、眼差しは、映画のラストに訪れる海のシーンのように、静かに無言で、そして、あたたかい。
ネガティブと受け取った場面だけを切り取り、そこに批評の眼差しを向けるのは片手落ちというものなのあり、それでは評論家失格というものなのです。
こうした見解に、きっとウディ・アレンも「その通り」と微笑んでくれることでしょう。



しんしんと降り積もる雪景色を窓越しに眺めながら、
ふと、今、ジェルソミーナの笑顔を思い出しています。

























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最終更新日  2010.01.13 21:59:46


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