アニメ消灯時間
1月からの新番組のひとつ「これはゾンビですか?」。 面白かった。原作も放送情報もほとんど何も知らないまま1話目を見るアニメというのもあまりないのだけど、それでも楽しめた。 普通に高校生活を送っている主人公の少年は、実は人間ではなくゾンビ。そのゾンビ少年は家で無口な美少女(なぜかほとんどしゃべらず筆談)と同居中。そこへ一人の美少女が割り込んできて、再び動き出す日常。けっこう複雑に入り組んでいそうな設定なんだけど、それも気にすることなく30分間楽しめた。 トンデモ設定なのだがストーリーはしっかりしていて見ごたえあるアニメ、といえば前作の「そらのおとしものf」を思い出す。そういえば、放送時間は火曜深夜はMXTVの27時から、水曜深夜はTVKの25時45分より。つまり「そらのおとしものf」と同じ枠だ。ついでに言えば主人公の「ハルナ」役の人は、「そらおと」の「ニンフ」と同じ声優さんだ(野水伊織さん)。 面白い、といってもそれは「ストーリーがちゃんとしている」という面白さである。アニメで使われているギャグが面白い、というわけではない。むしろ、あちこちに顔を出すギャグは恐ろしく古い。例えば、番組後半でやって来た化物(メガロというらしい)の格好は「妖怪人間ベム」だし、各話のタイトルは、1話「(これはゾンビですか?)はい、魔装少女です」2話「(これはゾンビですか?)いえ、吸血忍者です」。これは「英語の教科書に『これは花ですか? いえ、これは馬です』という変な例文がのっていました」ギャグである。「ビックリハウス」や「笑いの文化人講座」もしくは「VOW!」だ。80年代の前半だ。それにキャッチコピーの「あんたもゾンビにしてやろうか!」。元ネタは間違いなくデーモン小暮(現デーモン閣下)の「お前も蝋人形にしてやろうか!」である。彩野華羅さん大喜びだ。 極めつけは、1話の半ばで少年がクマの化物に襲われて、致命傷(人間なら)の傷を負ったとき、ハルナの言ったセリフが「傷は深いぞ、がっかりしろ!」である。これは「傷は浅いぞ、しっかりしろ」のパロディだ。つまり戦場で撃たれた兵士を気遣う同僚のセリフをパロったものだが、ギャグとして使われていたのってそうとう古い。おそらく「のらくろ」あたりまでさかのぼれるのではないか。 つまり、ここで例をあげたギャグはいずれも20年以上前。いちばん新しいのが「おまえも蝋人形にしてやろうか!」なのである。そして勘違いしてほしくないのだが、古いからダメだ、と言っているわけではない。もちろん、古いからいい、と言いたいわけでもない。 「面白くない、けど、恐ろしいほど古い」。つまり「面白くなくて恐ろしい」。昔、デーモン小暮(現デーモン閣下)が「ROCKIN’ ON」のインタビューで、こんなことを言っていた。 「よくテレビや雑誌で、我輩の言ったことを面白おかしく受け取られることがあるが心外だ。我輩は面白いことを言った覚えはないのだ。むしろ、恐ろしいことを言っているのだ。音楽による世界征服とかな。ミサによる人心掌握とか」。 昭和の時代のそういうものを下敷きにしているアニメ。自分の言いたいのは「見ないわけにはいけないじゃないか」ということだ。【送料無料】これはゾンビですか?(1)【送料無料】これはゾンビですか?(2)【送料無料】これはゾンビですか?(3)【送料無料】これはゾンビですか?(4)【送料無料】これはゾンビですか?(5)【送料無料】これはゾンビですか?(6)即日配送!5000円以上で送料無料!ポイント5倍!【全巻】【新品】これはゾンビですか?[ライトノベル]<1-6巻 最新刊> 木村心一【ポイント倍付0105】 …そういえば、公式サイトを見ると「今、いちばん売れてるド変態ライトノベル」という文句が。「人間噂八百」を出したとき、「今、いちばん売れてるウワサ系4コマ漫画」というキャッチコピーを使ったことを思い出した。【送料無料】人間噂八百