演奏心構え
五月五日、私はお筝の演奏会で私の社中(私が先生のグループという事)で出演します。ですが今私にはそんなとこに出せる生徒はいないし、いろいろ大変なのでたいてい一人で演奏か上の先輩にお願いして私の社中として協力していただいて出演しています。おととしは一人で、去年は私の師匠に協力していただいて、そして今年は尺八の先生に協力していただいてちょっと気になっていた宮田耕八朗さんという方の曲を弾く事にしました。結構早くからその尺八の先生は合わせの練習をしてくださり、私は自分の練習がてらお相手していただいていました。自分で弾きたいといった割には全然思うように弾けず、何より練習量不足です。他にやらなくてはならない曲がいっぱいあり、まさに「いっぱいいっぱい」な状態だったのです。そんなこんなですが本番までとうとう後一週間しかなくなってしまった…。そして今日他の曲のリハの際にその尺八の先生と一緒だったので私の師匠が今度の曲を聞いてくださると…。やばい!まじでやばい!途中で止まってしまう程ひどいのに、ていうか何弾いてるのか自分でわからない。曲の表現どころじゃない。お聞かせできるような状態ではない。でも本番はすぐ。お断りする訳にもいかず、走って逃げようかとも真剣に考えましたがとりあえず、準備して…って弾く気まんまんやん!いや逃げ様にも逃げられない感じ?とにもかくにも一回弾きました。本当へたくそ。普段は糸の締まった楽器でやっていたからゆるいお筝では爪がひっかかって…先生が至近距離で聞いてはるから…ここで言い訳してどうする。あかん、怒られる!!とびびったのですが先生は的確な指示を下さいました。言われたようにすぐには弾けなかったけど先生の指示には「!」と思う部分があり、やっぱり今更ながらさすがだなあと思うのでした。先生のようにはなかなか弾けないけど一番近くにいていっぱい聞いて、教えていただいているので少しでも先生の技を盗みたいと思ってはいるのですが、私は私の弾き方をまず確立させてみたかった。その為に苦手な音楽理論も勉強してみました。でもやっぱり先生はすごかった。原曲を聴かずしてポイントがわかられたみたい。そして楽譜を少し覗いてここはこういう風に聞こえていたけどこうした方が聞こえがいい、とか私のくせを知っておられるからこその指導。今までで一番「あ!」と思うお稽古でした。帰るときに「この曲が弾きたいと言う気持ちがあっていいね、楽しいでしょ?頑張ってね」と言われました。やりたい曲だらけの私は自分で自分の首をしめており、練習量も足りなくて、先生に怒られます。誉められたことはありません。でも怒られるには理由がある。確かにできていなかったりするからです。…ああ、たまにこういう風に初心に戻るのっていいかな。本番どうなろうと一つでも勉強ができたから。時間は後少ししかないけど頑張ろう。