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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第九章

244 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:05:36.75 ID:IQMDVcTq0

    第9章 なかないで恋人よ


( ´ω`)『僕はツーさんにとても悪い事をしたよね』

ξ;゚△゚)ξ 『な…なによ、急に気持ち悪いわねっ!!』

川 ゚ -゚) 『ツン、気持ち悪いはないだろう。常識で考えて』

あの辞令が張り出された日。
仕事を終えた僕はツンをバースペースに呼び出していた。

( ´ω`)『あの辞令のことだお』

ξ;゚△゚)ξ 『あぁ、それね』

川 ゚ -゚)『話は聞いている。しかし、それはショボンにも考えがあっての事だろうしな』

( ´ω`)『その考えが分からないお』

僕はカウンターテーブルにうつ伏せる。

( ´ω`)『僕なんかよりツーさんの方がずっと腕は上だお。
       それにツーさんはずっと麺場に昇格してドクオに追いつくのを目標にしていたんだお。
       それなのにツーさんを抜かして僕が麺場担当なんて…いい気分なわけないお』




246 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:06:28.04 ID:IQMDVcTq0
ξ゚△゚)ξ『あぁ、もう!! それでも金玉ついてるの!? そんなの気にしてるなら本人にそう言えばいいじゃない!!』

( ;^ω^)『金玉とか言うなwww そうも考えたけど…ツーさんは僕の顔なんか見たくないはずだお』

それを証明するかのようにツーさんは仕事を終えるとサッと帰ってしまった。

ξ゚△゚)ξ『確かにねぇ…ったく。ツーも男らしくないわね!!』

ツン。ツーさんは女性だお。
ツンはちょっと困ったように髪をいじっている。

川 ゚ -゚)『それならばドクオに相談してみたらどうだ?』

( ^ω^)『ドクオに?』

川 ゚ -゚)『うむ。ドクオはツーにとって憧れの存在なのだろう? ならばドクオに説得してもらうのだ。
     この悔しさをバネにして頑張れ。とな』

まさに天恵。

( ^ω^)『それだお!! さっそくドクオに電話して…』

携帯を尻ポケットから取り出しドクオの番号に発信する。
…おかけになった電話番号は相手の方が電波の届かない場所におられるか…

( #^ω^)『圏外だお!! この大事な時に何やってんだお!! これだから童貞はいやなんだお!!』

僕は自分も童貞なのは棚に上げて歯軋りした。



248 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:07:13.46 ID:IQMDVcTq0
ξ゚△゚)ξ『圏外? それならきっと自宅よ。 電波が悪くて困るって言ってた事があるわ』

( #^ω^)『あの野郎!! 人がこんなに急いでるのに自分は自宅でエロゲかお!!
       許せん!! 今すぐ乗り込んで天誅を…』

僕は席を立ち走り出…

ξ゚△゚)ξ『落ち着きなさいピザ』

…そうとして足をかけられ派手に転んだ。予想外の攻撃に受身も取れず顔面を床に強打する。

川 ;゚ -゚)『今のは痛いだろう。常識で考えて…』

( #^ω^)『な、なにするんだお、この暴力女!!』

ξ#゚△゚)ξ『  黙  れ  豚  野  郎  』

そもそもあんたドクオの家知ってるの?
そう言われて僕は自分がドクオの家を知らない事に気づいた。
鼻をさすりつつ床にあぐらをかく。

( ;^ω^)『そう言われればそうだお。 クーさん、ドクオの家の場所知ってるかお?』

川 ゚ -゚)『あぁ、あいつは社宅だからな。今地図を描いて…』

ξ゚△゚)ξ『その必要はないわ。 あたしが一緒に行ってあげる』





250 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:08:14.31 ID:IQMDVcTq0
( ;^ω^)『マジで?』

ξ゚△゚)ξ『マジで』

( ^ω^)『そんなに僕と一緒にいたいのかお?』

ξ#゚△゚)ξ『  思  い  上  が  る  な  ピ  ッ  ツ  ァ  』

威嚇するように足を振り上げる。
あ、そんなに短いミニスカートでそんなポーズしたら…

( *^ω^)『…ピンクのチェック』

蹴られた。

ξ#゚△゚)ξ『バカな事言ってないで!!
      ついでにドクオに貸してるDVD水戸黄門全集返してもらいたいだけよ!!』

そう言って軽い脳震盪を起こしている僕の腕をつかみ無理矢理立たせる。

ξ#^ー^)ξ『それじゃ、クーさん。お先に失礼します』

川 ;゚ -゚)『あ…ああ。お疲れ』

ξ#゚△゚)ξ『ほら!! ちゃんと歩く!! また蹴っ飛ばすわよ!!』

そう叫ぶツンに僕は引きずられるように店を出た。
だから、僕たちを見送ったクーさんのこんな呟きを聞き取る事は出来なかった。

川 ;゚ ー゚)『やれやれ』

252 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:09:30.45 ID:IQMDVcTq0
 ゴール直前の競走馬を煽る騎手のように後頭部を何度もツンに叩かれながら僕はバーボンハウス社宅アパートに到着した。
白壁の3階建てマンションは新しいとは言いがたいものの管理が行き届いているのか、
清潔そうな外見を保っている。

( #^ω^)(バシバシ叩きやがって!! これ以上バカになったら犯してやるお!!)

僕はそう考えたが、どう考えてもツンには勝てそうになかったので

( #^ω^)(…これも全部ドクオが電話でないのが悪いんだお!!)

そう思い直す事にした。

ξ゚△゚)ξ『あそこ…2階の一番隅がドクオの部屋よ。自転車もあるみたいね』

( #^ω^)『よし、乗り込むお!!』

( #^ω^)(怨みはらさでおくべきか…こうなったら必殺【呼び鈴鳴らさずドア開けて乱入攻撃】だお!!
       幼馴染の前でエロゲしながらオナヌーな自分の姿を曝け出すといいお!!)

そう考えながら僕は階段を上り、ドクオの部屋の前に到着した。

( ^ω^)『ドクオ、お邪魔するお!!』

予定通りチャイムを鳴らさずドアを開ける。

('A`)『…は?』

そこで見たのは腰にバスタオルを巻いただけの姿で缶ビールを手にしたドクオ。
そして玄関に丁寧に揃えられたどう見ても女性用のサンダルだった。


255 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:10:35.81 ID:IQMDVcTq0
 ('A`)『……』

( ^ω^)゚△゚)ξ『……』

予想していなかった展開に凍りつく僕ら3人。

( ;^ω^)(なんかちょっと前もこれと同じような事があった気がするお?)

均衡状態を解くかのようにドクオの腰のバスタオルがゆっくりと床に落ちる。
瞬間ツンが動いた。

ξ#゚△゚)ξ『  変  な  も  の  見  せ  る  な  』

渾身の右ストレート。相変わらず腰のしっかり入った良いパンチだ。
その一撃で我に返ったドクオがタオルを拾い上げ奥に逃げ込む。
僕らは当然そのまま室内に上がりこんだ。

 ('A`)『お、お前らなんでここに!!』

( ^ω^)『さぁ?』

ξ^ー^)ξ『大切な用件があったんだけど』

( ^ω^)^ー^)ξ『  忘  れ  ち  ゃ  っ  た  』

ツンの顔を見る。良い笑顔だ。今、僕とツンの心は1つ。共通の目的に向けて一直線だ。

 ('A`)『な、なんだそりゃぁ!?』

必死に前を隠すドクオ。普段より口数が多いのは気のせいではないだろう。

260 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:16:34.47 ID:IQMDVcTq0
 ( ^ω^)『ヘイ、ナンシー。玄関にあった靴を見たかい?』

ξ^ー^)ξ『勿論よ、ジミー。ドクオに彼女がいたなんて初耳よ。友達のあたしに内緒なんて…おしおきが必要ね』

( ^ω^)『おいおいナンシーwwwそれはちょっと早とちりしすぎなんじゃないか?僕はデリヘルでも呼んだんじゃないかと思ってるんだけどね』

('A`)『お、お前ら何をワケの分からんことを…』

自らのお宝を両手を使ってバスタオルで押さえているドクオの言葉を無視してツンは続けた。
ちらと横の円形テーブルを横目で見た。そこには小さなケーキとワイングラスが2つ並んでいる。

ξ#^ー^)ξ『ふふふ。どっちだって構わないわ。
       私はドクオが一緒にささやかな昇格祝いをしようとしている方に ご 挨 拶 したいだけだから』

ドクオもそのツンの言葉で僕達の目的に気付いたようだ。その場で床にへたり込む。

('A`)『ちょ…待て、頼む!! 頼むから今日は帰ってくれ!!』

当然の事ながらその希望は却下だ。

( ^ω^)『オゥ、ナンシー。シャワーの音が止んだよ』

ξ^ー^)ξ『あら、耳がいいのねジミー。楽しみに待たせてもらいましょうか』

やがて、浴室の扉が開く音。ドクオは座り込み頭を抱えている。
現れたのは。

(;*゚∀゚)『ただいみ~♪ さっぱりしたぁ!! ドッ君なに一人で大騒ぎして……って、え!?』

髪を薄いピンクのタオルで。体にはやはり薄いピンクのバスタオルを巻きつけただけの姿の…ツーさんだった。

17 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:01:04.96 ID:c9SnQmJu0
(;*゚∀゚);'A`):^ω^)『……』

鬼がいる。栗色の髪をしたツンという名の鬼。
壁に伸びるその影が人外の者の姿をしているように見えるのは僕だけではない筈だ。
僕ら3人は、その鬼の前で正座をしている状態だ。
本来であれば僕が正座をする必要は無いのだが、空気を読まずツーさんに

( ^ω^)『事前かお? 事後かお?』

と質問したせいでめでたく正座組に名を連ねる事になった。

ξ#゚△゚)ξ『ったく!! 心配して損したわ!!』

ツンは一人悠々とベッドに足を組んで座り、僕らを見下ろしている。
こんなに不機嫌そうなツンを見るのも久しぶりだ。 イライラを解消するかのように手にした携帯を玩んでいる。

(;*゚∀゚)『心配? 誰の?』

ξ#゚△゚)ξ『  あ  ん  た  の  よ  っ  !  !  』

(;*゚∀゚)『…? とりあえずサーセンwww』

ξ#゚△゚)ξ『で、ドクオ。いつから付き合ってんのよ』

('A`)『え…と…正式に付き合いだしたのは2ヶ月くらい前…』

ξ#^ー^)ξ『 へ ぇ 。 2 人 と も 2 ヶ 月 も あ た し に 内 緒 に し て た ん だ 』

ぎこちなく微笑むツンの右眉がピクピクと痙攣している。握りしめられた携帯は、圧力に負けメリメリと音を立てている様にまで見えた。

19 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:02:25.97 ID:c9SnQmJu0
 ('A`)『い、いや、でも、それはツンには関係ないじゃ』

ξ#^ー^)ξ『  関  係  な  い  ?  』

組んだ足を戻し、ゆっくり立ち上がるツン。
ヤバイ。ツンは本気だ。
ツンの手にかかれば右手に持った携帯は十分立派な凶器になりえる。
よく見ればアレは僕の携帯だ。

(;*゚∀゚)『ちょwww待って!! 今のは言葉のアヤって言うか…』

ξ#゚△゚)ξ『  お  姉  ち  ゃ  ん  は  ち  ょ  っ  と  黙  っ  て  て  』

( ^ω^)


(  ゚ω゚)


( ゚ω゚ )

ξ#゚△゚)ξ『こっち見るな』

( ;^ω^)『だ、だって…姉妹? 確かしぃちゃんも…』

ξ゚△゚)ξ『しぃは末っ子よ。バーボン3姉妹って言えばちょっと有名よ。知らなかった?』

( ^ω^)『…全く知らなかったお…そう言えばしぃちゃんとツーさんは顔つきが似てる気がするお』


23 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:04:47.32 ID:c9SnQmJu0
その何気ない会話にツンの殺気が緩んだ。

長年の経験でそれを察知したのであろうツーさんが畳み掛ける。

(;*゚∀゚)『そうだ!! ブーちゃん、ドッ君に大事な用事があって来たんだろ!? どうしたんだい!?』

一瞬のアイコンタクト。恋人同士でしか気付かないであろうそれはすでにテレパシーに近かった。

(;'A`)『そ、そうだ。何でも言って来いよ親友』

空気嫁。2人の視線が僕にそう言っている。

ξ゚△゚)ξ『ちょっと!! まだ私の話は終わ』

( ;^ω^)『そ、そうだお!! 大事な用事があるんだお!!』

このチャンスを逃したら次は無い。
僕はツンの言葉をさえぎるように今日の経緯をドクオとツーさんに説明する。
身振り手振りを交えながら話す僕の声を3人は三者三様の姿勢で聞いていた。
ドクオはタオルで股間を隠しながら床にあぐらをかいている。チラリと見えるへそ毛がキモイ。
ツーさんは所謂女の子座りって奴だ。体に巻きつけたバスタオルの裾が上も下も非常に際どい。
そしてツンはベッドに足を組んで座っている。不機嫌そうな顔つきは相変わらずだ。

( ^ω^)『…と言う訳で僕はドクオの力を借りたくてココに来たんだお』

(*゚∀゚)『なるほど。んじゃ、お姉さんもブーちゃんとツンの疑問に答えなきゃだねっ!!』

ツーさんは胸元のバスタオルを少し持ち上げ、話しはじめた。

(*゚∀゚)『正直、あたしも今回の辞令は納得できなかった。だからショボンさんに直接文句言いに行ったさ』

25 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:06:29.61 ID:c9SnQmJu0
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(#*゚∀゚)『納得できません!!』

あたしは仕事を終えるや否やショボンさんの姿を求めてスタッフルームに押しかけた。
今日一日無口でいたのは落ち込んでいたからじゃない。
口を開いたら誰かに八つ当たりしてしまいそうだったから。
そして、この怒りを今この瞬間まで保っておきたかったから。

(´・ω・`)『やっぱり言ってくると思ってたよ。僕も君としっかり話しておきたかったからね』

外食産業において料理長の権威は絶対。
逆らったり口答えなんかしようものなら『黙って手を動かせ』の一言であしらわれるのが普通。
ベッドの中ではドッ君も同じ台詞を吐く事もあるけど…今は関係ないね、ゴメン。
とにかくあたしは自分の考えに自信を持っていたし、納得しないで大人しくしている性格でもないからさ。

(#*゚∀゚)『当たり前です!! あたしは麺場担当になる事を…ドクオ君に追いつくことを目標にやってきました!!
     技術でも経験でもブーちゃんに劣っているとは思っていません!!
     それなのにどうして、あたしよりブーちゃんが…!!』

(´・ω・`)『うん。君が言う通りだと思う。僕も麺場の仕事で君が内藤君に劣るとは思えない』

(#*゚∀゚)『…だったら!!』

(´・ω・`)『それじゃ、逆に聞くけど君が麺場を担当するとして、内藤君のフォローのみでランチタイムをこなせると思うかい?』





28 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:09:55.29 ID:c9SnQmJu0
それを聴いてあたしは言葉に詰まっちゃったよ。
答えは否。
ドッ君ならばそれも可能かもしれないけど、今のあたしにはそこまでの実力は無いからね。

(´・ω・`)『さらに言わせてもらうと、君が麺場のメインになったら…ドクオのフォローは誰がやるんだい?
      君の追い回しをしながらドクオのフォローもする。
      内藤君には残念だけどまだそれほどの腕はないよ』

ショボンさんは缶コーヒーに口をつけ、言葉を続けた。

(´・ω・`)『麺場の動きが止まれば、ドクオは自分の手を止めてでも麺場の助けに入るだろう。
      結果、鍋場の料理も出せなくなる。
      どうだい? グチャグチャに混乱した厨房の景色が目に浮かばないかい?』

ショボンさんが言うことはもっともなのだろう。

(´・ω・`)『だけど、君なら出来る。内藤君とドクオ、2人のサポートを同時に出来る』

それでも…それでも…。

(´・ω・`)『それだけじゃない。
      君なら内藤君のテンションを下げる事無く指示を出し、彼の実力以上の結果を引き出すことも可能だろう』



(´・ω・`)『内藤君・ドクオ2人の追い回し。
      そう考えると君の不満はもっともだ。
      でも僕は君を【ランナー】として。ランチタイムの厨房を掌握するポジションを君に期待しているんだよ』

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31 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:13:50.66 ID:c9SnQmJu0
(*゚∀゚)『でしょ!? 大出世さ!! もう嬉しくってさ!! さっそくドッ君とお祝いしようって話になって…。
     2人に報告するのも忘れちゃったよ!! それはゴメンよ!!』

( ^ω^)『おっwwwおっwwwツーさん凄いおwww』

ξ^ー^)ξ『そうね。おめでとう』

(*゚∀゚)『いやいや、照れちゃうねコリャ。ありがとさん!!』

( ^ω^)『で、ランナーってなんだお?』

ξ゚△゚)ξ*゚∀゚)'A`)

空気が凍った。

3人に聞いた話だと、ランナーとは料理長直属のスタッフらしい。
本来であればウェイターやウェイトレスからランナーに転身する例が多く、
その仕事内容は料理の提供やホールの状況を厨房に報告する事。
又、料理長の代役としててんてこまいの厨房内で作業指示を出す進行役を勤める事もある。
ちなみにバーボンハウスでのランナーは<料理長補佐>的な意味合いが強く、
厨房内スタッフを手足の如く使いこなして料理を作りあげ、
それを今度はホールスタッフに指示を出して各テーブルに提供させる。
エネルギッシュで嫌味がない性格でないと勤まらないであろう仕事であり、その意味ではツーさんは正に適役。
先先代のランナーはショボンさんが新巻オーナーが料理長を兼任している時に勤めあげ、
先代のランナーは現在バーボンハウス2号店で料理長をしていると言うから、
ツーさんにとって『ドクオに追いつく』と言う目標への道が
全く別の形で開けたと言っても過言ではないわけだ。


33 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:15:50.86 ID:c9SnQmJu0
ξ゚△゚)ξ『はぁ…なんか心配して損したって言うか、安心したらどーでもよくなったって言うか』

内藤、帰りましょ。
ツンは僕の腕を引き、立ち上がらせながら言った。

(;'A`)『や、やっと帰ってくれる気になったか!?』

(;*゚∀゚)『忘れ物ないね!! 言っておくけど、私達これから一緒にシャワー浴びなおすから絶対ドア開けないからね!!』

ξ゚△゚)ξ『…んな事しないわよ。明日じっくり話は聞くけどね』

(;'A`)*゚∀゚)『…』

ツーさんの言葉を証明するかのように、僕とツンが外に出た瞬間内側から鍵がかけられた。
ドクオはともかくツーさんには悪い事をしたかもしれない。

ξ#゚△゚)ξ『何よ、感じ悪いわね!!』

( ^ω^)(そりゃそうだお・・・)



34 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:18:42.40 ID:c9SnQmJu0
ドクオが住む社宅から僕とツンの家の方向は途中まで一緒になる。
なぜか無言で歩くツンの横を僕は自転車を押しながら歩いた。
僕らの正面には大きな満月が浮かんでいる。

ξ゚△゚)ξ『…ねぇ内藤』

ツンが意を決したように口を開いた。

ξ゚△゚)ξ『あの2人見て・・・どう思った?』

( ^ω^)『どうって・・・ツーさんのシャンプーの匂いがたまらんかったおwww』

ξ#゚△゚)ξ『ドクオのシャンプーの匂いかもよ』

( ^ω^)『それはちょっと勘弁だお』

ξ゚△゚)ξ『・・・あたしはね、ちょっと羨ましかった。
     同じシャンプー。同じベッド。同じ時間。あの2人はあたしには無い物を自然に持ってるから』

( ^ω^)『おっwwwおっwwwおっwwwツンが乙女になってるおwww』

ξ゚‐゚)ξ『・・・あたしだって女の子よ。あんな素敵な二人を見たら羨ましくなるわ』

( ;^ω^)『(ヤバイ、地雷踏んだかお!?)え・・・と、ツンはどんな男がタイプなんだお?』

ξ゚‐゚)ξ『タイプってのは無いんだけど・・・。ナヨナヨした男は生理的に受け付けないの。
     侍みたいな人って言うか・・・。野武士のような王子様が理想ね』

( ;^ω^)(侍? 野武士?)


35 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:23:54.58 ID:c9SnQmJu0
それからまたツンは黙りこくってしまった。
時折遠くの方で車が走っている音が聞こえる。

ξ゚‐゚)ξ『・・・羨ましいのと同時に寂しくなったわ』

別れ際、ツンが急に立ち止まり重々しく口を開いた。

ξ゚‐゚)ξ『しぃにはギコさんがいる。ドクオにはお姉ちゃんが。お姉ちゃんにはドクオがいる。
     でも、あたしは一人。お姉ちゃん。友達。妹。
     当たり前の様にそばにあったものがいつの間にか無くなって最後はあたし一人になる。
     そんな感じがして寂しいの。怖いの』

ツンは伏し目がちに搾り出すように声を出す。
相手が僕じゃなくても良かったのだろう。
ただ、声にしたいだけ。
声に出す事で自分自身の存在を確認しているだけ。

それでも僕は。
そんなツンがとても儚げに見えて。
弱弱しく思えて。







( ^ω^)『ツンには僕がいるお!!』

叫んでいた。

36 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:29:40.64 ID:c9SnQmJu0
突然大声を上げた僕をツンは目を見開いて見つめてくる。
そんなツンの表情を見るのは貴重な体験だったけど、そんな事は微塵も気にならなかった。
両手を離した自転車が大きな音を立てて倒れた。

( ^ω^)『ツンには僕がいるお!! 例え僕が地球の反対に行っても!! 宇宙に行っても!!
       恋人が出来ても!! 結婚しても!! 僕は・・・僕だけはずっとツンのそばにいるお!!』

自分でも何を言っているか分からなかった。でも、ツンを見ていたら叫びたくなった。
ツンは僕から目を離さず、2歩3歩と近づき・・・

( °ω°)『ペレストロイカッ!!』

みぞおちに強烈な正拳を撃ちこんだ。

ξ゚△゚)ξ『ピザがカッコつけてんじゃないわよ』

じゃ、あたしの家こっちだから。
そう言って走り出す。少し距離が開いたところで振り返り叫んだ。

ξ゚△゚)ξ『内藤!! でも今の言葉は悪くなかったわ!! 100点はあげられないけど合格点はあげる!!』

( ;^ω^)『・・・そりゃどうもだお』

ξ^ー^)ξ『また明日!! いつものコンビニで待ってるからね!!』

何故だか跳ねる様に駆けていくツンの後姿を眺めながら

( ;^ω^)『何がなんだか分からんお』

僕はそう呟いた。


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