2007/07/20(金)21:14
ベトナム監督
サッカーのアジアカップで、日本と同じ1次リーグB組のベトナムが2位で準々決勝進出を果たした。
率いるのはオーストリア人のアルフレッド・リードル監督(47)。
長い間、腎臓の疾患に悩まされてきたが、今春、ベトナム人が提供した腎臓の移植手術を受けた。
国際ランキング142位のベトナムが起こした番狂わせは、
第二の故郷とも言うべきベトナムへの恩返しでもあった。
ここ数年、ベトナムでは、代表の主力選手をも巻き込んだ八百長問題が次々に発覚した。
代表崩壊の危機を救ったのが、05年春から指揮を執るリードル監督だった。
その監督が手術を必要としていると知った時、80人以上のベトナム人が臓器提供を申し出た。
適合した1人から提供を受け、今年3月、オーストリアで手術した。
「ベトナムサッカー史上、最も難しい試合」と位置づけた16日の日本戦は
開始早々にオウンゴールで先制したたものの、その後は地力の差が出て1-4で大敗した。
「勝つ望みは薄い。リードをできるだけ長く保ち、何とか引き分けに持ち込みたかった」
という望みもむなしく、勝ち点は4から伸ばせなかった。
だが、同じ時間に行われた試合で、勝ち点2のカタールがアラブ首長国連邦に逆転負けし、
ベトナムに朗報が届いた。
リードル監督は「少数を除き、誰もベトナムの8強入りを信じていなかった。
これは大きな収穫だ」と強調した。準々決勝ではA組1位のイラクと対戦する。
「ベトナムは、またサプライズを起こすかもしれない。サッカーは何が起きるか分からないのだから」。
オーストリア代表監督を務めたこともある指揮官は、不敵な笑みを浮かべた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/soccer/news/20070718k0000e050071000c.html