2006/10/23(月)12:54
「ガリポリ~最大の勇気と最大の愚行」(アラン・ムーアヘッド、フジ出版社)
再読。第一次大戦の1915年に行われた、連合国がコンスタンチノープル攻略を目指して行い、失敗に終わった作戦。タイトルの通り、戦争においてはなんと、多くの錯誤が積み重なってその結果が導き出されるものか。そして、おろかな行為だけでなく、歴史の皮肉ともなるような偶然も積み重なって。
機関銃に向かって突撃し、ただ死体の山を築くだけしかない、一般の兵士と、自分の名誉などしか考慮せずに作戦を遂行する将官。政治家の思いつき。仮に作戦が成功しても、そこにあるものは。
そして、戦場での、危険を顧みない、熱病にでも取り付かれたかのような、一般兵士の不思議な心理状態。平時からそれを評価するのも、推し量るのも、なんと困難なことか。