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4 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:31:58.81 ID:ajC0DBd70
第13章 休日 川 ゚ -゚)『内藤。君が本当に料理人として生きて行きたいのなら… わたしは君の道標(みちしるべ)になりたい』 クーさんが紫水晶色の瞳で僕を見つめている。もちろん僕の答えは1つだ。 ( ^ω^)『ありがとうだお。本当は僕から言わなきゃって思ってたんだけど… なかなかきっかけが掴めなくて困ってたんだお』 うまく出来てるか分からないけど…多分今の僕に出来る最高の笑顔をしている筈だ。 クーさん。ちょっとミステリアスなところもある人だけど、 ずっと僕の事を見守っていてくれていたのを僕は気付いていた。 ξ;゚△゚)ξ『ちょ…ちょっと待ってよ、内藤…本気なの?』 ( ^ω^)『ツン…僕は真剣だお。本当はツンにも相談したかったんだけど…』 ξ △ )ξ『……』 ツンは血の気が引いた顔で呆然としている。 ( ^ω^)『いや~、ホントに今日は最高にハッピーだお。 クーさんがついていてくれれば僕には怖いもの無しだお』 川 ゚ ー゚)『嬉しい事言ってくれるじゃないか。 わたしも勇気を出して言ってみてよかったよ』 6 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:37:27.92 ID:ajC0DBd70 ξ △ )ξ『……』 ( ^ω^)『チキンな自分がバカみたいだおwww じゃ、さっそく御教授願おうかおwww』 川 ;゚ -゚)『ご、御教授? 何を教えると言うのだ?』 ( ^ω^)『またまたとぼけちゃってwww分かってるくせにwww』 その僕の言葉にクーさんはハッとする。 川 ////)『い、いや…確かにわたしは未経験と言うわけではないが… やはりいきなりわたしがリードすると言うのは流石にちょっと…』 ( ^ω^)『ご謙遜をwww。ドクオもショボンさんも発注の事ならクーさんに聞けって言ってましたお』 ξ゚‐゚)ξ川 ゚ -゚)『……』 _, ,_ _, ,_ ξ゚△゚)ξ川 ゚△゚)『 は い ? 』 8 名前:顔文字ずれたwww ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:43:19.12 ID:ajC0DBd70 おかしい。 なんか話が噛みあわない。 ( ;^ω^)『え? クーさんは僕が来月から発注も覚える事になったのを聞いて サポートを申し出てくれたんじゃないのかお?』 ξ゚△゚)ξ『……』 おろおろと説明をする僕の隣にツンが腰を下ろした。 川 ゚ -゚)『ツン…わたしは今とても虚しい気分だ』 ξ゚△゚)ξ『…心中お察しします』 川 -△-)=3 ξ-△-)ξ=3 2人揃って大きなため息。 全くワケがわからない。 10 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:46:03.61 ID:ajC0DBd70 ξ゚△゚)ξ『…なんかすごい茶番を見た感じで疲れたわ。 クーさん、軽いカクテル1杯頼んでいいかしら?』 川 ゚ -゚)『うむ、そうだな。わたしも今無性に酒がほしい気分だ。 ツンに相応しいカクテルを作ってやる。ちょっと待ってろ』 そう言ってクーさんはウォッカ・オレンジジュース・ストロベリーリキュールを取り出した。 丁寧に計量して氷を入れたシェイカーに注ぎシェイクする。 そうして出来たカクテルをツンの前にそっと差し出した。 ξ゚△゚)ξ『これは?』 川 ゚ -゚)『ストロベリー・ボール。苺サイズの胸…という名のカクテルだ。 ちなみにわたしの手元にあるのはグレープフルーツ・ボールと言う』 ξ#゚△゚)ξ(ビキビキ) それは明らかな嫌がらせ。 それは宣戦布告。 ( ;^ω^)(ちょwwwクーさんいきなり何をwww) にこやかに笑いつつ火花を散らす2人はグラスを軽く合わせ一息でそれを飲み干した。 ξ゚△゚)ξ『ごちそうさま。内藤帰りましょ』 ( ;^ω^)(何がなんだかワケわかめだお) 僕は首をひねりながら一人スタスタと歩き出すツンの後を追った。 13 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:49:13.25 ID:ajC0DBd70 (*゚∀゚)『上野ー!!』 (*゚ー゚)『と言ったら!?☆』 (*゚∀゚)*゚ー゚)『どーぶつえーん☆』 (*>∀<)*>ー<)『イエーイ☆』 ( ^ω^)'A`)゚△゚)ξ,,゚Д゚)『……』 僕達は今日、休日を利用して上野に来ている。 ここから地下鉄銀座線に乗り換えて田原町、 つまり合羽橋道具街へ僕の包丁を買いに行くのが目的だ。 本来であれば上野動物園に遊びに行くギコさんとしぃちゃんとはここで別行動になる筈だったのだが、 ξ゚△゚)ξ『あ…国宝刀剣展示会、今日までなんだ』 とツンがあまりにも残念そうな顔をするので 僕らも予定をちょっと変更して寄り道をしているわけだ。 しぃちゃんをお供に刀剣展示会場へ向かったツンをよそに 僕達は芝生に座ってコンビニのおにぎりを詰めこんでいる。 晩夏の日差しも厨房の熱気と比べれば微風のような物。 たまにはこんなのんびりした一日も悪くない。 15 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:54:04.58 ID:ajC0DBd70 ( ,,゚Д゚)『ところで内藤。もうどんな包丁を買うか決めたのか?』 両手におにぎりを持ったギコさんが話しかけてきた。 ( ^ω^)『まだですお。合羽橋を探検しながら決めようと思ってますお』 ( ,,゚Д゚)『そうか…とは言ってもある程度イメージは決めておいたほうがいいぞ。 料理人にとって包丁は命だ。 後になって後悔しても遅いからな』 (*゚∀゚)『それは言えてるねっ!! あたしなんかはドッ君とおそろいが良かったから 【藤次郎】以外考えてなかったけど… 例えばメーカーにこだわるのも1つの決め方だと思うよっ!!』 ('A`)『そうだな。俺は自家用の包丁ですら【藤次郎】以外使う気はしない。 例えば内藤が今家で使ってる包丁のメーカーから探していくって手もあるぜ』 ( ;^ω^)『なるほどだお』 (*゚∀゚)『で、ブーちゃんは家でどこのメーカーの包丁使ってんだい!? スタンダードなトコだとヘンケルス、グローバル・プロってトコかな!!』 ( ;^ω^)『…そんな大層なメーカーじゃないですお 無銘の包丁とでも言うべきか…。 そ、それより鮫の話しませんかお!! ジンベイザメって知ってますかお!?』 あまりこの話はしたくない。 僕はとっさに会話の流れを変えようとした。 16 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:56:26.24 ID:ajC0DBd70 (*゚∀゚)『あやしい…』 ('A`)『別に隠す事ないだろ』 ( ,,゚Д゚)『そうだぞゴルァ。お前がどんな包丁をプライベートで使っていようと気分を害したりせんぞ』 どうやら僕の作戦は失敗したらしい。 僕は覚悟を決め口を開く。 ( ω )『ダイソーだお』 一瞬の沈黙。 ('A`)『ダイソー? ギコさん知ってますか?』 ( ,,゚Д゚)『国外メーカーか? 俺はあまりそっちに詳しくないんだが』 (*゚∀゚)『へぇ、結構マニアックなメーカーの包丁使ってんだね!! なんとなくどっかで聞いた記憶があるよ!! どこで買ったんだい!?』 ( ,,゚Д゚)『そう言われて見れば俺もどっかで聞いたことがあるような気が…』 3人揃って首をかしげている。 ( ω )『…100均だお』 ( :,゚Д゚);*゚∀゚);'A`)『…あ』 18 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 00:58:44.82 ID:ajC0DBd70 ( ω )『……だから言いたくなかったんだお』 (;*゚∀゚)『ダ、ダイソーいいよね!! あたしも好きだよ!!』 ( ω )『…ツーさん目を見て話してくれだお』 (;'A`)『遊戯王にダイナソー羽蛾っていてな…ダイソーとダイナソーって似てるよな?』 ( ω )『無理に会話作らなくていいお。それとダイナソーは竜崎だお』 ( ;,゚Д゚)『俺も持ってたぞ100均の包丁。キャンプなんか行く時重宝するよな。 失くしても困らないし…』 ( ω )『……』 ( ;ω;)ブワッ 空気が重い。 ( :,゚Д゚);*゚∀゚);'A`)『…その…なんつーか…ごめんなさい』 そんなコントをしている内に分厚いガイドブックを手にしたツンが意気揚々と戻ってきた。 ξ゚△゚)ξ『ただいまー!! やっぱり国宝は違うわね!! あら、内藤なんで泣いてるの? 早く合羽橋行きましょうよ』 ( :,゚Д゚);*゚∀゚);'A`)(ナイスタイミングだ、ツン) 20 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 01:02:29.17 ID:ajC0DBd70 そのまま動物園に向かうしぃちゃん・ギコさんペアと別れ僕達は地下鉄に乗り込んだ。 ('A`)『そう言えばショボンさんも今日合羽橋に行くって言ってたぜ。 なんでもバースペースのグラスを補充したいんだそうだ』 ( ^ω^)『おっwwwおっwwwもしかしたら会えるかもしれないおwww』 (*゚∀゚)『そりゃないだろうね!! ショボさんは午前中に行くって言ってたもん!! この時間じゃとっくに帰ってるだろうさ!!』 ξ゚△゚)ξ『…どうでもいいけどあの人って影薄いわよね』 そんな事を話しているうちに電車は田原町に到着した。 改札をくぐり、地下鉄の階段を登りきると目の前には仏壇屋。 調理道具の専門店など一軒も見えない。 降りる駅を間違えたのかとも思ってしまったが、壁に貼られた調理道具店の宣伝看板がそれを否定していた。 ( ^ω^)『…なんかイメージと違うお』 (*゚∀゚)『うん!! わたしも最初同じ感想持ったよ!! ま、着いといで!!』 観光ガイドのように先頭に立ちツーさんが歩き始める。200メートル程歩いただろうか? ( ^ω^)『…なんだありゃ…』 巨大なコックの胸像を屋上に乗せたビルが見えてきた。 どれくらい大きいって? …ウルトラマンサイズだよ。 それが合羽橋道具街の入口だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 31, 2007 01:13:11 AM
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