カテゴリ:本のこと
『火車』 宮部 みゆき
この作品はかなり大勢の人からすすめられたので かなり期待して読み始めた。 (hondahondeponさんもここでオススメされてます) 読み終わって…確かに『理由』よりもこっちの方が面白い。 同じ女性のことで、しかもクレジットカードという 自分ににとって身近なものが取り上げられている ということもあるのかもしれない。 刑事である本間俊介は怪我で休職中。 ある日彼の元を死んだ妻の従兄弟の息子である栗坂和也が訪ねてくる。 和也の婚約者である関根彰子が失踪したので 探して欲しいという。 彰子がかつて自己破産をしていたという事実が判明した直後、 彼女は姿を消してしまったのだ。 そんな彼女を捜していくうちに 驚愕の事実が浮かびあがってくるのだった。 本間は「関根彰子」に興味を持ち、調査にのめり込んでいく。 物語中、本間がずっと追い続ける「関根彰子」の語りが一言もない。 以前読んだ『白夜行』と同じ。 まわりの人の話や、本間の推測でしか語られていない。 だからこそ、あのラストシーンで感動するんだろうと思った。 この作品では多重債務者たちが必ずしも 人間的に欠陥があるわけではないといっている。 自己破産は本来そういう人たちへの救済措置であるべきだ。 しかし、現状はどうだろう…。 仕事関係で自己破産をした人を知っているが、 私からみるとやはり金銭感覚がどこかずれていると思う。 お金がないのに派手に飲み歩いたり、 見栄をはって高価なものを買ったり…。 関根彰子は「幸せになりたかっただけ」だという。 じゃあ借金を踏み倒された相手の幸せはどうなるの? 自己破産すれば借金が全部なくなってしまうというのは 今ひとつ納得できない。 自己破産をした知人は借金がなくなってからも 生活は変わっていない。 カードローンは組めないだろうけど 稼いだお金を娯楽費に使ったりして以前よりも派手になったみたい。 元本だけでも稼いだなかから返していくとかすべきだと思う。 …とちょっと深刻になってしまったが、 この作品のなかででてくる「妻の従兄弟の息子」って 何ていうんだろう? 事務員のみっちゃんが「はとこじゃないみたいですよ」って言ってるけど じゃあ正解は何? 気になる~ ------------------------------------------------------ 日曜日に古本屋で本を何冊か購入したので 今回の図書館はちょっとおとなしめに…のつもりで 昨日返却&予約に行った。 5冊予約をいれて、2、3冊借りて帰るつもりが…。 ふと気付くと8冊も借りてしまってた。 前回借りて未読の本がまだ1冊あるのに…。 しかも今日図書館から連絡があって 予約の本が一冊入りました~って… あぁこうやって借金ってふくらんでいくのね…。 図書館で借りた本 ・柔らかな頬/桐野 夏生 ・夢のような幸福/三浦 しをん ・ライオンハート/恩田 陸 ・月の砂漠をさばさばと/北村 薫 ・クライマーズ・ハイ/横山 秀夫 ・重力ピエロ/伊坂 幸太郎 ・ウフ. No.24 ・ウフ. No.25 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 14, 2004 10:08:05 PM
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