ウナボンの泣き泣き日記

ウナボンの泣き泣き日記

1.不正出血かよ

☆不正出血かよ☆

20歳のある日、トイレに行き下着をみると赤茶色に汚れていた。
‘生理はまだのはずだしなんだろう?’
こんな感じだった。
それは、その日その時で終わってしまい
‘こんな事もあるのか’
程度の認識だった。
数ヶ月経った21歳のある日、また同じ事が起こった。
‘またか、すぐおさまるだろう’
と余り気にしていなかったが、この時は2日間も続いてしまった。

さすがに気になった私は数日後、女性誌の婦人科病気特集が目に入り購入した。
私の症状に似た例が載っていて【卵巣嚢腫】と書いてあった。
‘まさか私がこんな大変な病気になる訳がない’
そう思ったが
『最近若い女性にも増えている』という一文が気になったので、とにかく一度婦人科を受診してみようと思った。

実家を離れ都内で一人暮らしをしていた私は、近くに住むいとこに聞いて近所の個人病院へ行ってみた。
‘ええ~?’
という姿の内診台が目に映り圧倒された。
仕方がないのでパンツを脱いで台の上で足を広げた。
‘どーやって調べるのかな’
と何も知らない私は考えたが、そうこうしているうちに先生の指が入ってきた!
‘マッマジで~?’
ビックリして知らないうちにチカラが入っていたらしい。
先生に「力を抜いて下さい」と言われた。
‘なるほど!こうやると締まるんだ!’
と変に感心し、
‘こんな診察を受けるなんてホント処女じゃなくてよかったよ’
と胸をなでおろした。

内診が終わるとお腹の上からエコーでも検査した。
で、結果は卵巣嚢腫だった。
イヤな予感というのは的中するものだ。
「でも便秘でもこういう結果になる事があるので、また次回診察してはっきりさせましょう」
と言われ、とりあえずその日はこれで済んだ。
‘ま、何かの間違いだろう’
と余り気にしてなかった。

私の『石橋を叩いても渡らない』的な性格はここで表れて、もう一軒違う病院を調べて診て貰う事にした。

そこは総合病院なので規模の大きさで信頼してしまった。
幸い私をみてくれた先生は女医さんで感じよかった。
しかも「ホルモンのバランスが崩れたんでしょう」と結果もよかった。
‘やっぱりなぁ、私が病気なんておかしいと思ったよ’
といい結果をすっかり信じた私は
‘もうあの個人病院に行くことないや’
と上機嫌だった。
このことを同郷の友人に話したら
「念の為、最初の医院でもう一度確かめてもらった方がいいよ」
と慎重な意見が返ってきて`一理あるな’と納得した。
再度例の個人病院に行くと
「やっぱり卵巣嚢腫です。手術は来月にしましょう」
と勝手にスケジュールを組まれてしまい、超ビビッた。
「いや、あの、実家の家族に相談したいんで・・・」
とか言ってとにかくその場を逃げてきた。

ここまでの話を近所のいとこにすると
「N総合病院はこの辺じゃヤブで有名なんだよ」
と初めて近所の評判を聞いた。地元の声は凄い力だ。
一人暮らしで病気の私をいとこの旦那さんは可哀想に思ったのか、一生懸命いい病院を探してくれた。
若い私を思いやってくれて女医ばかりの病院を教えてくれた。

私鉄と私鉄の線路の真中辺りにある不便な場所だったが、その当時MRIもあるきれいで大きな病院だった。
オバさん先生は内診もやさしくみてくれた。
お腹の上からエコーでも調べ、MRIも受けた。
やっぱり手術は避けられないとの結果が出た。
「手術は実家の近くで受けたいんで・・・」
とその病院を後にした。

通院中は仕事もおろそかになってしまったので皆に申し訳ないと思っていたが、
アットホームが売りの小さな設計事務所だったのにもかかわらず、私の仕事はそのまま残されていた。
でも私は自分の身体が第一なのでこんな状況でも通院した。
仕事のフォローも何もしないのに、所長は私が通院のため会社を休むとブーブー文句を言っていたらしい。
私には「大丈夫?」なんて心配そうに声をかけてくるのに・・・。
人の心はおそろしい。
でもこれをキッカケに所長や所員に申し訳ないという気持ちはすっかりなくなり、心置きなく検査に集中することが出来た。

そんな訳で病院を私の地元のT病院に移し、3ヶ月に一度程度検査で帰る事にした。
実家に泊まる都合もあって通院日を土曜日にしてもらった。

***** 2.『もしも・・・』のコーナーかよ へ続く*****



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