2005/04/28(木)07:29
マルハンの上場
京都には目立たない大企業が多い。その典型例の一つが、マルハンだ。パチンコ
ホール経営の国内最大手とされる。だが、出町柳の賀茂川畔にたたずむ本社ビルは今
風の高級マンションといった雰囲気で、とても巨大企業の本社とは思えない。
これまで地元では店舗展開しない方針を取ってきた。だから、よほどのパチンコ
業界通でもないと、同社が京都の会社だと知る機会すらない。
そのマルハンが今、大いに目立とうとし始めている。この3月期の決算では売上高が1兆
3000億円(前期比約40%増、単独ベース)に達する見通しになった。京セラの同期の売上
高見通しが1兆1500億円(連結ベース)だから、これを大きく上回ることになる。
同社の当面の経営目標は株式上場だ。その狙いはパチンコ産業の“適正化”だという。
パチンコホールは建前とホンネが交錯する場所だ。玉を現金化してはいけないことに
なっているのに、出口横には必ず交換所がある。皆大手を振って現金に換えている。その
差額から生み出される巨額のヤミ資金が日韓や日朝の間を行き来し、時の独裁政権やその
仲介者を潤してきたことも周知の事実だ。マルハンはそうした問題をクリアするための
社内整備にエネルギーを費やしてきたとされる。あとは景品問題について当局の判断を
待つばかりだという。
マルハンの上場だけでこうした問題が解決するとは思えない。だが、最大手企業が透明な
経営に徹して、それが全体に波及するのなら、それに越したことはない。京都には
マルハン以外にも松原興産や第一物産、高山物産などホール大手が軒を連ねる。そうした
企業への影響は少なくないと思われる。