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しばらくの沈黙が続いた後、モンキーが申し訳なさそうに沈黙を破った。 「悪りぃ、なんか嫌な事・・・」 と言いかけた時にバヤシが間髪をいれずに口を挟んだ。 「まーまー、あれはなんだ、珍しく俺の計算ミスだわ。まっ、そんな過ぎ去った過去は置いといてだな」 なんて奴だ、もう過去の出来事と言い切りやがった。俺は二秒でブチ切れそうになるほど、怒りとも憤りともつかない複雑な感情が押し寄せたが、一・五秒で持ちこたえた。 しかしそんな俺の表情を悟ったかのように、バヤシは話題を変えてきた。 「ところでよ、昨日のアレみたか」 「おー、みたみた。あの解剖手術の映像やろ、激熱やな」 それは昨晩テレビの特番でやってた、UFOスペシャルのことで、俺は不覚にも見逃していた。聞くところによると、墜落したUFOを極秘に回収した米軍が、UFOに乗っていた宇宙人を解剖した時の映像を、これまた極秘に入手したらしい。 極秘情報を入手した上、全国放送してしまう日本のテレビ局は太っ腹というより、ある意味恐ろしい連中だ。だが、その話に盛り上がっている二人を、はたで聞いている俺にはさすがにキツイ。 「そういや、だいぶ前に宇宙人が目の前に現れたらどうするって話してたやろ」 「そんな話してたことあったな」 「そう、それでちょっと面白いこと思いついた訳よ」 ・・・つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月02日 21時21分42秒
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