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カテゴリ:アニメ
昨夜(正確には今日だけど)の「魔法少女まどか☆マギカ」第8話の感想。
以前にも書いたけど、こういう「魔法少女もの」に限らず、「バトルもの」や「ファンタジーもの」は、かなり最初の段階で、その世界の設定が明らかにされるものであると思う。つまり、この世界はどういう状況で、とか、主人公の戦う理由、とか、敵はどこそこの誰それで、とか。 つまりアニメの「GOSICK」風に言うなら、世界を構築する「カオスのかけら」がまず最初に散らばった状態で、それをひとつひとつ再構築する道のりがストーリーの骨格なのだ。最終的には敵を倒してこの世を平和にすることだが、一足飛びに敵を倒すことはできないから、仲間を増やしたり、中ボスを倒したりと、ひとつひとつ障害を潰していって、最終的にボスを倒すと。 「魔法少女まどか☆マギカ」は全く違う。当初は「主人公が最初に変身しない魔法少女ものなんて」と理解不能だったが、回を重ねて見るうちに、このアニメはこれまでの魔法少女ものとは全く違う作りをしているのだと思った。つまり、最初から設定を全部ばらしたりせず、1話ごとに一つか二つづつ、小出しにばらして行く、という方法を取っている。 で、「次は何の謎が出てくるのか」とか「誰の過去が明らかにされるのか」というところにかなりのアニメファンが喰いついていることが「まどかマギカ」の人気の秘密のひとつなんだが、ズルいよなあー。後出しジャンケンだもん、これ。シナリオ、いっくらでも変更きくもん。よくブログやTwitterで「第何話の伏線が見事に回収されている。この脚本はタダモノではない」みたいな書き込みがあるけど、そんなのカンタンなんだって。シナリオ変更自由な作り方をとってるんだから、伏線の回収くらいできてアタリマエなんだって。 それはともかくとして、今回語られたのが「ほむらがまどかを魔法少女にさせたがらない理由」と「キュゥべえの名前」。 物語の最初に、まどかたちの通う中学校に転校してきた「暁美ほむら」は、ことあるごとにまどかの前に立ちふさがり、しかし邪魔をするでもなく、いざという時には魔法少女に変身して、まどかたちのピンチを救う。ちょっとでもまどかが魔法少女になりたそうな素振りを見せると、面と向かって反対する。その理由は、どうもほむらが「現代人とは異なる時間軸に住む人」、つまり「未来から来た人」だかららしい。その未来人であるほむらが、まどかを魔法少女にさせたがらないのは、ほむらの住む世界が「まどかが魔法少女になってしまったが故に、悲惨な未来になってしまった世界」だからか。これらはほむらの口から語られたのではなく、ほむらと一緒にベンチに座っていたキュゥべえが勝手にペラペラしゃべっていたことから推測したのだけど、ほむらがひとことも反論しなかったことから恐らく事実なんだろう。そして、キュゥべえがほむらのことをいろいろ知っているのと同じく、ほむらもキュゥべえのことをいろいろ知っている。そんなおしゃべりなキュゥべえにほむらが言った「インキュベーター」という、キュゥべえの本名。 インキュベーターとは、もともとは孵卵器(卵を孵らせる器械)の意味で、広くは「金のタマゴを孵化させる手伝いをすること」として、「起業支援者」の意味として使われる。マーケティングリサーチや経営コンサルタント、投資支援、人材派遣などを生業とする人、もしくは団体のことである。 つまり。ヤクザがヤクザと名乗れなくなった今、代わりにつけている肩書そのまんまである。 インキュベーターではなく「キュゥべえ」。やくざではなく「ヤーさん」。 肩書を変えようが、可愛くなりすまそうが、ヤクザはヤクザなのだ。 以前にも、「魔法少女まどか☆マギカ」は「魔法少女ものではなく任侠ものだ」と書いた。それは「魔法少女」として生きるしかないさやかや杏子のやさぐれぶりを「昔のヤクザ映画みたいだ」と感じただけなのだが、まさかそれ以外にも「ヤクザの遺伝子」が仕込まれていようとは。 ちなみにそのヤーさんキュゥべえによると、まどかは魔法少女としては「ものすごい力の持ち主」らしい。他にも「世界の法則をねじ曲げるほど」だの「万能の神」だの「途方もない力」だの。 「涼宮ハルヒ」を生んだ角川書店の「ザ・スニーカー」が休刊する時代に、未来人だの万能の神だの。何セカイ系なこと言ってるんだこのヤクザは。笑わせるな。 <角川書店>「ザ・スニーカー」休刊へ 「涼宮ハルヒ」生んだラノベ雑誌18年で幕 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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