うさぎの不養生日記

2012/10/20(土)22:32

中山七里『ヒートアップ』

読書(1809)

【送料無料】ヒートアップ [ 中山七里 ]価格:1,470円(税込、送料別) 「さよならドビュッシー」でこのミス大賞を受賞し、「連続殺人鬼カエル男」「贖罪の奏鳴曲」と話題作を発表しミステリ界で注目を集める中山七里。次のヒーローは、麻取(麻薬取締官)! 七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警視庁のみならず関東一円の捜査員の中で有名な存在だ。その理由は、おとり捜査を許された存在であることの他に、彼の特異体質が一役買っている。現在は、渋谷など繁華街の若者の間で人気の違法薬物”ヒート”の捜査に身を投じている。”ヒート”は、ドイツの製薬会社スタンバーグ社が局地戦用に開発した兵士のために向精神薬で、人間の破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、兵器に変えてしまう悪魔のクスリ。それによって、繁華街の若者チームの抗争が激化しており、数ヶ月前敬愛する同志・宮條が殉職した。絶望と怒りを胸に捜査を進める七尾に、ある日、広域指定暴力団の山崎から接触があった。目的は、ヒート売人・仙道の捜索について、手を組まないかというものだった。山崎の裏の狙いに気を付けながら、仙道確保のため情報を交換し共闘することを約束した七尾だったが、ある日仙道が殺される。そして、死体の側に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された……。犯行時刻のアリバイがなく、特異体質のせいでヒート横領の動機があると見なされ拘留された七尾。これは山崎の仕掛けた罠なのか!? 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警察とは違いおとり捜査を許された存在で、さらに“特異体質”のおかげもあり検挙率はナンバーワン。都内繁華街で人気の非合法ドラッグ“ヒート”-破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す悪魔のクスリーの捜査をしている。暴力団組員の山崎からヒートの売人・仙道を確保するため手を組まないかと持ちかけられ、行動を共にして一週間。その仙道が殺される。死体の傍に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された…。殺人容疑をかけられた麻取のエース・七尾。誰が、なぜ嵌めたのか!?冤罪は晴らせるか!?-。 麻薬取締官のわくわくモノミステリ?と読み始めたのですが、途中で、どこかで読んだこのおぞましいお薬の開発のお話…と。途中で我慢できずネットで検索(便利な時代)すると…出版社は違うものの『魔女は甦る』というお話の続編にあたるものだった。そして、うさぎは後味が悪い…と感想書いてるじゃん…2011年6月…。 ドラッグというよりも、人間を痛みを感じない兵器とするために開発されたヒートという薬物に絡んだお話です。性格も狂暴化するその薬物を開発していた日本の支社で開発者が無残な死体になって発見された(それ以前にその近辺で動物や乳幼児の失踪が続いているといういや~な前提がある)のが前作。今回は、その薬物の残りが売り買いされているというものでした。 今回は前ほど後味の悪い作品ではなく、ある一定の方向性が見出された感じだったのでホッとしました。ただ、これでこの薬物の事件に片がつくかどうかは作者の気持ひとつ? ミステリのオチというか真犯人に関しては、…あ~あるある、こういうのね、という感じでした。いつもの中山七里さんらしいオチを期待すると物足りなくて駄目かも。 嬉しかったのが、『贖罪の奏鳴曲』の御子柴の名がラストの方で登場すること。時系列がわからないので何とも言えないのだけど、御子柴が前回の事件のあとで命を取り留めて仕事しているということだったらいいなぁ…と思いました。

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