君がいるから 倉本くんの呟き
BL駄文です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。気分を害しても当方では責任を終えません、一部、18禁?花がさわさわ風に揺れる。握られた手に力が入る。「行くな」独りにしないで欲しいと心の声が痛いほど届いて来る。室内に向かった足を藤野に戻して椅子ごと抱締めてやる。あえて理由は聞かない、栢山が原因か、いや、それは違う、そうだとしたら一緒にここには来ないだろう。では何か?もしかしたらまた藤堂か嫌な記憶が蘇る。抱締めた腕を抱き返してポツリポツリと語りだす。「暗がりに連れ込まれた」誰に?栢山ではない誰か?「藤堂・・・」「アイツ~!」「違う、違うよ、藤堂に助けられたんだ」藤堂という名前に俺は敏感になっている。だけどそんな奴が藤野を助けたと聞いて安堵しながらも今度は栢山への憤りを覚える。「で、栢山は何をしていた?」「アイツは部長と女子に捉まっていて身動きできなくて、俺一人でトイレに立った。その帰り、道を間違えてなんか暗がりに出ちゃって・・・あ、って思ったら手を引っ張られて・・・で乗られて・・・でも・・・」「そこへ藤堂が来た?」「うん・・・」俺自身に腹が立つ、そして藤堂が居たことに感謝しなくちゃいけないのがもっと腹が立つ、栢山自身はきっと自分が役に立たなかったことに打ちのめされて帰って行ったに違いない、今頃は自棄酒でものんでるんじゃんないだろうか、同情したくなる。俺があいつの立場でも同じだろう。「そう」「俺、飲み過ぎてたし・・・」「そっか、そういう事か・・・」藤堂の存在が気に掛かるところだが、まぁ、それはここでは考えないでおこう。「ねぇ、瞬ちゃん」甘い声、『瞬ちゃん』と呼ぶときはめったに無いけれどこう呼ぶのは求められているとき、淫靡な響きが耳に届く、分かってるよお前の欲しいもの狂うほどぐちゃぐちゃにして全部忘れさせてやる。それがお前の望むことなんだろ。「中に行こうか?」「ここで・・・」いつも中ですることを望むこいつがそう言うのは妖艶な桜の毒気にあてられたのだろうか?「いいよ、しよ、ここ、いやらしい声聞かせてよ」こうして藤野を抱く、白い肌に桜の花びらが綻ぶように淡く染まり、仕草が声が俺を煽る。何時も以上に熱い中は酒の所為だろうか、それとも外での行為で何時も上に敏感になっているのか、全てが何時もと違っている。熱くて抱いている俺のほうが持っていかれそうだ。行為が終わり、藤野は壊れたように眠ってしまった。抱き上げベッドに運ぶ、寝息を立てる穏やかな表情、これを得られるなら俺は何だってする。髪を梳きながら窓の外を見ると月に照らされた妖艶な桜がこっちを覗いている。にほんブログ村