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LOYAL STRAIT FLASH ♪

LOYAL STRAIT FLASH ♪

第一話

2 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:18:50.79 ID:YgJwQrnO0
…あれ…? ここは何処だ?

俺は、何でこんなところで寝ているんだろう?


ハァ…ハァ…
ハァ…ハァ…

息が苦しい。

ッ…!!

呼吸する度に胸が痛い。

4 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:19:23.96 ID:YgJwQrnO0
あれ、これって俺の体…だろうか?

…どこも、動かない。

…暖かい…

これって…血…?

血ってこんなに暖かいんだ…


ああ…

瞼ってこんなに重かったっけ…

なんだか…疲れた…

………




( ^ω^)ブーンはユメクイのようです


9 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:21:57.72 ID:YgJwQrnO0
第一話 「僕」


僕はドアを開けた。

( ^ω^)「おっ?」

それはなんだか見覚えのある場所。なんか、ここ見覚えあるんだよなあ。どこだっけ?

( ^ω^)「おじゃましますお」

まあ、いいや。と思い僕は足を進める。
そこに広がるのは、殺風景な部屋。
白い壁。白い天井。白い床。
そして、その真ん中には黒い椅子。
絶対ここに来たことあるんだけどなあ…うーん、思い出せない。

10 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:22:29.27 ID:YgJwQrnO0
そして僕は、後ろ手で反射的にドアを閉める。この行為は今までに何千回繰り返してきたのだろうか?扉を開けたら扉を閉める。小さい頃にしつこいくらいカーチャンに言われたっけ。
そして、そう思った瞬間、すうっと、ドアは壁に吸い込まれていく。
でも、それを見ても不思議と変には思わなかった。目の前で超常現象が起こったにも関わらず。むしろ、またか。と慣れたような感覚を覚えた。

( ^ω^)「よっこらセックス」

とりあえず、僕は黒い椅子に腰を掛ける。お尻に掛かるこの圧力はなんだか懐かしい感じだ。そして、その姿勢のまま周りを見回す。ドアが消えてからは、そこに広がるのはただただ、真っ白い空間。

( ^ω^)「…暇だお」

眼前の何も無い世界を目の当たりにして、僕はそう思った。
せめて、ゲームとかあればなあ。これじゃあ暇つぶしもできないじゃないか。
と、溜息をついた瞬間、手に硬い感触を感じる。慌てて手のほうを見るとそこには、自分の手のひらと同じ位の大きさの長方形の物体が握られていた。

11 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:23:12.52 ID:YgJwQrnO0
( ^ω^)「持ってて良かったPSP!!」

僕は目の前のゲーム画面に集中していた。が、しかし思いの他、サクサクとゲームは進む。なんだか簡単すぎるのだ。画面の中のキャラはまるで自分の思い通りに敵の弾を避けて行く。気がつけば、スタッフロールが流れていた。

( ^ω^)「…簡単すぎるお、仕方ない、テレビでも見るお」

そう、言うや否や顔を上げると、目の前には一台のテレビがいつの間にか存在していた。そして手には、PSPの代わりにリモコンが握られている。僕は、そのままリモコンのスイッチを指で押した。
画面には、メガネを掛けた男といかつい短髪の男の二人の男がなにやら笑いながらポーズを取っていた。オリエンタル何たらとか彼らは名乗っていたがそんなことはどうでもいい。…しかしつまらないネタだ。クスリと来なかった。

12 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:24:24.43 ID:YgJwQrnO0
( ^ω^)「つまらんお」

僕はそう言うと、チャンネルを変える。今度は、顔の整った30代位の男と美しく着飾った20代位の女が画面の中で見つめあっていた。
そして数十分だろうか、僕はその画面を凝視していた。しかし目の前で繰り広げられる感動的ストーリーと思われる劇は何の感情も引き出すことはなかった。
その後もそのまま無言で同じような行為を繰り返したが、むしろ時間の浪費だ、と思えるようになってきてそのままスイッチを切る。

( ^ω^)「……ハァ」

気がつけば、目の前のテレビと、手の中のリモコンは消え失せていた。僕は再びぼんやりと白い空間を見つめる。

しかし、その瞬間はそれは起こった。

13 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:25:01.15 ID:YgJwQrnO0
突如、目の前が、今居た部屋以上に白くなる。その輝きは目を開けていられないほど眩しかった。そして、僕は再び目を開けると、その光の先には一枚の黄色い扉があった。

( ^ω^)「………?」

ここに来て初めて、僕は違和感を覚える。それはまるで目の前の扉が、ここにあってはいけないような感覚。
しかし、怖いものほど見たくなる、臭いものほど嗅ぎたくなる、そういった心理だろうか?僕は無言で椅子から立ち上がり、フラフラとその扉へと近づいていった。

14 名前:猪(過敏)[] 投稿日:2006/12/21(木) 19:25:43.66 ID:YgJwQrnO0
( ^ω^)「………」

黄色い扉のドアノブを握ってみる。すると、僕はある感覚に襲われた。
まるで自分が自分でなくなるような、そんな感覚。しかしそれと同時に、何か引き込まれるような感覚も存在していた。
相反するような奇妙な思いに包まれつつも、僕は気がつけば手に力を込めていた。
そして、ドアは抵抗もなくそっと開く。

いつの間にか、無意識のうちに僕はその目の前の空間に足を進めていた。


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