ちきしょー
今日の朝は痛かったです。精神的にも肉体的にも痛かった。久々に怪我をしました。たぶんここの日記を普段からお読みくださる人たちは「あー、この日記の書き主は自転車でバカやって怪我したな、いい加減氏ねよ」とか思っているかもしれませんが、今日の怪我は電車で起きました。自転車で二子玉川にいくより、よっぽど電車のほうが怖い。何があったかというと、いつものようにあぢみので急行に乗り、自分は進行方向右側のドアに身を寄せていました。いつも自分が乗る急行は二子玉川まで右側のドアが開かないので、最初からそこをキープしていれば早く降りられるのです。そしていつものように二子玉川駅に電車が停車し、ドアが開いて自分が外にでようとすると、荷物が電車内から離れません。誰かの腕にでも引っかかっているのだろうか、どっかの出っ張りに荷物のヒモが引っかかったか?などいろいろな思考が0,2秒ほどの間に脳裏を駆け巡りました。しかし予想はすべて外れてました。ものの見事に荷物の一部が、戸袋の内側に引き込まれていたんです。まさかまさかよりによってこの朝の忙しいタイミングで俺の荷物が引っかかるとは思いませんでしたよ。でね、もちろん俺は荷物を引っぺがそうと頑張るんですが、機械の力は強く、本当に引き抜けないんです。もちろん俺の頭の中にも「ドアが閉まれば荷物が取れるから、電車の中でドアが閉まるのを待てばいいじゃないか」という思いはありましたが、電車は急行なので次の停車駅は遠く大幅に時間をくってしまいます。なにより、荷物を奪取できたとしても、その恥ずかしい一部始終を見ている人たちと同じ電車に乗らなければいけません!そんなもんだから、必死になって荷物を引っ張りましたよ!いままでの人生で、あそこまで必死になったことはないでしょう。そして必死な人間ほど滑稽なものはありません。しかし本当に抜けなく、困り果てました。引き込まれたと気づいてから困り果てるまでわずか20秒もないはずなのですが、永遠のように感じました。だって、だれも助けてくれないんです。二子玉川から乗ってこようとホームに並んで待っている人も、電車内にいる人も、みんな見てはいるんですが、それだけなんです。本当に見てるだけなんです。まぁ一般の人だし、これから仕事があるだろうし、バッグ相手に本気出して引きずり出そうとしてる必死でキモい形相浮かべてる人間には近づきたくないのもわかります。そこは100歩譲って我慢しましょう。でもね、せめて駅員ぐらいは駆けつけてくれよ一般市民はあてにならん!と判断した俺は、いつも駅で笑顔を振りまき、熱心に仕事をしている駅員さんがいるだろうと、荷物と格闘しながら周りを見るのですが、頼みの綱の駅員さんは車内に人間詰め込むのに必死でこっちに気づかない。気づいてくれない。その人は、東急の人でした・・・・やはり信頼できるのは自分だけです。しかしこっからがまた恥ずかしいんですよ。自分の力だけでなんとか荷物が取れた瞬間、物理で習った作用反作用の法則によって、俺は荷物と一緒に後ろに少し吹っ飛んで人にぶつかってしまいました。想像してみてくださいよ、身長180近い男が、なにやら戸袋に荷物を引き込まれるという失態をおこした上に、必死に格闘したあげく、荷物がズポッと取れたとたんに後ろの人にぶつかるという光景を。でも、どんなに恥ずかしくてもぶつかった人には謝らないといけないので、すみませんといいました。俺はもう恥ずかしかったよ。本当に恥ずかしかった。穴があったら入りたかった。とにかくこの場から逃げ出したかった。もうパニクっていて、ろくに思考も回らなかったのでしょう。ほんとうならここで冷静に、何食わぬ顔で何もなかったかのように振舞いながら大井町線に乗り換えなければいけなかったんだ。荷物を引っ張り出し、電車から出ようとしたそのとき、いきなり視界が低くなりました。同時に痛みが襲ってきました。あのね、よく構内放送で「電車とホームの間が広く開いているところがありますのでご注意ください」って言ってるじゃないですか。まさにあの隙間にハマってしまったんですよ。左足が大腿の中腹まで完全に入ってました。電車とホームの隙間に。いくら「穴があったら入りたい」って思ったからって、本当に入ることもないだろ!!と後で自分に突っ込みを入れるんですが、もう落ちたときはそれどころじゃありません。痛いんですから。まぁ幸いこのときは足だけだったので簡単に脱出できたんですが、擦り傷と打撲をひざ間接に負いました。二回も電車にはめられ、痛くないよう装いながら左足を引きずって大井町線に乗り換えていく16歳。今日の一連の事故は、俺の心だけではなく冷たい心の目撃者にも残り、きっと夕飯のときの話題のネタとして使われているんでしょう。「今日朝びっくりしたよ!変なのがトチ来るって何してるかと思ったら荷物挟まってやんの!ヒャハハハハハ!あーわなりたくねーな」