テーマ:心理学の悪用(138)
カテゴリ:心理学の利用
若い男性の中には、給料が安いくせに、ブランド物の服や時計を見に付けたがる人がいる。そんな若者に対して、「外見をよくする前に、仕事を覚えろ」と苦々しく思っている人もいることだろう。
だが、外見をよくすることは、仕事上決して無駄なことではない。外見のいい人間は、そうでない人間よりも、高い評価を受ける心理傾向があるからだ。 この心理効果については、過去にさまざまな心理実験が行なわれてきた。たとえば、服装については、こんな実験がある。 電話ボックス内のよく見える位置に、わざと10セント硬貨を置き忘れておき、次の人が電話ボックスに入るのを待って、ボックスのドアをたたく。そして、中の人に、「10セント硬貨を置き忘れたのですが、なかったでしょうか」と聞く。 このとき、きちんとした服装で尋ねた場合は、77%の割合で十セント硬貨を返してもらえた。ところが、みすぼらしい服装で訪ねると、38%の割合でしか返してもらえなかった。きちんとした服装をしているほうが、相手から信用されやすく、正直な対応をされやすいのだ。 つぎのような実験もある。信号待ちをしているとき、赤信号を無視して横断歩道を渡り、周囲の人間がどう反応するかを調べたのだ。すると、信号を無視した人がネクタイをした紳士風だと、一緒に信号無視する人が増えた。一方、作業員風の人が信号無視した場合には、ほとんどの人は一緒に横断歩道を渡らなかった。ここにも、服装によって周囲の評価は変るという、人間心理を見ることができる。 外見のいい人間が、好印象を受けやすいのは、服装に限った話ではない。身長についても、同様のことがいえる。身長の高い人と低い人とでは、高い人のほうが人に好印象を与え、優秀な人間と見られやすいのだ。 会社の人事課の人に、身長が182・5センチの人間と、162・5センチの人間の応募書類を見せ、どちらを採用するかを答えてもらった実験がある。このとき、身長以外の二人の能力はほぼ同じだったにもかかわらず、大半の採用者が182・5センチのほうを選んだのである。 また、ピッツバーグ大学の卒業生の初任給を調べたところ、身長が180センチから190センチの人間は、180センチ以下の人間よりも、平均で12・4%も給料が高かったという。背の高い人は、女性にモテるだけでなく、仕事でも何かと得をしやすいというわけだ。 クリックによる応援をお願いします PR ソニー40V型液晶べガ、“PSP”など総額100万円当たる! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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