はざくらの気ままな暮らし

2013/01/17(木)10:14

ダニエル・キイス著 『預言』

プラハ旅行(849)

☆若く美しく心を病んだ一人の女性、レイヴン・スレイド。無力な入院患者であった彼女の運命は、偶然に彼女の記憶に封じ込められたテロリストの預言めいた暗号により激動の渦へと投げ込まれる。暴走する精神を苛む妄想と恐怖症。テロリストたちの狂気に満ちた暴力と洗脳。正義の名の下にふるわれる非情な公権力。愛してはいけない者との禁断の愛。心の奥深くに埋もれた悪夢のごときトラウマ。自らを追い詰め、束縛するすべてのものから逃れ―レイヴンは自由の空へ、飛び立つことができるのか。病める個人と時代を見つめ続けてきた作家、ダニエル・キイスが、一人の女性の魂の苦境に9・11以後の狂い、壊れていく世界を映し出す、唯一無二の物語。 ☆ 身近な人びとや政治に振り回されて混乱し、命を狙われ追い詰められる若い女性を描いているのですが、読んでいると、反対にギリシャ警察も、アメリカも、ギリシャのテロリスト(17N)も、イスラムのテロリスト(MEH)も、こんな弱い女性ひとりに振り回されているような気がしてしまうのはどうしてなのでしょう? 読んでいる最中にアルジェリアで邦人拉致事件が! 混乱しているのはまさにこの世界ですね。

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