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うさぎの不養生日記

うさぎの不養生日記

風疹が流行している理由

アメリカでは1996年以降すべての幼児に対して風疹ワクチンの接種を実施し、確実に風疹の流行・先天性風疹症候群の発生を減少させている。わが国では昭和55年(1997年)以降、風疹のワクチンの定期接種を女子中学生に対して実施してきた。これはいわゆる、英国型の予防接種の方法であった。しかし、この方法では、数年間隔で小児に風疹の流行が起こったことから、1994年の予防接種法改定にて、対象年齢を12~90ヶ月の男女とした個別接種となった。この間、経過措置として12歳以上16歳未満の男女に対する個別接種も継続されてきたが、その啓蒙は不十分であり、”接種もれ”の成人女性の増加をきたすこととなった。その時点で、将来的に先天性風疹症候群の発生が増加することが危惧されていたにも関わらず、それに対する対策も不十分であったと言わざるをえない。接種もれの世代があるということは、風疹の流行をきたす原因ともなり、さらに、先天風疹症候群の発生を助長する可能性が高い。
実際に、1979年から1987年(昭和54年4月2日から62年10月1日)生まれの人の約半数は、風疹の予防接種を受けていないことが分かっている。2001年度の厚生省(当時の)の調査でも、15歳の風疹抗体保有率が54.2%と著しく低かった。その世代が、出産年齢にさしかかっているというのが現実なのである。
また、ワクチン接種などで抗体を得た場合、得られた抗体は20年近く持続するが、ウィルスにさらされる機会がなかった場合、免疫のブースター効果が得られず、抗体価は次第に低下する。(途中で風疹が流行すると、風疹の免疫力が上がる、そういうのをブースター効果という)それに加えて、現在の晩婚化による、出産年齢の上昇も妊娠中の風疹罹患のリスクを上昇させていると言わざるを得ない。(なぜならば、ワクチン接種から妊娠までの期間が長くなり、効果が失われている可能性があるからである)


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