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うりぼうず

うりぼうず

たまには本も読みます

 書評なんて大それたものは書けませんが、巷にあふれる本の中から、自分に縁があった本について、一言ぐらいコメントを書いてみようかと思いました。
 近頃、健忘症の兆候が出てきたのか、何を書いてあったか、すぐにわすれてしまいます。まあ、何か書くことを意識すれば、本を読むときにも、少しはプラスの作用があるのではないかと期待してしまいます。
 読書傾向は、なし。なんでもあり。それでも、やはり手を出す分野と、そうでない分野に分かれます。

歴史関係

 ●「鉄砲隊と騎馬軍団」(鈴木眞哉、洋泉社)04年6月
 信長の鉄砲の三段撃ちや、武田騎馬軍団の虚実について書かれたものですが、正直ワタシのような素人には、難しいことはわかりません。ただ、歴史という分野、定説のように見えてもその根拠を探ってみると、きわめて薄弱なものに拠っているものも多いようです。「聖徳太子は存在しなかった」と、唱える人もいるくらいです(これは、少数派としても、昔に比べると、その事跡は今ではかなりあやふやになってきているようです)。
 この本も、「騎馬軍団なんてものは存在しなかった」「信長は、そんなに革命的なことをしたわけではない」としていますが、概ね納得できる内容でした。たしかに、日本の地形から言っても、西部劇でイメージするような騎兵隊が走り回れる場所もないし、川中島の合戦でも、三方が原でも「武田騎馬軍団」が活躍したなんて話もない。なぜか、長篠で突然騎馬軍団が登場するイメージがある。
 先日、奥様が買ってきた今の高校の日本史の教科書を見ると、ワタシの時代とかなり違うことがわかる。太字で書かれていた「慶安のお触書」など、「存在に疑問が持たれている」などと、バッサリやられているし、アイヌ、琉球に関する記述がかなり増えている。親が昔の感覚で子供に歴史を教えると、かなり間違ったことを教えてしまうのではないだろか。

●江戸人の老い(氏家幹人、PHP新書)04年6月
 江戸時代といっても、高齢化はいろいろと大変だったんですね。介護も含めて。越後の鈴木儀三治さんの、しわい年寄りぶりには、今いてもこのじいさん嫌われるだろうなと思いましたが、これが「北越雪譜」(教養がないもんで、読んでいませんが)を書いた鈴木牧之だったなんて。入社したてのころ、長野県最北部の秋山郷も“営業”エリアにして、よく通っていましたので、思わず笑ってしまいました。「暴れん坊将軍」の晩年も、中風に苦しみ、さらには「家庭」の問題も抱え、その一方で、吉宗らしい「リハビリへの取り組み」と。でも、貧乏人の老後は、と考えると。この時代、貧しくても元気な年寄りもそれなりに、多かったんだろうが、病んだら、たぶんロクな介護もされず、すぐに死んだんでしょうね。
 


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