2007/01/05(金)21:03
硫黄島からの手紙
大阪滞在中に、映画館で『硫黄島からの手紙』をダンナさんと一緒に観ました。
この映画が話題になるまで、『硫黄島』の存在さえ全く知りませんでした。
61年前、現実に起こった壮絶な戦い・・
映画を観終わって最初の感想は、『なんて日本はバカなことをしたんだろう』ということ。
圧倒的な戦力を誇るアメリカに勝てるわけないのに。
潔く死ぬことを美徳として教育された彼らは、
最後の一人になるまで戦い抜くことを命令されたにもかかわらず、
次々と自決していきました・・・
なんて無駄な死だろう。悲しすぎます。
ダンナさんは、イーストウッドが作った映画というから
当然ハリウッド映画だと思って(いや実際そうなのですが)行ったら、
『まるっきり邦画じゃんって思って、最初すっごいがっかりだった~』
なんて言ってました。(彼は邦画が好きじゃないので)
製作はアメリカ。でも俳優は殆どオール日本人。
言われなきゃ、アメリカ人の監督だなんて分からないくらい、
日本のことをよく理解して作られた映画だったと思います。
とても公平に描いているなあと思ったのは、
戦いに疲れた日本の兵士が、命からがら投降して、
米軍の捕虜とされた場面。
二人の投降兵の見張りを言いつけられた米兵は、
「めんどうだから」というような勝手な理由で、
なんと二人を撃ち殺してしまう。。。
アメリカの捕虜は人間的に扱ってもらえる、とは限らない。
戦争というのはこういうものなんですね。
つくづく思ったのは、
『国際交流』は平和のための大きな力になるということ。
登場人物の中で、主役である栗林さんと、バロン西さんは
アメリカで生活した経験がありました。
英語を話し、そこでの生きた生活体験によって
アメリカ兵も同じ人間ということを、
当たり前のように肌で感じていた。
鬼畜米英と教育されていた当時の日本人は、
現在あるあの恐ろしい北の国のありさまによく似ています。
周囲との交わりを絶ち、偏った教育をされるなら、
人間って多分、すぐにそうなってしまうんだ・・・
いろんなことを考えさせられ、
戦争を生き抜いた人々、散っていった人々に思いを馳せ、
これからの日本、世界情勢を憂いつつ、
それでも、今ある幸せをかみしめつつ、帰途についたのでした。