君がいるから
BL駄文です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮ください。 明け方近くにうとうととした程度で会社に向かう。藤野はひとりで何を思っていただろうか、それとも倉本の腕のなか、自分のことなど綺麗に忘れ穏やかな眠りを得ていたのだろうか。モヤモヤとした思いが濃い霧のようにはれない。デスクについたのは始業時間ぎりぎり、女子社員から「夜遊び」かとからかわれ冗談ひとつ返せないのを情けなく思いながらパソコンのキーに触れながら藤野の席に目を向けると意中の人物の姿は無く、休むのかとため息をつきPC画面に視線を戻すと声が上から振ってきた。「栢山いくぞ」[...?」ジャケットの襟を掴まれぐいぐい引っ張られていく、バランスを崩しながらその手の主がなすままについていこうと努力する。しかし、このままでは共に転んでしまう。「あ、あの、先輩、危ないです、あの、手...離して...先輩...」それだけ言うのが精一杯だった。歩調が緩んで二人でしりもちをついた。視線が二人に注がれ、恥ずかしい思いをする。真っ赤な顔で照れ笑いをして立ち上がるといつの間にか栢山の頭の霧は晴れ、お互い見合って笑っていた。「あの...なにが...俺、把握してなくて...」「済まない...例の企画書が通ったんだ、詳しい話を詰めたいからと先方から連絡が有った、お前の作った企画書だ、俺がサポートすることになった」「本当に?」「ああ、本当だ」にほんブログ村