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uraleの日々自分磨き・女磨き

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2006年02月02日
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カテゴリ:アートな生活
この所工房に篭ってコツコツと制作している中、自分の悩みとかが無いのでやたらと《未来の夢を明確に強くイメージする》をしてみている。こういう集中している時期に未来のイメージをしてると特に効果的ではないかな?な~~んて思ったりして(*^_^*)

そんな時ふと『昔に似たような時期あったよなぁ~』とか『こんな事あったっけ』ってな感じで頭の中に2~3日集中してある出来事が頭の中に鮮明に甦って来る。きっと今進んでいる道をはずさない様に・忘れてはならない大事な事として頭をよぎるのだと思っている。
ここ2日間ぐらい頭から離れなかった事を書いてみようと思う。

5~6年前に友達から『イベントで1日カフェをするから』との事で30セットのコーヒーカップセットの依頼があった。注文分の陶器を作り終えた頃に『実は予定のイベント会場では水が使えないらしいので陶器を使う事が出来なくなった。申し訳ないから横のブースを借りるのでそこでそれを販売して欲しい』との事。
その頃の私は教室の講師のウェイトが大半を占めていて陶器を販売するには余り気が乗らなかったが『まぁ~そう言ってくれてることだし作った分売れたらラッキーだしなぁ~』程度の感覚で久々に自分の陶器を売ることにした。

当日会場に行ってみたら場所的にも雰囲気的にも手作りの作家モノ陶器を売っているのは不釣合いの感じだったが、『まぁ~いいかぁ』自分の作品の展示を始めた。

暫くしてお客さんがやってきて私のポストカードの写真を見るなり『ほらな!写真の方が実物よりいいやろ?♪』とか『これ本物か?張りボテちゃうか?』とか下に敷いてる布を見て『この布い良いわぁ』とか失礼極まりない事を言う人が立て続けに3人ばかし来てテンションは落ちるわ私自身【売る気ゼロモード】に入っていった。

そんな時なにやら正体不明の風貌の変わったお爺さんがやって来た。私の作品をマジマジと見てお茶碗を手に取り
『これ作ってる人誰や?』

《ワチャァ~又この人も失礼な事言う人ちゃうか?もう勘弁してよぉ~(-_-メ)》と私は身構えて心にシャッターを閉めながら挨拶した。そしたらその人は私のそんな疑い深い感覚を察知した様子で私のその態度を指摘した。よくよく話してみると何やら私の作品に感動したらしいのだ。そしてどうやらその人は茶人の先生・達人の様なのだった。

『最近こんな斬新でインパクトが有り【これでお茶を点ててみたい!】と強烈に惹かれる作品に出逢った事が無い。何処の陶器屋に行っても何とも云えん面白くない作品ばかり売っとる。こんなところでこんな茶碗に出会えるとは思わなかった。惹きこまれる様に歩み寄って手に取りたくなった。こんな感覚はとても久し振りだった。でも残念なことに貴方の茶碗を手に取って中身を見たときに【宇宙が無い】のには失望した。こんなにも完成度が高くて私が惹かれる位だからどんな宇宙があるのか覗いてみたかった。ほら見て御覧なさい。貴方の作品は素朴な中にある一定の法則をきちっと持っている。一つ一つ手びねりの全ての作品が同じ角度で作れるってのは相当なもんですよ。』

とのこと。
私は全てを見透かしているそのお爺さんの話に引き込まれていった。

『この茶碗は今の貴方を象徴していますよ。初対面の私に対する貴方の態度がそれを物語っている。格好ばかりに囚われて大事な事をおろそかにしている。そう見受けられますよ。これだけのものをお作りになるのだから茶碗の中に宇宙を感じられる作品を作らないといけませんよ。ほらここですよ。雑でしょ。中身が大切なんですよ。』

そのお爺さんが何を言わんとしているのか私にはよく判った。
『これからもう一皮剥いて頑張って素晴しい作品を作ってください。貴方なら本物の作品ができますよ。将来が楽しみだ』
とおっしゃって名前も住所も言わずに帰って行った。

【茶碗の中に宇宙か・・】

その頃の私は丁度オブジェを作り始めた頃でオブジェにはそういう感覚を持って瞑想して作っていたのでそのお爺さんが何を言わんとしているのかどういう感覚で作ったら茶碗の中にも【宇宙】を表現できるかを感覚的に理解できていた。ただ小さい茶碗、実用器には【心を込めて作る】事はしていても意識的にも無意識的にも【宇宙と繋がる境地】には至ってはいなかったのだ。

なんだかそのお爺さんに大切なことを教えてもらった気がする。
【どんな小さいものでもどんな大きなものでも宇宙と繋がって作ることを忘れてはいけないし、お座成りにしてはいけない】って事。
全ての存在・人に【一期一会】があるって事。

それからずっとお爺さんに言われた事を意識して作ってた。それが自分の身に付きお爺さんの事スッカリ忘れていたが急にその時の場面が思い出されてきた。

5年経った今、全ての作品に宇宙と繋がる境地で作っているつもりだ。窯から続々と作品が出来上がっている。
人生にはたった一瞬30分ぐらいの出会いでも強烈に心に残る事があるなぁ~と感心している。このお爺さんの事はきっと一生忘れないと思う。いやぁ~忘れてはならねぇ~(*^_^*)







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最終更新日  2006年02月02日 08時18分38秒
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