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2024.10.07
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カテゴリ:観光産業
このブログは、元・旅行業に従事していた「幸兵衛」(S12年生れ)が書いています。

京都の清水寺の混雑ぶりがマスメディアにて報道されている。私は半世紀前までは清水寺
から1キロ圏内に暮らしていたことがある。その地で中学生から40才まで暮らしていた。

その頃と現在で、変わらないのは道幅の狭さである。車の大渋滞の中を縫うように観光客
が歩いている。京都市は観光特急バスを運行したり、ハンドフリーバスを走らせるなど、
対策しているが、それでも自体は抜本的に解消されることはない。

京都市のホテルは外国人利用者が6割を超えたことは、先日このブログでも伝えたばかり
である。外国人旅行者が清水寺に集中しているのである。

生活圏にあった清水寺はたしかに素晴らしい景観であるし、とくに紅葉の季節ライトアッ
プされた夜桜は息をのむ美しさで、誰もが歓声を上げる。

来るなとは言えない。人は押しかける。2030年の日本の目標は訪日客6千万人、現在
3千万人台だからその倍近い人数になる。現在の対策ではたいへんなことになると、私は
心配している。

私は第2の清水寺や第2の富士山が必要だと考えている。第2のふるさとづくりとして、
国は「いくたび」というサイトを公開している。これはおもに国内需要を意識したもので、
何度も繰り返し訪問させることで関係人口づくりを狙っている。

清水寺や富士山を新たに生み出すことはできないが、それに代わる新しい「観光」を生み
出すことが必要である。

そのひとつは「自然景観」でなく「文化施設」である。日本国中、地方にはその地方なら
ではの「文化」が継承されている。

先日、あるコラム記事に国立文楽劇場を文楽を鑑賞した際に、舞台に日本語字幕でせりふ
の翻訳が流れて驚いたとの文を読んで私も驚いた。

オペラは日本語ではなく原語で語り歌われることがままある。その原語を日本語の訳が舞
台そでにテロップされるものである。

そうか、義太夫の語りは古い言葉も多く判りづらいからそれも良いなあと思ったのである。
さすが国立劇場、新しさも取り入れていると感心した。

訪日客も大事だが、日本人の国内旅行がもっと盛んになって欲しいと私は願っている。
訪日客も日本人客も、日本の伝統芸能を鑑賞する力はあまり変わらないのではと思った。

いまでも日本各地には公的なホールはあるが、せいぜい貸ホールに使っているだけで継続
的に「観光客」を受け入れることはしていない。

ここは、現在、国立劇場を運営している国の機関、独立行政法人、日本芸術文化振興会が
指導して、国内主要都市では「観光客」対応の判りやすい伝統芸能、現代人も理解しやす
いカタチの「新しい文化」を産み出して欲しいと思うのである。

空いている公的ホールの活用にもなるし、伝統文化の活用につながる。文化財は保存する
だけでなく活用しなければならないが、その取り組みを進化せて新しい観光素材に育てる
ことが大事だと思う。

観光は「通過」ではなく「滞在」して、その国の「光」を学ぶものである。
自然景観は自然景観で整備し活用しなければならないが、地方在住者として国立劇場が少
なすぎると思った。





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最終更新日  2024.10.07 10:00:11
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