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テーマ:調剤薬局(35)
カテゴリ:医療の実態
咳止め薬は効果と副作用が見合っていないもの、と思っています。 咳の治療は西洋薬の弱点のひとつですね。複数の去痰薬と組み合わせて何とか軽減できるかどうかという感じで、かといって中枢性鎮咳薬は眠気と便秘、なにより習慣性が強すぎです。 咳を止めようとするとどうしても強い薬へ移行しがち。 そうして生まれた咳止めジャンキー達がライトゲンシロップを専門外のクリニックの医師に頼み込んで大量に処方してもらっていく風景がかつては横行しておりました。 そんなこんなで現在は非麻薬型の鎮咳薬が主流になっているわけですが、そのなかでメジコン散(一般名:デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物散)は、すごく苦いです。 どれくらいかというと、私の感覚では旬のゴーヤくらいで、独特の苦味が長く続きます。 大人は咳が少しでも軽くなれば、と我慢できますが、問題は小児に処方されたときです。 本来、メジコン散は小児には適応がありません。「小児に出すならメジコン配合シロップをどうぞ」というのがメーカーのスタンスなのですが、なぜか小児にメジコン散が処方されるケースが少なくないんですよね…苦い薬はアイスクリームに混ぜてマスクする、という手法がありますがメジコン散はこの方法でも苦いです。ジェネリックでは多少苦みが改善されているものもありますが薬局によって採用しているジェネリック品は違うので院外処方にする時点で「配慮に欠ける」といえます。 咳で苦しんでいるのを楽にしてあげたいとアスベリンじゃなくメジコンを選ぶ気持ちはわからないでもないんですがどのみち効果はほどほどなので、子供がクスリ嫌いになるリスクを取ってまで処方するのはどうなのかと薬剤師的には思います。 毎回疑義照会している某クリニックさん、そろそろメジコン散は苦いので小児には不向き、ということを覚えてくれないかなぁ~… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.30 19:29:51
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