カテゴリ:政治・外交
カルロス・ゴーン逃亡の背景についてはいろいろな情報がNYT、WSJ、WPなどが発信し始めました。逃亡の計画者はキャロル夫人とその親族ではないかとの報道もあります。
キャロル夫人の計画とすると、それを支援したのはレバノン政府の疑いがでてきます。しかし、レバノン政府も一枚岩ではない。異なる宗教・宗派間の長い内戦を経験したレバノンでは、大統領がキリスト教マロン派、首相はイスラム教スンニ派、国民議会議長はシーア派などと定めているようです。 さらにレバノン国内にはイランに支援されたヒズボラが大きな軍事力を背景に政治的な影響力も持っていましたが、アメリカの経済制裁により、イランからの支援も先細りになっているようです。その結果、勢力を弱めたヒズボラは腐敗撲滅を掲げる反政府市民からも標的にされるようになっています。 レバノン政府は教育分野などへの投資をする金蔓もゴーンには非常に好意的ですが、反政府側は逆にゴーンに対して非常に批判的です。 ここにきて、レバノンの弁護士グループがゴーンがイスラエルに入国したという罪で告発しました。 なお、フランスでも現在、ゴーンをめぐっては、ベルサイユ宮殿での自身の結婚式費用に会社の金を流用した問題などを含む3つの事件での捜査が進行中です。なので、レバノンからさらにフランスへの逃亡は考え難い。 表面に見えている背景は複雑怪奇で訳が分からないのですが、ゴーンの逃亡劇そのものは、全貌が見えてくると意外に単純な話からも知れません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年01月04日 00時36分45秒
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