感染ルンです。。。

2007/09/22(土)23:36

キヤノン EF 50mm F1.0L 伝説

大口径開放戦線(92)

えー、幼少の頃、一緒に遊んでいた近所のおねぇさんを追いかけて、道路へ即飛び出して、車に轢かれた経験があります。あはは。キヤノン EF 50mm F1.0Lを手にするってことは、そんな猪突猛進な性(さが)だと自己分析してみました。 さて、標準大口径レンズ馬鹿道を邁進するべく手に入れてしまったキヤノン EF 50mm F1.0Lですが、一眼レフ用レンズとして、しかもAF駆動レンズとして、世界最大の明るさを誇っています。このレンズはまさしく大口径レンズの右大臣であり(当然左大臣はノクチルックスね)光学歴史の中においても燦然と輝く星とも言えるでしょう。 それだけに数多くの伝説があるようです。 その1:キヤノンはこのレンズを作りたくてEFマウントを設計した ま、言い方の問題で、ひよこが先か卵が先かみたいなもんでしょう。時代の先を見ていたキヤノンが、MFレンズ時代に終止符を打ちAF時代へ向かう起点として、また開放値F1.0のレンズを技術誇示も含めて作るためには、FDレンズよりフランジバックを縮めてマウント口径を大きくする必要があった、ということ。実際キヤノンも公式に「EFマウントの口径を54ミリにすることで、EF 50mm F1.0L USMを作ることが可能になった」と言っています。 その2:専用スーパースペクトラコーティング技術 カラーフィルムの技術向上に伴いキヤノンが目指したのは、どのレンズを使っても同じ色再現ができてかつ現実に忠実であることでした。同時期にキヤノンが開発していたのは、蛍光ガラスとかUDガラス等の高低屈折や異常分散特製等のガラスです。しかしながら、これらの特殊ガラスを使う弊害として、色の吸収率の変化が大きいことがあるようです。これをクリアする手段が、多層膜コーティングです。このF1.0には4枚の高屈折ガラスを使ったために、色について他のレンズとの整合性が取り難かったようです。それを解決するべくこのF1.0には、超専用のコーティングが施されたとのことです。ちょこっと使った感想としては、クリアでやや寒色っぽいイメージのキヤノンレンズの中では、やや暖色系かなって感じがします。いずれチェックしたいと思いますよ。 その3:作れば作るほど赤字を抱えたレンズ 真偽のほどは分かりません。でも、発売当時にして、光の波長の1/32である0.02マイクロメートル(10万分の2ミリ)の誤差も許さない研磨非球面レンズを2枚使い、4枚の高屈折率ガラスレンズを使うという、かなり贅沢なレンズ仕上がりにして、ノクチルックスよりはお安い、366000円(後年377000円になったらしい)という値段設定。このように言われるのも無理ないといえませんこと。 その4:総生産数は800本程度 これも真偽が分かりません。当然シリアルでの生産管理はしているのでしょうが、特に発表していないようです。いかんせん「たかが標準レンズ、されどF1.0」というレンズに36万円を出すのは、酔狂者以外いないですもんね。ちなみに通常生産品で、受注生産品じゃありません。 その5:お勧めしないキヤノンのレンズ 「本当にF1.0という明るさが必要じゃない常用レンズならば、F1.4の方がいいですよ」と、買う気持ち満々な人に向かって堂々とキヤノンの販売員関係者が口を揃えて話をしていたらしい。んー。なんとなくその気持ちは理解できるような(笑) その6:超高価な修理代金 経験上の話ですが、キヤノンの修理代金は決して高くないと思います。以前も書いたと思いますが、F-1をオーバーホールしてもらって、3万円しなかったと思います。このF1.0のアキレス腱がUSMらしいです。なにしろフローティング機構を持ちながら、全群を動かして合焦させるレンズのようで、要するにユニットが重いことが原因の模様です。んで、このUSMがぶっ壊れてオーバーホールとなると、20万円近い修理代金を請求されるとの話。いつか恐る恐る聞いて確認してみたいですね。>じゃ、レンズは16万なのか? その7:売れなかったのに価格急上昇 先日のブログネタに繋がるような話ですが、キヤノンがAPS-Cサイズ系デジタル一眼レフカメラをライカ判サイズより先に売り出しました。ところが、ボケを使いたいポートレート撮影が思うようにできないのがAPS-Cサイズ。それじゃってんで目を付けられたのがこのF1.0。十分に企業イメージ戦略的に成功したので、デジタル一眼レフを発売した頃には既にディスコン商品。中古市場でも人気がなくて10万円代で購入できたのに、APS-Cデジタル一眼レフで使いたいという人が急激にかつ争うように購入し、価格は急上昇しました。今じゃ、まぁ、スゴイ値段ですよね(苦笑) まだあるかしら?(笑) あまりお目にかかる機会が少ないレンズだけに、事実や噂などいろいろと言われちゃっていますねー。なにか入手したらまた書きたいと思います。 「夜の自動販売機」 Canon EF 50mm F1.0L USM Canon EOS 5D Copyright (C) 2007 GINJI, All Rights Reserved. 「夜の自動販売機前のゴミ箱」 Canon EF 50mm F1.0L USM Canon EOS 5D Copyright (C) 2007 GINJI, All Rights Reserved. 「大口径開放戦線」 古今東西大口径レンズの開放写真が集まっている参加型ブログ(引越中) ご意見やご感想や応援は、ここからweb拍手でどうぞ

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