皆藤 全の告白 2
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。初めての出会いを果たして数年後、2度目の出会いを果たした。それは始めてのオフ会、顕一が開いていたホームページに集まった連中、彼のホームページに出会ったのも偶然、派手さは無いがシンプルでいい場所だと思った。そしてその中に有った、二次創作の文章とオリジナルの文章に心を奪われ、一気に読み勧めた。二次創作は原作ベースにオリジナルと言ってよい展開で書かれており、オリジナルは素人とは思えないほど満足のいく作品に仕上がっていた。俺は見ず知らずの作者に『俺、文章に恋しました友達に成って下さい』なんて唐突なコメントを送ってしまったのだったが、返って来た返事は『ありがとうございます、恋ですか?良い言葉です。そう言われたのは初めてで非常に嬉しいです、是非とも感想を聞かせて下さい。僕の方こそ宜しくお願いします』と言った内容だった事を覚えてる。相手が男だったって事は文章からして驚いたが、交流する内に自然と馴染めるようになり、家が近い事も知った。そして彼の本名が蓮見顕一で作家に成りたいと勉強中だと知った時、図書館で出合った小学生で有る事を悟った。俺は彼に会いたくなりオフ会を提案した。下心ばかりの言葉に彼が乗ってくれ、こうして実現されたというのに彼までの距離が遠い、主催者で有る彼だが大人しい、俺が変わりにその場を仕切り、お陰で俺は顕一と話すことも間々ならず、この女子の輪の中にいた。独りで座る彼、物静かで控えめだが、消して埋もれない。時々、隣の女性に離し掛けられている、その女性に嫉妬心が湧く、みっともないと思いながら会は終盤に指しかかる、何とか話したいと彼の横に座る事が出来た。「初めまして」思っていた台詞と違っていたのだったがそれは仕方が無いだろう。「初めまして、だけどなんだか初めましてって感じではないですね」「ええ、貴方は全さんですよね」「はい、全と呼んで下さい」なんともぎこちない会話、彼を見る目が離せない、俺は明らかに緊張していた。「じゃぁ。。。全。。。」戸惑いながら俺を呼ぶ声が優しい。「えっと。。。俺はなんて呼ばせて貰えば良いのかな、ハンドルネームの葉月でいい?」「貴方が『全』なのだから僕は顕一と呼んで下さい、その方が本当は好きなんです」「じゃぁ、顕一、これでいい?」「はい!」目を輝かせて俺を見る。学校では苗字の『蓮見』で呼ばれる事が多いから、他人に『顕一』と呼ばれるのが嬉しいと言うのだ。おまけにここに来た連中で『顕一』と名前を教えたのは俺だけだと言う、なんだか特別な存在の様で心が疼いた。にほんブログ村