テーマ:心理学の悪用(138)
カテゴリ:心理学の利用
近頃の日本人は総体的に表現力が低下し、複雑な表現ができなくなっていると言われる。
物事を難しい言葉で言い表すのではなく、分かりやすい言葉で表現することには、利点もある。 しかし、単純すぎるフレーズでしか表現できないのは問題だ。 何も考えていないとしか思えないようなギャルや、テレビに出るコメンテーターやレポーターにもこのタイプの人が多い。 例えば、行列ができるラーメン屋を取材しても、一口食べてみて、最初の言葉が、「この味、サイコーです」。そして、その後に、「こってりしているようで、しつこくないスープがサイコーです」と、ワンパターンのリポートが続く。 最高という言葉の意味を知って使っているのかといぶかりたくなるが、まあまあおいしい程度であれば、「サイコー」という最上級の褒め言葉を使うのだ。 この手の賞賛のこと表現で、サイコーと並ぶものに「イチバン」がある。コメンテーターやリポーターの場合、こういう表現を使っていれば安全だと言う計算のもと発しているだろう。無難に世渡りができるからと。しかし、それが習慣になると、その人の人間性にまで影響してくるだろうから、こういう人間は信用できない。 サイコーやイチバンを連呼する人にとっては、サイコーのもの、イチバンのものがいっぱいある。だから、本来の意味での最高でも一番でもないのだ。 「グッチの新作のトートバック、サイコーよ」 「ミュウミュウの今年の夏のミュール、サイコー」なんて、コギャル仲間が言い合っている分には、人畜無害だから、勝手に言わせておけばよい。 しかし、こういう単純なフレーズは、他人を扇動する力がある。それを意識的に利用する人は疑ったほうがいい。詐欺で逮捕された悪質な宗教家のキャッチフレーズは、「皆さーん、サイコーですか」だった。 クリックによる応援をお願いします PR お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.05.10 18:21:56
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