テーマ:癌(3513)
カテゴリ:日々の出来事
病院に着くと、夫は神妙な面持ちで待合室にいた。
かなり疲れているようだ。ともかく交代して、夫に昼ご飯を食べさせる。 午後1時過ぎには、夫の叔父(亡き義母の弟にあたる人)も駆けつけてくれた。 義母の兄弟の中で、この叔父が1番義母に面差しが似ているのだ。 そして柔和な人だ。 開始から5時間過ぎて、やっと手術が終わった。ベッドで寝たまま手術室 から観察室に運ばれていく義父。20分ほど後に、私達も観察室に入室を 許可された。 夫が義父に呼びかけると、ゆっくり目を開けてくれた。 医師の話では、予定通り手術は終了。がんができた右側の尿管と、くっついて いる腎臓ともに摘出。がんになった部分はほんの直径2センチほどだった そうだ。 目を開けた義父は、夫と叔父と私の顔を見回して 「皆の顔が、わかってきたよ」 「ほんまに世話になったよ」 などと言っていた。 麻酔が切れた時、幻覚を見たり暴れることもありますから、というのが 病院側からの説明だった。この時点ではそういう事は一切なかった ・・・でも翌日現れたが。 ともかく観察室に長居はできないので、この日は1時間半ほど傍にいて 帰宅。 翌日は家族3人で病院に行った。 看護師さん達も「ご家族も来てくれたから、これから病室に移動しますね」 と、観察室から一般病室にベッドの異動の準備を始めた。 すると、義父。「ほぉ、動くんか」と自分でベッドから動きあがろうとする。 私も夫も目が点になって、「ちょ、ちょっと待って!お父さんは寝たままで ベッドを動かしてくれるから!」と慌てて静止した。 昨日手術を終えたばかりの病人が、自分で歩いてどうする! 病室に移った後、義父は私達3人の顔をゆっくり見まわして、 「ここは名古屋?それとも大阪?」 と聞いてきた。「いや、和歌山だけれど」と皆で答えると、 「ほう。それで、手術はいつやるんだ」と聞いてきた。 「昨日、終わりましたー!!」 と3人で絶叫したのは言うまでもない。 麻酔をつかった手術をすると、せん妄といって幻覚を見たり時間や場所の 概念がなくなったり、管をとろうとしたりといつもと違った行動をとること がままあるらしい。義父にも尿をとる管、点滴の管、切開部分に流す 麻酔の管、体の中にたまった血液を排出する管と、とにかくたくさんの 管がついている。 この中で義父が1番取りたがっているのが、尿の管だ。 「おしっこ位、自分で出したい」 という気持ちが強いらしい。なかなか思うようにいかない事も多くて つらいとは思う。 また、驚いたことに手術から2日目にはもう歩行訓練が始まった。 確かに、寝たきりだと筋肉も衰えるだろう。 どちらかと言えば動きたい義父なので、歩行訓練はむしろ喜んでいるら しい。 私は休みの関係で今日名古屋に帰ってきたが、まだあと数日夫が義父の 傍らにいる。息子には遠慮なく甘えることができる義父なので、親子 水入らずの時間を過ごしてほしい。そして元気に退院できますように。 この度の手術の成功に感謝だ。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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