2020/05/28(木)15:41
最終章 結び
夜が明けてゆくように、あたりは薄ぼんやりとした世界から地面に足の着くような感覚にとらわれていく。
遥かな稜線において、夢の幻とその向こう。
現実の写しとは鏡のごとく、このように共鳴しあうものなのだろう。
私たちは今起きたこの出来事に、ただ驚嘆するばかりであった。
こうして、物語は終焉を迎えたのだった。
・・・・かのように見えた。
扉の向こうでは、大きな白い翼の顔のない天使が緩やかに、笑みをこぼしていた。
まるで、何かが始まるかのように。
それは贖罪なのか?それとも救いなのか?
いずれにしても、それはまた別の機会に。