小谷真生子
ちょっと恥ずかしいヒトである。日経新聞の夕刊に週1でコラムを書いているのだが、今日のコラムは特に恥ずいのである。まだ20代前半の若い頃、仕事でウィーンに行く機会があった。今でこそクリムトは有名でレプリカも出回っているが、当時日本ではさほど知られていなかった。云々……。……。クリムト、ずいぶん前から有名だと思うのだが……。小谷真生子が知らないだけである。中学や高校の美術の教科書に載ってるし。クリムトという名前を知らなくても『接吻』は有名だから観たことある人はいっぱいいるだろうし。絵が好きな、例えば美術部に入るような子は、小学生でも知っているのではないか?小谷真生子はいつ何時でも自分を基準にモノを見、それを他人に押し付ける。わたくしはこう考えますわ。皆さんもそう思うでしょ?わたくしは皆さんの気持ちを代弁してあげてるのよ。皆さん、ご自分の思いをうまく表現できないでしょうから。わたくしは若い頃から海外に出ているから、モノを見る目がグローバルなのよ。云々。小谷真生子の顔にはそう書いてある。自分の知らないことは全世界の人が知らない。自分だけが知っていることがたくさんある。本気でそう思っているのだろう。料理自慢のエッセイも痛かった。ご自慢のカレーについて薀蓄を垂れているのだが、その作り方は市販のカレールウの箱の裏に書いてあるのそのまま。料理自慢のわりに市販のルウ使ってるし。なんの裏技もないし。さやインゲンを茹でて乗っける、というオリジナルレシピ、高いところから下々の民にご披露してくださっていた。小宮悦子ならこんなこと言わないに違いない。