海と真珠

ばらが大好きな私だが、最近テレビで見たニュースには心が痛んだ。
とある公園で、来月見頃を迎えるばらの蕾を全て切り取ってし
まったと。それも、ばらを見に大勢の人々が来園するのを防止する
ためなのだ。

ばらには何の罪もない。全てはウイルスから、人々の命を守るため。
つぼみを切り取った人だって、そんな事はしたくなかっただろう。
でも、今はそうせざるを得ないような状況なのだ。

咲く花や蕾を切り取らなくて済むように。
普通に「ああ、綺麗に咲いているね」と目を細めて楽しめる日は
そう遠くはないと信じたい。

さて、勤め先のドラッグストアのマスクの入荷状況だが。
相変わらず箱マスクは極少量しか入荷しないが、5枚入りや7枚入りは
以前に比べて入荷するようになってきた。
もっともその日のうちに売り切れてしまうけれど。

仕事帰りのある日、自宅近くのライバル会社のドラッグストアに
私は立ち寄ってみた。何も並んでいない、マスク売場の前で腕組みを
して仁王立ちをして仕事のことを考えていた。

すると背後から「あの…」とおずおずと声をかけられた。
「はい？」と振り返ると、そこの従業員さんが小声で
「レジのところでマスク販売しています」
と教えてくれた。お礼を言ってせっかくだから、娘の分のマスクを
買わせて頂いた。意外な事もある物だ。
仁王立ちなどしていたから、よほどマスクが欲しいと思われたのだろうか。

そして今日は、近所の小さな洋品店…メインのお客様はほぼ高齢者という
お店だ…に「マスクあります」という小さな張り紙を見つけた。
入店してみると、不織布マスクとポリウレタンマスクがあった。
ここではポリウレタンマスクを購入。

最近有難い事にマスクと縁があるようだ。
自分の勤め先ではマスクを販売しているが、それを自分で買う事はまず
できない。それでも
「あんた達、そのマスクはどうやって手に入れているんだい？」
とお客様から意地悪く聞かれることもある。

私は「花粉症だから家に在庫があったのですよ」と答えるが、最近入った
新人さん。この人、県外の出身で明らかに言葉に訛りがあるのだが、
お客様からその質問を受けた時に
「田舎の母が、自分はいいからって送ってきてくれたんです」
と答えたそうだ。そうしたら、そのお客様は黙ってしまったらしい。

ここは純朴さの勝利というところだろうか。
変な邪推をしないでほしい。私達だってマスクを入手するのは同じように
困難なのだ。






最近日差しが強くなってきたので、去年コスメデコルテさんから
頂いた日傘をだしてきた。
花柄のアクセントが可愛くて、しっかりした作りで嬉しい。
さあ、今年も出勤の日は紫外線対策を頑張ろう。


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