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小鳥のさえずりの聞こえるさわやかな朝。
小鳥たちのだんらんを引き裂くが如く、 ばあばの怒鳴り声が響き渡る。 いつまで寝とったら気ぃすむねんッ、 はよ起きてご飯食べりぃッ! ガラガラ、ピシャッ!! ・・・毎朝のように繰り広げられる光景です。 何時何分にどういう展開になるかまで、 朝の連ドラのストーリーよりも容易に予想できます。 この後、 お、おおおぉぉぉ… カブトムシの幼虫が地底から這い出るように じいじが布団から抜け出て来て、まずはトイレ。 こ一時間は出てきません。 ほんで、お約束のようにばあばが けたたましい勢いでトイレのドアをどつきまくり、 死んどんのか~ッ!! 結婚した当初は、 『来世まで添い遂げたい』なんちゅう しおらしいこと言うとったばあば。 ダーリンはいつもこの光景を眺めつつ、 明日は我が身かぁ… いやいやいや、ダーリン、アタシはああはならんよッ! たぶんな、ハゲといっしょで、性格も隔世遺伝すんねん。 アタシ、オカンよりばあちゃんに似てるんや、 ばあちゃん、じいちゃんのこと めっちゃ大事にしとったんやでぇ。 ちゃんとお片付けもできる人やったし! そんなこんなしとるうちに、 出勤の時刻とあいなりました。 が… なんか、コゲ臭ない? ダーリンが、鼻をひくひくさせながら言う。 さっき、ばあがパン焼いてたから、 トースターのにおいかなぁ? 一応、確認だけしとくか。 ダイニングキチンでは、じいじが 一人ぽつんとNHKの幼児向け番組見ながら コゲコゲのトーストと格闘中。 原因はコレか… うわわ~、炭みたいやないか。 なんぼじいじが加齢臭漂わせとるちゅうたかて、 何も炭食わさんでも… とりあえず、トースターは異常なし。 やっぱり、パンの焦げたニオイか… と、トースターの近くのレンジ台から もうもうと煙… たっぷり油をひいた玉子焼き器、 からっぽのまま火にかけっぱなし! うわわわ~、危ないッ! 慌てて火ぃ消して、 ばあばッ、ばあばッ!! ・・・姿なし。ダーリン曰く、 ばあやったら、裏庭で草焼いとるで。 はぁ? ナニソレ? たぶん、突然、無性に、 タマゴより草焼きたくなったんやろなぁ。 いや、ちがうでダーリン。 さっきまでこの部屋に、じいしかおらんかったもん。 たぶん、タマゴよりじい焼きたくなったんやと思うわ。 ぼちぼち来世を楽しみたくなったんやろ。 来世でも、仲よぅしいや。 にほんブログ村……応援して下さったらうれしいです♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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