セイヤのblog

2012/02/10(金)15:35

デフォルトさせるべきでは・・・

経済(19)

ギリシャが財政緊縮策受け入れに合意した。 根拠の無い安堵感で昨日はマーケットにも若干の上昇が見られた。 しかし、だから如何した?と思う。 現在の状況はギリシャのデフォルトの危機を「一度だけ回避出来る 可能性」が増しただけに過ぎない。 ECBにどれ程の資金が動かせるのか知らないが、ギリシャの次回以 降の国債償還期だけでなく、ポルトガル、アイルランド、スペイン 、イタリアといった国にも同様の対策を打ち続ける事が出来るのだ ろうか。 ECBが、高金利(故に低価格)となってしまったこれらPIIGS諸国の 国債を買い支え、各国が持ち直せばECBは大きな利益を得る事にな り、資金が潤沢になる事でのEU加盟国共通の利益はある。 しかし、これはかなり危険なギャンブルだ。 それも民間金融機関に途方もなく膨大な額の債権放棄をさせた上で のギャンブルなのだ。 失敗はそのままEU崩壊・世界恐慌の発端となる。 公式会見では「無秩序なデフォルト回避」という表現を使っていた が、今回の支援自体が無秩序な行為だと受け取っている経済関係者 も少なく無いと感じる。 「秩序的なデフォルト」もあるだろう。 世界に影響が大きすぎるスペインとイタリアを支える為に、ギリシ ャ、ポルトガル、アイルランドはデフォルトさせて、ECBの資金は 金融機関等の民間支援に回すという方法は無かったのだろうか。 スペインとイタリアが持ち直したら他の3国への投資を促せば良 いだろう。 かなり乱暴な意見である事は承知している。 国際金融に詳しい人間から「素人」と一蹴されるかもしれない。 しかし、私の思う処は3つある。 1) 債務国の歴史的に染み着いた認識と欧州的ライフスタイル     は容易には変わらない。 2) 耐え、支える側の国の論理 3) デフォルトの効用 現代社会は他国を侵略して植民地化する事は基本許さない。 所謂「敗戦国」という憂き目に会って「祖国の喪失」という事は マズ無いのだ。だからこそ祖国が自立不能の「デフォルト国」とな ったという現実に直面しなければ、彼の地での「自助の意識」は生 まれ難いだろうと考える。 「自助の意識」の無いところへの「支援」ほど空しいものは無い。 公務員だらけなのにゼネストを決行する様な国への支援にどんな意 味があるのだろうと思う。 ドイツ国民の我慢にも限界があるだろう。 嘗てデフォルト国となったロシアやアルゼンチンの現在の経済状態 を見れば、デフォルトする事での人民の「国家的動機づけの高揚」 もあるはずだ。 国家間・個人間を問わず、「努力し工夫した方」が「怠けて遊んで いた方」を支えるという図式は人間の宿命だろう。 此れを物理的な知識量の区別と混同すると危険だが、理性として片 方を切り捨てられない以上、不公平感極まり無いが「人間社会はそ ういうものだ」と納得すべきなのだろう・・・ 「努力し工夫した方」が出来る事は、平和裏に相手に認識の変容を 訴える事だけだ。

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