テーマ:心理学の悪用(138)
カテゴリ:心理学の利用
喫茶店で、隣のテーブルにサラリーマン風の二人組が座ったとする。そのヒソヒソ話を聞いていると、どいやらいま取り組んでいる製品がようやく完成しそうで、それは業界初の画期的技術。もうすぐ、新聞発表もできそうだというのだ。
かりに、その会社が上場企業だった場合、極秘情報を聞いた気になって、その会社の株を買おうという気になる人もいるだろう。彼らのいうとおりだとすれば、新聞発表後、その企業の株価は確実にはね上がる。その前に買っておけば、大儲けができるはずだ。 だが、すこし冷静になって考えれば、その情報だけで株を買いに走るのはあまりに危険な行為といえる。会社の名前を聞き違えたかもしれないし、もうすぐ完成という話にしても、彼らの希望的観測という可能性もある。 さらにいえば、そのサラリーマンの会話自体、まったくの作り話かもしれない。劇団の役者二人が、芝居の稽古をしていたということも考えられるだろう。 にもかかわらず、そういう情報に飛びつきやすいのは、それが「偶然聞いた話」であるためだ。人間というのは、熱弁振るって説得されるよりも、たまたま聞こえてきた話ほど、信用してしまう傾向があるのだ。とくに、偶然耳に入ってきた話、また盗み聞きしたような場合ほど、無条件に信じる傾向が強い。 逆にいうと、人にウソを信じ込ませたいときは、わざと盗み聞きをさせればいいことになる。まったく根拠のないデタラメな話をしても、それが聞いた人はその話を真実だと重い、うのみにする可能性が高い。 たとえば、ライバル社の人間がよく行く喫茶店で、ウソの情報を話したり、社内のライバルの近くでウソのうわさ話を聞かせる。「偶然聞いた話」の心理効果を利用して情報操作を行い、相手を混乱させることも可能なのである。 ブログランキングと人気blogランキングにクリックお願いします PR 還元率200%以上でしかもクリックを交換するので、確実にアクセスアップにつながります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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