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LOYAL STRAIT FLASH ♪

番外編

9 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:34:02.95 ID:2FEAmTOy0


     番外編   川 ゚ -゚)は( ^ω^)の道標【みちしるべ】なようです


川 ゚ -゚)『…少し飲みすぎたかな』

わたしは誰に聞かせるでもなく呟いた。
いくら中心部が栄えているとは言っても、所詮VIP市は新興都市だ。
タクシーで10分も走れば単なる住宅街。
幻想的なイルミネーションも賑やかな音楽もここには存在しない。
平凡な幸せを望み、それを手に入れた人々の安住の地だ。
建ち並ぶ家々の明かりに消えた窓の奥にはそれぞれの物語が詰まっている。
誰にも真似できない、たった一つの物語。
そう考えれば【平凡】と言うものも悪くない。
ラジオから流れるクリスマスソングを聴きながらわたしはそんな事を考えていた。

どこにも走っている車など無いというのに律儀に運転手が赤信号で停止する。
近くに小さな公園を見つけたわたしは

川 ゚ -゚)『ここで降ろしてくれ』

と告げ財布を取り出した。

怪訝な顔をする彼に料金を払い車を降り公園に向かう。

川 ゚ ー゚)『思ったとおりだ』

そこには足跡1つない真っ白な世界が広がっていた。

10 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:37:43.91 ID:2FEAmTOy0
真新しい雪の絨毯に足を踏み入れる。
さくりさくりとブーツ越しに伝わる感触が心地よい。
歩く度にコートの背につけられたおもちゃの天使の羽が揺れているのが分かった。

川 ゚ ー゚)『うん。悪くない』

そうやってしばし一人だけの空間を楽しむ。

わたしは雪が好きだ。
冷たいけど…どことなく暖かい空から舞い落ちる光の結晶。

子供の頃、同級生が『大きくなったらお嫁さんになる』などと言っている横で
わたしは『大きくなったら雪になりたい』と言っていたそうだ。
変な言い方だが、今でも少なからず『雪』と言う存在に憧れを抱いている。

…そう言えば昔、内藤が

    ( ^ω^)『僕の包丁は冷たいけど暖かい…クーさんみたいな包丁なんだお』

と言ってくれたっけ。
あの時はただ単純に嬉しかったのを今でも覚えている。

川 ゚ -゚)『内藤…今頃はツンと楽しくやっているのだろうか』

脳裏に彼の微笑み顔が浮かび上がる。

川 ゚ -゚)(……内藤)


11 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:43:03.35 ID:2FEAmTOy0
わたしは…最初から内藤に恋心を抱いていたわけではない。
最初はただの義務感。
面接にやってきた内藤を断ろうとしているショボンに反対したのがきっかけだ。

友人に対する義務感と、内藤の人生を少なからず左右してしまった事に対する義務感。

内藤が問題を起こす度。
内藤がなにかしら落ち込んでいる度。
内藤が悩んでいる度。

わたしは離れた場所から見守りつつ無事を祈った。
雛鳥を見守る親鳥のような心境だったのかもしれない。

その雛鳥も幾多の試練を乗り越え立派な一羽の雄へと成長を遂げた。
そしてわたしの気持ちも恋へと、愛へと変わっていった。

彼のそばに居たかった。
彼の腕の中ぬくもりを感じたかった。
彼と共に人生を歩き…彼の道を照らしたかった。









本気で…本気で彼を愛していた。

13 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:47:41.36 ID:2FEAmTOy0
 川 ゚ -゚)『ええい!! 女々しいぞ、クー!!』

わたしは自らの両頬を挟み込むように叩く。
とたんに体を寒気が包み込み、軽く身震いした。
いつの間にか酔いも完全に醒めきってしまっている。

確かに内藤はわたしではなくツンを選んだ。
しかし、だからと言ってわたしの気持ちが変わるわけではない。
これからも内藤を…そしてわたしが愛する男が選んだ女性の道標【みちしるべ】になってやればいいではないか。
そうだ。
明日にでも2人を祝福するカクテルを作ってやろう。
そして、みんなの前で思いっきり冷やかしてやるんだ。
わたしからのささやかな復讐。

川 ゚ ー゚)『ふふ。楽しみだな』

わたしは一人微笑む。

すでに指先の感覚がなくなってきていた。
コートの奥ではミニスカートから覗いた太ももがさぞ冷え切っている事だろう。

川 ゚ -゚)『シャワーでも浴びて寝るか』

そう考えてマンションに向けて歩き出す。
が、途中で

川 ゚ -゚)(そう言えば玄関の電球が切れてたな…あと、ビールと弁当か…)

思い出し進路をコンビニへ変更した。
寂しい独身女の一人暮らしの現実というヤツだ。

16 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:51:49.17 ID:2FEAmTOy0
 現在時刻深夜1時。
こんな雪の降る夜に見るべきものもない住宅街を歩く者などわたしくらいなものだ。
当然、わたしの前に伸びているのは誰にも汚されていない純白の道…という事になる。
わたしはブーツの中で凍り付いている指先を感じながら新雪を楽しみ歩いた。
この美しい景色も明日になれば踏み固められ、灰色に染まってしまうのだろう。
そう考えると残念でならない。

川 ゚ -゚)『…む?』

わたしは前方から近づいてくる車のライトに気付き足を止めた。
この道は車両一方通行。
付近の住人が大通りに出るのに使われる程度で道幅もさほど広くない。
普通車と歩行者がなんとかすれ違える程度だろうか。
どうやらドライバーはわたしに気付いていないのか、速度を落とす気配もない。
このような場所で傘を差した人間が半暴走車とすれ違うなど自殺行為もいいところだ。
わたしはすぐ横にあった【マンション建設予定地】の看板が立つ空き地に体を避難させ、
車が通り過ぎるのを待つ。

川 ゚ -゚)(やれやれ。この真っ白な道を楽しむのもここまでか)

わたしはそんな事を考える。

その時だった。





雪にタイヤを取られた車がいきなりの方向転換。
わたしに向けて突っ込んで来たのは。

17 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:56:17.93 ID:2FEAmTOy0

川;゚ -゚)『…なっ!!』

ドーパミンが瞬間的に大量放出され、車がゆっくりと迫るように見える。
体は…固まったように動かない。

川;゚ -゚)『逃げろ!! 逃げろ!!』

脳から発信された命令を手足が受信しないのは、寒さでかじかんでいるせいか?

やがて…車はわたしの体に接触。
貫く衝撃の後、わたしの体は宙を舞い…雪の中に叩きつけられた。


20 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/29(月) 23:59:24.86 ID:2FEAmTOy0
川 ゚ -゚)『…くっ』

雪の中、うつぶせに倒れこんでいたわたしはなんとか意識を取り戻した。
不思議と痛みは感じないが、どこからか出血があるらしく目の前の雪が赤く染まっている。
まるで雪の中に咲いた赤い花のようだ。
車は…逃げてしまったのか、影も形も見えない。
わたしはどれほどの時間こうしていたのだろう。全く感覚がなかった。
今、この世界にはわたし一人だけ。

川 ゚ -゚)『…わたしは…死ぬのか…?』

嫌だ。
死にたくない。

川 ゚ -゚)『…死ぬわけには…いかない…』

内藤と約束したんだ。
これからもお前の道標【みちしるべ】でいるって。

嫌だ。
こんな所で死にたくない。
死にたくな…。
死にたく…。
死にた…。
死に…。

死…。

川 - )『…内藤……す…まない…』


25 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:06:44.39 ID:T9v5rC2I0
……どこかで携帯電話が鳴っている。
わたしは手探りでそれを捜しあて手に取った。
ディスプレイには【 アラーム  8:30 】の文字。

川;゚ -゚)『…え?』

わたしはむくりと起き上がり周囲を見渡す。
ホルスタイン模様の布団。
薄いピンク色の壁紙。
枕元におかれた等身大の熊のぬいぐるみ。
サイドテーブルにはビールの空き缶。
ご丁寧にお気に入りのショートサイズのネグリジェまで着込んでいる。
ここは…見慣れた私の部屋だ。

どことなく全身が気だるい。
頭がガンガンと痛む。

川;゚ -゚)『…わたしは…死んだんじゃ…それとも助かったの…か?』

無意識のうちにここまで辿り着いたのだろうか?
それとも、誰かがここまで運んでくれたのだろうか?
全く意味が分からない。
わたしは必死に状況把握に努め…

川;゚ -゚)『きゃうっ!!』

…ようとして突然震えだした携帯電話によって考えを中断させられた。
そこには【ショボン】の文字が浮かび上がっている。
私はおそるおそる通話ボタンを押した。


27 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:11:15.69 ID:T9v5rC2I0
 川;゚ -゚)『も…もしもし?』

(´・ω・`)『うん、おはよう。一応起きてたみたいだね。偉い偉い』

携帯電話から聞こえてくるのは確かにショボンの声。
わたしは更にパニックになる。

川;゚ -゚)『…どういう事だ? 説明しろ』

苦笑。

(´・ω・`)『主語や目的語を省略されると意味がわからないよ。
      君が迎えに来いって言ったから来たんじゃないか。それだけだよ』

川;゚ -゚)『わたしが? 迎えに?』

一体何がどうなって…落ち着け、クー!! Bee Coolだ!!

(´・ω・`)『…もしかしてまだ寝起きかい?』

川;゚ -゚)『そ、そうだが…』

(´・ω・`)『……だから昨日飲みすぎるなって忠告したじゃないか。
      内藤君には僕らは少し遅れるって連絡しておくよ
      1時間あげるから支度して降りておいで。
      マンションの下の車止めてるから』

そう言って電話は切られた。


28 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:15:44.57 ID:T9v5rC2I0

 川 ゚ -゚)『うわ。ヒドイ顔…』

鏡にうつったわたしの顔。
頬はむくんでいるし、髪はボサボサ。
とてもじゃないが独身女が人前に晒せる顔じゃない。
わたしはお気に入りのシャンプーで髪を洗い、
火傷するような熱いお湯と冷水のシャワーを交互に浴びて強引に肌を目覚めさせた。

川 ゚ -゚)『……』

バスタオルを体に巻きつけ部屋に戻る。
クローゼットの中にはやはり見慣れた服がハンガーにかかっている。
その中から適当に見繕い、失礼にならない程度に化粧を済ませてからわたしは部屋を飛び出した。

マンションのエントランスを出たわたしはすぐにショボンの軽自動車を見つけた。
運転席の窓を覗き込む。彼はリクライニングを倒し顔に広げた雑誌を被せて寝ているようだった。
そのまま助手席側に回り込み、無言で扉を開け体を滑り込ませる。
そこでようやくショボンはわたしに気がついた。

(´・ω・`)『やあ。随分早かったじゃないか』

眠気が抜けていないのか、普段以上にしょぼくれた顔で言う。

川 ゚ -゚)『…言っただろう。わたしは早く説明して欲しいんだ』

わたしはショボンに詰め寄った。
彼は外人がやるように肩をすくめ…

(´・ω・`)『やれやれ。どうしたんだい? 今日は君達の店の開店記念パーティをするんじゃないか』

33 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:21:17.74 ID:T9v5rC2I0
わたしの店?
開店記念パーティ?
ここに来てわたしの混乱は極限を極める。

川;゚ -゚)『そんな…一体…わたしは確かにあの時車に撥ねられて…』

あれは一体なんだったんだ?
夢?
いや、そんな筈はない。
今もわたしの頭は鐘を打つ様にひどく痛むし、
全身も…その、いや、なんと言うか…
女性特有の一度に大量の血を失った時に感じる倦怠感が残っている。

ショボンはそんなわたしを全く気に留めずキーを捻った。
ボトルホルダーに刺さった缶コーヒーを一口。

(´・ω・`)『なんか話がかみ合わないなぁ。
      まず、クーの方から説明しておくれよ。
      時間がないから走りながらでいいよね?』




36 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:24:27.65 ID:T9v5rC2I0
(´・ω・`)『ぷぷ…く…ぷっ…』

川#゚ -゚)『笑うか運転するか、どちらかにしろ』

(´・ω・`)『だ、だって…車に撥ねられて死ぬ夢を現実と間違えるなんて…
      それなんて中二病?www』

川#゚ -゚)『うるさい黙れ。前を見て運転しろ』

実際ショボンが堪えきれずに笑う度、車もよたよたと徐行するので危なくて仕方がない。
それにしても…くそっ、忌々しい。
狭い車内ではどこにも逃げ場はなく、
わたしは不貞腐れたように流れる景色を眺める事しか出来なかった。

川 ゚ -゚)『…クドイようだがな!! あれは確かに夢ではなかった!!
     夢だと言うならこの頭の痛みと倦怠感は何だと言うのだ!!』

(´・ω・`)『ぷっ…だから言ったじゃないか。それはただの飲みすぎだよ。
      いくら君が酒豪とは言え、一人でボトル3本開ければ二日酔いにもなるさ』

川 ゚ -゚)『……』

そう言われれば、昨夜はショボン・ギコと3人で前祝いをしていたような気もする。
あれが…夢?
だとすれば、もう二度と見たくない悪夢だな。

(´・ω・`)『僕が思うにね、マリッジブルーと同じ原理さ。
      幸せすぎて怖い。そんな深層心理が産んだ夢だと思うよ
      このビルの3階で良かったよね?』


43 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:34:32.02 ID:T9v5rC2I0
地階駐車場に車を止め、わたし達二人はエレベーターで3階に向かう。
どうやらココはバーボン本店と同じく飲食店ビルらしい。
狭い空間内にはイベント案内のチラシが何枚も貼り付けられている。
…わたしが向かっているのは本当にわたしの店なのか?
それならどうして全く記憶がない…?

(´・ω・`)『…まだ分からないって顔してるね。
      そうとう重症みたいだ。しばらくお酒は控えた方がいいよ』

川 ゚ -゚)『……』

エレベーターの動きが次第にゆっくりになり、やがて止まった。

エレベーターを降りたわたしの目にうつったのは、
外壁に沿うように並んだ4軒ほどの飲食店。
うち3軒はイタリアンレストランに居酒屋が2軒といった感じか。
残りの1軒は…【 雪 中 花 】の看板を掲げる中華ダイニング。
新装開店を祝う紅白の花輪が入口両脇に並び、
入口の正面に立っているのはもう二度と会えないと思っていた愛しい人。

川 ゚ -゚)『…内藤っ!!』

わたしは堪らずに駆け出した。


44 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:39:12.14 ID:T9v5rC2I0
( ^ω^)『おっwwwおっwww店長いきなり遅刻かおwww』

内藤が無邪気な笑顔で笑いかけてくる。

( ^ω^)『ツンはたった今買い物に行っちゃったお。一足違いって奴だお』

店の中に入る内藤をわたしも追いかける。

川 ゚ -゚)『これが…わたしの店…?』

総板張り風の店内には、やはり木製の椅子とテーブルが並べられ
ささやかなバースペースにはすでに何十本もの酒瓶が並んでいた。
店中のテーブルには皿やグラス、金属製のタッパーやトング等の調理器具が
所狭しと山積みにされ、よく見れば店の隅を縛り上げられたダンボールが占領している。

( ^ω^)『ほらほら。店長も早く手伝うお。早くしないとみんなが来ちゃうお』

そう言って内藤がわたしにエプロンを手渡してきた。
胸元にひよこのイラストがかかれたそれを、わたしは戸惑いつつも身に着ける。

川 ゚ -゚)『それにしても…店長とはひょっとしてわたしの事か?』

( ;^ω^)『お?』

わたしの言葉に内藤は固まる。

( ^ω^)『僕が料理長でツンがマネージャー。クーさんは店長として僕らをバックアップする。
       全部クーさんが自分で言い出したことだお。
       クーさんのおかげで僕は夢を叶えられたんだから…
       記憶が飛ぶまでお酒飲まれちゃ困っちゃうおwww』

51 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:45:28.56 ID:T9v5rC2I0
         わたしのおかげで夢を叶えられた…。

その言葉を聞いた瞬間わたしは頭が真っ白になる。
そして、しがみつく様に内藤に抱きついた。
思いもしなかったわたしの行動に内藤はよろめきながらも足を踏ん張り、わたしを支える。

( ;^ω^)『ク、クーさん!? いきなりなにを…?』

悪いが、その質問に答えるつもりはない。

川 - )『…内藤。わたしはお前の道標【みちしるべ】になれたのか?』

内藤の胸に顔を埋めたまま問いかける。

( ;^ω^)『何を言ってるんだお? なんか今日のクーさんおかしいお?』

川 - )『…答えろ!!』

わたしはお茶らけた態度で場を避けようとする内藤を一喝する。
今日のわたしはおかしい…か。

…その原因が『怖い夢を見たから』なんて口が裂けても言えないな。

無言のままの内藤は困っているように思えたが、やがて照れ臭そうに口を開いた。

( ^ω^)『クーさんは…僕の光だお。
       昔も。今も。そしてこれからも』


53 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:51:27.36 ID:T9v5rC2I0

どれほどの時間こうしていたのだろう?

気がつけばわたしの両目からは大量の涙が溢れ出していた。
頬を伝い落ちる涙が内藤の服に大きな染みをつくる。
両の肩に内藤の大きな手が乗せられているのが分かった。

内藤の息づかいを感じる。

内藤の暖かなぬくもりを感じる。

内藤の心臓の鼓動が聞こえる。



幸せだった。







川 ゚ -゚)『…内藤…ありがとう』

わたしは聞かせるわけでもなく、そう呟いた。


55 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/30(火) 00:59:16.28 ID:T9v5rC2I0




     今際のきわに見た情景は夢か幻か?




     それとも、神様が最後にくれたクリスマスプレゼントだったのか?




              …内藤…ありがとう




     それが私の口から漏れた最後の言葉になった。







     深々と降り積もる雪がわたしのからだを覆い隠していく。

     街灯の灯りがスポットライトのように血に濡れた天使の羽を照らしていた。


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