テーマ:心理学の悪用(138)
カテゴリ:心理学の利用
犬をしつけるときは、即座に褒めたり、叱ったりしないと意味がない。
例えば、初めて「お手」ができたとき、多くの飼い主が、すぐにその場で「わぁー、よくできたねぇ、ポチ。賢いねぇ」と大声で褒め、頭をなでてやるだろう。褒めていることを具体的に分からせるために、エサをやることもある。このように、即座に褒めるから、犬は自分の行為と褒められることの関係を認識する。 それが翌日になって「ねぇ、ポチ、昨日はお手ができた。賢いねぇ」と褒めても、犬は何のことかさっぱり分からない。 叱る場合も同じで、部屋の中でおしっこをしたら、粗相をしたそのとき即座に、犬の鼻先をおしっこにこすりつけ、「ダメでしょう。ここでおしっこしたら」と言って、叱る。おしりを軽く叩くと、より有効なこともある。 大事なのは”即座に”ということだ。 これが、おしっこで汚れた床や畳を拭いた後で「ダメでしょ。お部屋でおしっこをしたら」と叱っても、犬はもう何のことか分からない。おしりを叩かれても、その理由がわからないのだ。 この点、人間と犬とはまったく同じで、その場で即座に褒めたり叱ったりすると、相手の心に響く。「彼にはよいこところがあるな」と思ったら、その瞬間、すぐに褒める。こうすると、相手の心により強く訴え、相手の記憶の残りやすい。 ところが、日本人は相手を褒める習慣があまりないので、その場で褒めることをあまりしない。後になって褒めたりするから、褒められた相手も「僕、そんなこと言いましたか」なんて、お間抜けなやり取りになったりする。 なかには、学校を卒業して三十年もたって、「お前、いつもクラブ活動の仲間の縁の下の力持ちになっていたよな。他の奴はあまりわかっていなかったけれど、俺はお前のこと、偉いなぁと思っていたんだよ」なんて、さかのぼって褒められても、失った三十年を取り戻すことはできない。 褒めて人をたらしこむには、タイミングがものをいうのだ。明日からでもいい。気がついたら、すぐに褒めることを習慣にしたらどうか。 例えば、会社で会議が終った直後に、「キミ、さっきの意見を言ったときのタイミング、よかったぞ」と言う。あるいは、会社の廊下で顔を合わせて、一言二言交わしたとき、「おっ、今の君の表情いいぞ」でもいい。 最初のうちは、思いつきでいいから、とにかく人を褒めてみることだ。 クリックによる応援をお願いします PR 学歴も資格もない私でも、在宅で楽しく稼いでます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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