640897 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

非生産活動推進委員会

非生産活動推進委員会

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カテゴリ

プロフィール

RONNYジイ

RONNYジイ

フリーページ

コメント新着

 沖縄県宮古島出身です、@ Re[21]:赤坂シンデレラの最後(08/18) 樋口 和彦さんへ 本当に、次郎さんと五郎…
 アミちゃん@ ジョイの訃報😢 nikumaruさんへ 連絡有難う御座います。ジ…
 マチャアキ@ 想い出 岸本さんですね 懐かしく読ませて貰いまし…
 マチャアキ@ 岸本さんだよね このブログを読んで昔の記憶が蘇って来ま…
 マチャアキ@ 想い出 マチャアキです 新宿時代は本当に無茶苦茶…

お気に入りブログ

まだ登録されていません
2005年06月20日
XML
アフロ小僧の新島旅行は、結局なんのこたぁない野郎同士の冴えない旅となりましたが、取り敢えず黒人を目指す二人の肌は少しだけ黒くなりました。
無事本土に戻った二人は、早速色の黒さを自慢しに新宿に出張って、新島「くろんぼ」仕込み(笑)の草履でも踊れるオールドマンをご披露したのでした。

この頃、委員長とケイゾーの二人は新宿ブラックシープよく通っていました。
フロアが三つのコーナーに分かれていて、手すりで仕切られた段違いのフロアがちょっとTVのソウルトレインのステージっぽい感じで気に入ってました。
バンドも週末は黒人バンドが出たりして、かなり黒っぽいイメージの店でした。
新島帰りのアフロ小僧二人組は、早くもここで若いおねーちゃんをナンパしてしまいます。彼女たちは第一期サーファーファッションとでも言うのでしょうか、当時は畳地の厚底ぞうり(雪駄を上げ底にしたようなぞうりですね)にボンタンみたいなダボダボジーンズ、アロハにプカシェルってのがちょっと粋なファッションでした。
ハワイ帰りだぜぇ、みたいなスノッビー・ファッションといったところでしょうか。
そんなナリした二人組を誘って夜のドライブ、羽田空港まで行ったのですが、よく見りゃ高校生に近い幼顔の二人、道楽者とはいえ、こりゃちょっとやばいんじゃないのってことで、この日はこのまま中野あたりまで送ってお別れしました。
特に委員長の場合はソウルシスターを追い求めておりましたし、言うなれば自分たちだって二十歳になったばかりの若造ですから、年上はウェルカムでも年下は子供っぽくてイマイチ気乗りしませんでした。
後にこの子達と委員長は偶然再会することになるのですが、なんとこのときケイゾーはしっかり電話番号などをGETしており、きっちり裏で付き合っていたのです。後でこの事実を知った委員長は、ケイゾーの腰の入ったスケベ根性に感服したものでした。

また、ブラックシープの隣にあったQ&Bにも時々顔を出しておりました。
ビバヤングのチェーンということもあって、親近感があったのか、別段知り合いがいたわけでもなかったのですが、天井の低い薄暗い感じが昔っぽく、大きな鏡も気に入っておりました。
そんなある夜、賑わうフロアででかい顔して踊っている委員長の前に、黒人のハーフのようなアフロ小僧が躍り出てきました。

「あにきぃ、久しぶり~」
おっと、吉野君の登場です。
久々に見るジョイ吉野の顔は、妙に色が黒くて羨ましいくらいの黒人顔です。
それに比べて委員長の新島仕込みの日焼け肌は、まだまだ修行が足りません。

「おめー随分色黒いなぁ」

「俺んち、実家が御宿だからさ~」

「最初見たときハーフかと思ったぜ」

「実は昨日まで大島行っててさ、全身ばっちり焼いてきたんだよね」

く、くっそー、新島の方が大島より遠いのに、なんで負けたんだ、などとわけの分からない地団太を踏む委員長でした。

悔しがる委員長は早速ケイゾーを巻き込みます。
「あにきぃ、俺ら負けてちゃまずいんじゃねぇの」

「負けるって、何が?」

「色だよ、色。何であいつの方が色が黒ぇんだよ」

「なこと言ったってしょうーがねーじゃん」

「もういっぺん行こうぜ、新島」

「あー? 別に日に焼くんだったら江ノ島でも大磯でも良いんじゃねーの」

「だめなんだよ、大島に負けちゃ、新島に悪いだろ」(なんのこっちゃねん)

ということで、わけのわからない委員長の剣幕に押されるケイゾーがしぶしぶ承諾して、新島旅行第二弾が計画されたのです。
ところが、ここでケイゾーの彼女、スネさんも黙ってはいられません。
それでなくとも男好きの疑いをかけられている委員長ですから、二度も二人だけで島に渡るとなると更に疑い深くなります。
ひょっとして女連れて行くんじゃないかとか、やっぱりこの二人できてるんじゃないかとか疑心暗鬼に陥っています。
じゃ連れて行けばいいんじゃねーか、とケイゾーに聞くと、俺だけ彼女連れてっちゃ、あにきに悪いからってなこと言い出して、そうかよ、俺にゃ女がいなくて悪ぅござんしたね、といじける委員長。
そこでスネさんが間に入って、友達連れてくるってなことで話がまとまりました。
またかよっ。
そうです、予想通り委員長のパートナーはS子でした。
しかしよく考えてみれば、この二人、友達が少ないのは当たり前だよなぁ、などと同情する委員長でもありました。(口にしたら絞められてただろうなぁ)
4人で行くと決まったら動きの早いスネさん、早速船の手配からお弁当のおかずまで、夫婦気取りできっちりと仕切ります。
まあ、こっちは日焼け目的だから、誰が行こうが何をしようがしったことではありません。とにかく、よーっく日に焼けるようにコパトーンのオイルなども買い込み、今度こそ黒人になるぞーっと気合の入る委員長でした。

さて、ダブルデート(?)の新島旅行ですが、7月も半ばを過ぎれば一斉に夏休み、ピークシーズンに入りますから船の切符も中々取りにくくなります。
浜松町・竹芝桟橋からの直行便は満席で、熱海からの高速艇しか取れません。(ホントに当時は伊豆七島は人気がありました)
ということで、新幹線で熱海まで行き、1泊して高速艇で新島へという旅程が組まれました。
当日朝は新宿で待ち合わせ、どうせなら午前中に熱海まで行ってその日も無駄なく遊びましょうってなことになりました。
アフロリーゼントのS子は、委員長とケイゾーのお揃いアロハに倣って、不良少年御用達原宿ハラダでスネさんとお揃いのアロハ、しかも上下ペアの甚平スタイル。
アフロ頭二人とこのスケ番二人組、一体回りの人たちはどのように見ていたのでしょうか? 今にして思えば、新宿最強のタッグチームだったような気がいたします。

さて、熱海に着いた一行は、山の上の素泊まり宿に一泊して、翌朝熱海港から高速艇で新島に渡ります。
ところが低気圧の影響か、曇天で風も強く、結局はこの日は海岸を散歩しただけで終わり。翌朝は小雨まで降り出す始末。
不安な面持ちの乗客は列を作って乗船を待ちます。
乗船客の中、一際目立つ委員長たち一行を見つけて声をかけて来た青年がいます。

「また会ったね、僕もこれから行くんだけど、天気悪いよね」
アフロレイキのボーイ長マー坊でした。

「やっぱ、竹芝からの船取れなかったの?」

「いや、僕はいつもこっち使ってんだよね。速いから」

愛想笑いの委員長、こいつ結構金回りいいんだなぁ、と内心うらやましく思ったりしました。

「ところでさ、これ買わない」
マー坊がバッグから取り出したのは、当時大流行のプカシェルでした。

「1本千五百円なんだけど、ロニーだったら千円でいいよ」
おー、きっちり名前を覚えててくれたのかって、悪い気はしません。
マー坊のバッグにはざっと30本近くのプカシェルが入ってます。

「毎週仕入れに帰ってるからさ、まとめて買ってくれればもっと安くできるし、ディスコでも結構さばけると思うよ」

おお、なんとこいつはこの若さで(って歳知らなかったんだケド)、こんなことして商売してるのかぁ、大人だなぁ、なんぞとと感心しつつも、色黒自慢で競い合ってる自分がなんだか非常に子供っぽく思えてしまい、負けずに大人っぽく見せるためにも、その場で1本買ってしまった委員長でした。(きっちりセールスのツボにはまったわけです)
おまけに、隣に居たS子を目ざとく見つけて、「彼女にも買ってあげたら?」などと調子こかれて、なけなしの二千円をふんだくられたのでした。
さらにマー坊、その横にいたケイゾーとスネさんつかまえて、「ジミーもどう?」ってなこと抜かしたもんですから、「えっ、ジミー?ってなによそれ?」ってな具合にスネさんに詰め寄られてシドロモドロするケイゾーも、きっちり2本買わされてしまったのです。
このマー坊ってヤツぁ、本当に大した野郎でした。

お揃いのプカシェルをしっかり首に巻いて船に乗り込んだ一行は、この後更なる災難に見舞われることになったのです。
海は大シケ、危ないからって甲板にも出れず、皆船底の二等船室に閉じ込められたのでした。大波小波に船は揺れ、横になっていてもゴロゴロと転がりそうなくらいで、子供は泣き叫び、大人はトイレになだれこみ、身動きひとつできずに皆まんじりとしているこの船室こそ、まさに黒人が乗せられた奴隷船じゃないか、おお、これこそオレが求めていた本物のソウルマンだあ、などと呑気たれている場合じゃなく、黒い顔を目指してやってきたのに真っ青になってしまった委員長でした。
ケンカ自慢の姐御二人もさすがに船酔いには勝てず、揺れる船室の隅に張り付いていたのでした。
あー、こんなことなら熱海で遊んでりゃよかったなぁ、などとグチを言っても始まりません。ただひたすら到着を祈るばかりでした。

しかし、そこはさすがに高速艇、奴隷たちを乗せた船は荒波を乗り越え、なんとかブザマな姿を見せる前に島に到着してくれました。
桟橋から降り立った委員長はしっかりと新島の大地を踏みしめました。
やれやれ助かった、と気が緩んだ委員長、民宿のおばちゃんが運転する爆音ヘリコプター・ライトバンにトドメを刺され、新宿最強のタッグチームは遂にダウンとなったのでした。
で、結局は3日間ともお天気に恵まれず、委員長の目論みはもろくも崩れ去り、友情の印、白いプカシェルだけが4人の首の周りで輝いていたのでした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年06月20日 15時03分30秒
コメント(0) | コメントを書く
[1975年頃のディスコのお話] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.