・キムヨナ パクリ疑惑を検証......≪その1≫から続き
キム・ヨナEX vs サーシャ・コーエンEX Don't Stop The Music
左:キムヨナ 右:サーシャ・コーエン ↑2人のバレエジャンプ。
大胆に露出が多い衣装に激しいサーシャの振り付け!!
でも、サーシャのセクシーには全くいやらしさを感じない。
この人は氷の上でなくても、人に「魅せる」ダンスができるだろう。圧巻!とはまさにこういうもののことを言うのではないだろうか!!
思わず度肝を抜かれるサーシャの高いジャンプ!!
どんだけ跳ぶんだ!!
どんだけ足が上がるんだ!!
ヨナは……ジャンプ……?
少なくともあれだけサーシャのバレエジャンプと比較されると辛いだけだから、入れずに別のキムヨナ得意のジャンプを入れれば良かったのに。
この選手はテンポのよい音楽を使って、スタミナのなさをカバーするのはうまいように思う。
それを「音楽の解釈」というのかな……確かにそれはあると思う。
でも、どのプロでもそうだけど、音楽がなかったらヤバイ……漕いでスピードを出せる氷の上でなかったら、ダンスとしては成立しないような気すらする。
サーシャのものを見る前に見た時にはそれほど悪くないかと思ったけど、サーシャのを見てしまうと……
悪いけど質の悪いコピー『劣化版』にしか見えサーシャの演技に影響されて、その要素を取り入れて独自のものを作り上げるなら良いけど、あえてそのまま真似をするなら、オリジナル以上のもので『魅せ』ないと……。
というか、なぜこれを『女王のEX』に選んだのだろう???
コーチや振付師は何を考えているのだろう。
パクリとは違うが……2007年世界選手権 フリー前の浅田選手の曲かけ練習中(浅田選手優先)でのできごと。
スピンをまわり始めた浅田選手の横にキムヨナ選手がよってきたと思うと、同じスピンを回り始め、周囲が異様な空気に包まれた。
こうして同じような真っ黒な衣装で並んで同じことをやると、その美しさの違いがはっきりしてしまう。
浅田選手の柔軟性、ポジションの美しさ、そして軸の正確さにはどうしても劣ってしまう。
浅田選手に対抗して、「自分の方が上!」と見せたいためのパフォーマンスなら、同じスピンではなく、浅田選手より自分の方が優れていると思われることをすれば良いのに……。
この件に限らず、クワンやコーエンのプロにしても、同じことをしても自分は見劣りしないと思っているのだろうか。
左:荒川静香 トリノ女王 右:キムヨナ バンクーバー女王
イナバウアーなんて、誰でもやることだし、「パクリ」ではないが……。
荒川選手はこのイナバウアーが点数にならないことを百も承知で敢えて入れたのだと言う。
メダルをかけて3-3を3-2にする選択をしたが、それでも点を取りに行くだけでなく『魅せる』ことをしたかったそうだ。
それはやはりアスリートとして演技者として、自分の最高のものを見せたいというプライドだろう。
限られた時間の中、決められた要素をこなさなければならない中で、点数にならないこのイナバウアーを十分に『魅せ』た結果は誰もが認めるところだろう。
イナバウアーがすごいのではなく、イナバウアーを通しての荒川静香の柔軟性・美しさの表現が素晴らしいのだ。
前女王のこの印象が強いだけに、イナバウアーをやるなら、これと同等以上のものをやらなければ、やはり「二番煎じ」「劣化版」と言われてしまうだろう。
例えば同じイナバウアーを見せた長洲未来選手……彼女のイナバウアーは美しく、誰もが『荒川静香の物真似』とは言わないだろう。素晴らしい柔軟性を十分にアピールした。プログラムの中に入れて正解だろう。
だが、キムヨナ選手は……?
荒川静香の柔軟性の印象が強いだけに、逆に体の硬さが余計に目立ってしまい、どうしても『荒川選手と比べて劣っている』という印象を受けてしまう。
直接得点に繋がりもしないのに、なぜ取り入れたのか?
もっと「キムヨナらしさ」をアピールできる表現方法はなかったのだろうか?
結局、キムヨナ選手は他選手が観客に受けた部分を寄せ集め、「良い所取り」をしているのかな……と。
表現力とか言うけれど、あの強力な目線とか……ボンドガールでもガーシュウィンでもシェヘラザードでもどれも同じにしか見えないというか……。
EXの「タイスの瞑想曲」……あまり評判はよくなった(やたらと長く見せたわりにはグラグラしすぎのイナバウアーも失笑ものだった)けれど、本来キムヨナ選手はああいう曲の方が彼女の良さを際立たせる事ができるのではないかな?と思った。
線の細い、繊細な感じの方がキムヨナ選手には合うような気がする。
いかに受けるかを狙ったプログラム、振り付け、目線……なんか逆にイタイタしい感じがする。
競技ではなくアイスショー向きだと言う人もいるけれど、国の全面的なバックアップがなくなったら、彼女の「他人の劣化版のような演技」をお金を払って見に来る人がいるのかな……と心配になってしまう。