感染ルンです。。。

2007/04/23(月)22:34

普通といわれましても・・・

珍客万来(22)

えー、写真という仕事は、ほとんどオーダーメイドと言っても過言ではありません。それだけにお客様の希望をかなえる職業でもあります。今日はそんなお話。 お金を支払って写真を撮ってもらう、創ってもらう、という注文を受けるのがプロ写真家の仕事です。注文を出す人にはさまざまな思惑があります。自分の姿を残したい。子どもや親など身内の姿を残したい。自分の仕事に必要な映像イメージが欲しい。など様々です。写真に詳しい雑誌編集者や広告代理店やデザイナーもいれば、撮りたいという希望だけで求めたい希望のイメージがしっかりしていないお客様もいます。 こーいった千差万別のオーダーに答えて行くためには、コミュニケーションが大切だと思います。話をすることで、クライアントの持っている「求めたいイメージ」を引き出すこともサービスのひとつです。 さて、この時とっても困る言葉があります。それは、 「普通はどうなんですか?」 という質問を受けた時です。 正直言って、答えにくくて、とほほ、です。 お客様の多くは、「スタジオへ行けばどんな写真もすぐに撮ってもらえる」と思われていることです。もちろんあながち間違いではありませんが、対応できる場合とできない場合が当然発生します。できる限りお客様の希望はかなえたいですし、オーダーメイド感覚ですから、アプローチもさまざまに変化します。 で、困っちゃうのが「普通」を求められた場合です。 「普通」ってその人なりの「価値観」を示しますから、「これが普通です」と言うことは、オーダーメイドの世界では説明しにくいのが現状です。 写真を撮って欲しい → どんなイメージにしますか? 上半身あればいい → 差し支えなければご利用用途はなんですか? 演奏会のプロフィール用です → どんな楽器ですか? オペラなので声楽です → それでは顔や表情を中心にすればよいですね? そうですね → どんなイメージがよいですか? イメージ? → 白黒なのかカラーなのか。静止しているとか歌っているとか。 とこのあたりまでコミュニケーションを取って来るとあの言葉が出てきちゃいます。 「普通はどうなんですか?」 ふ、普通ですか?( ̄□ ̄;) 一応自分の信条として、「知識は浅くてもいいからより広く」をモットーにしていますし、雑誌やポスターなど写真が掲載されているものを見れば、頭の中にファイリングするように訓練しています。そのため、ある程度の提案はすぐにできると自負しています。しかし僕の価値観による「普通という提案」が、お客様の頭の中にある「普通」とはかけ離れているかもしれませんし、お客様のイメージそのものに合致する可能性もあります。やっぱりもっともっとお客様情報を引き出したならば、そのお客様にとっての「普通っぽい」イメージやアイデアの提案ができることでしょう。 したがって、単純に「普通」を求められても、残念ながら「普通」という言葉からイメージが広がりません。 なにかモノを買い求める時に、対象の深い知識が必要だとは思いません。しかし、なるべく言葉多めにオーダーをすれば、希望したいモノは早く確実に手に入れられると思います。求めたいことについて口にすることは、決して恥ずかしいことではないはずです。サービスを提供する側にとっては、その言葉があったほうが良いというケースが多いと思います。 オーダーメイドに普通は無い ちなみに僕はかなり年齢を重ねるまで、「電車事故があり、◎◎線はフツウです」という音を「普通」だと思い込んでいて、なんで普通なのにわざわざニュースになるんだろうと疑問に感じていた、国語2男です。(恥) 「影」 Konica Hexar RF M-Hexanon 50mm F1.2 Kodak Professional ULTRA COLOR 100UC Copyright (C) 2007 GINJI, All Rights Reserved. 「大口径開放戦線」 古今東西大口径レンズの開放写真が集まっている参加型ブログ(引越中) ご意見やご感想や応援は、ここからweb拍手でどうぞ

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