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うずらの小部屋

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2008.01.25
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カテゴリ:TS小説
あとは適当に小さめの白いシャツを合わせれば良いかな。
下着はないから、ひなたのタンクトップをスリップ代わりにでもしよう。
制服を紙袋に詰めて家を出る。
「いってきます」
「いってらっしゃーい」
お母さんが雑誌越しにひらひらと手を振っていた。
すぐにひなたの家にとって返す。
「ちづ、こっちこっち」
聞き覚えのない甲高い声が、聞き慣れた発音で私を呼ぶ。
部屋じゃなくて、リビングに移動してきたらしい。
覗いてみると、ジュースを飲んでくつろいでいた。
買い物に行くというのに、顔ぐらい洗ったのかしら。
髪もボサボサのままだし……。
「その袋は? お菓子?」
私が手に持っていた紙袋を見つけ、てこてこと寄って来る。
今までの流れでどうしてそうなるのか、疑問。
服に決まってるでしょ、服に。
ほんと、一回解剖して中身を覗いてみたいわね。
「昔の服は捨てちゃってたけど、制服だけ残してたから、はい」
「んぅ? うわぁ、懐かしいなー」
「だから、はいって」
「何でオレに渡すんだよ。これ、ちづのだろー?」
受け取りながらも、不思議そうに私を見上げた。
イライラする。
ひなたってこんなにバカだった?
「そんな格好で連れて行けるわけないでしょ。これに着替えなさい」
「えぇ!? やだ!」
やだじゃない、やだじゃ。
誰のために引っ張り出したと思ってるのか、こいつは。
命令と拒絶の押し問答を繰り返す。
そうこうしてる間に本間も戻ってきた。
どうやら車を回してきたらしい。
「……何やってるんだ?」
「ちづがひどいんだよぉ」
「誰が! 私はあんたのために」
呆れ顔の本間に駆け寄るひなた。
かっと頭に血が上ってきた。
このバカ、いい加減黙らせたくなってきた。
「オレのためだったら中学の制服なんて持ってくるわけないだろっ」
「お、落ち着けって」
「どいて、本間」
「勝司ぃ」
「お前ら俺にどうしろってんだ!」
すがりつくひなたを振りほどけず、本間が困惑している。
私の方を情けない顔で拝んできた。
どかないわけね。
それならそれで構わない。
ため息つきながら荷物をまとめる。
「ち、ちづ?」
「おい、こいつと2人きりで服なんて!」
無言のまま帰るフリ。
ひなたは怪訝そうに、本間に至っては完全にひるんでいる。
まあ、私を怒らせたら怖いって身をもって知ってるだけだろうけど。
すれ違いざま、完全に油断しているひなたに当身を食らわせた。
「ぁっ」
「赤座!?」
くずれるひなたを本間が受け止めてくれた。
うん、日ごろから運動してるだけはあるわ。
「お前、さすがにコレはまずいだろう」
「そう?」
こうでもしないと言うこと聞かないんだから、仕方ないじゃない。
本間にカーペットの上に寝かせるように頼む。
さて、と。
無抵抗になったバカのパーカーを脱がせる。
軽いわね、やっぱり。
下に着ていたTシャツに手をかけて、ふと躊躇してしまう。
わかりにくいけど、たしかに胸も存在するみたい。
だぼついているせいで先っぽが見えてるし。
っていうか。
「……いつまでいるの?」
「え、あ、いや」
もし真性なら、このままひなたを脱がせたら欲情しかねない。
……なんだか膨らんでない、下?
「お、俺、ひなたの部屋にいるから!」
逃げたわね。
まったく。
タンクトップ、忘れてた。
後を追うようになって気まずいけど、仕方ないか。





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Last updated  2008.01.25 23:45:28
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=うずら=@ 下から二番目さん わざわざ恐竜くんまで……。 この作品が一…
下から二番目@ ふにゅ・・・(ちょっとぷれっしゃ~) To うずらさま まったりとおまちくだ…
=うずら=@ 下から二番目さん わ、ほんとですかー? 期待していいんで…
下から二番目@ (*^-^*) ふに~。 はぐ~♪ うずらさんのために…
=うずら=@ 下から二番目さん いえいえー。 来ていただけてることが分…

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