シン・足立淳のブログ彼岸花

　雑誌の休刊、プラス出版社の倒産、となると次にくるのは「原稿流出」だったりするが、「人間噂八百」の原稿だけは確保できた。ギャラは出ない、仕事は無くなる、おまけに原稿を持ってかれるでは踏んだり蹴ったりだけど、不幸中の幸いか。

　あと、何人かの作家さんに聞いた所、その人たちの原稿も無事だそう。

　実のところ、原稿確保に動いたのは休刊を知らされたその日で、11日の朝一番に秋葉原の編集部に駆けつけた。エレベーターで3階の編集部に上がると、黒い背広を着た人が二人いたので、なんだろうと思ったら凸版印刷の人。なんでも「会議の真っ最中で待たされている」と。

　までも自分も早く原稿の無事を確認したいので、ちょっとドアを開けて編集部をのぞく。

　　「どういうつもりですか！」
　　「破綻は以前からわかってたでしょう！」
　　……バタン（怖くなってドアを閉める音）。

　何人かの社員が、編集長（社長）を吊るし上げている現場に遭遇。

　…とりあえず「人間噂八百」原稿は、入稿済みのものも合わせて48話分は無事確保できた。デジマ倒産の発表があったのは、翌日。

　出遅れていたら、危なかったかもしれない。