カテゴリ:母上に捧げる
一年も前だろうか。この話しを母から聞いたのは。
それは私の出生に関することだった。 私を身ごもってから母は至極普通に過ごしていたのだそうだが、唯一の、そして もっとも大きな異変が陣痛のときにおこったらしい。 普通陣痛というのは生まれる何時間前から始まるもので、それは徐々に周期を早く し、どんどん痛くなる。その痛みは子供を生むまで続き、母はようやく痛みから解 放されるのだ。だが私の場合、陣痛は私が生まれる三日前に始まったんだとか。三 日間その陣痛に悩まされ、徐々に体力もそがれていき、最後には起きているのもや っとなのだが、「今寝たら両方死ぬぞ!」と医者に叫ばれ、必死に痛みに耐えてい たえ、そして三日間にもわたる陣痛の末、ようやく私が生まれたのだとか。 母がそのことを語っているときは、さも思い出話かのように、笑いながら話してい たが、その裏にはとてつもない苦しみがあっただろう。ここで改めて母に感謝す る。生んでくれてありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005/07/23 10:55:09 PM
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