114837 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

うずらの小部屋

2008.02.20
XML
カテゴリ:TS小説
「本間!」
「あ、赤座……その格好。あ、いや、それよりな」
車の傍らに目的の人影があった。
本間と、ぐじゅぐじゅと泣いている女の子。
仮にもひなたの中身は男のはず。
それがこんな風になるなんて。
「アンタ、もしかして」
頭に血が上った。
何も考えられなくなった。
脳裏をよぎったのは、ひなたのベッドで自慰をしていた本間の姿。
身体が勝手に動いていた。
ジャケットの襟を掴んで、車に身体ごと押し付ける。
ぎしりと車体が軋んだ。
「違う! 俺じゃない!」
「と、トイレ……つ、連れ込まれ、てっ」
「っ!」
そのまま、もう一度叩きつけた。
やっぱり。
こいつなんかに預けるんじゃなかった。
私が楽しみたいからって、それだけでひなたを任せるんじゃなかった。
荷物を持った田原さんが追いついてきた。
青い顔をしている。
それでも気丈な声で、私を制した。
「千鶴ちゃん、落ち着いて。ね?」
「う、ちづ、ひくっ……しょ、勝司じゃ、ない」
ひなたが私の服の裾を掴んだ。
すっと頭がクリアになる。
こんなに興奮したの、いつ以来だっただろう。
大きく息を吐きだす。
ゆっくりと手を離した。
「ごめん、本間。止まらなかった」
「い、いや、俺の方も迂闊だったよ」
「それで何があったの、勝ちゃん?」
自然な形で田原さんが私の斜め前に立つ。
さすが年上。
いっつもほわわんとしてるのに、何だかんだでしっかりしてる。
私がまた暴走しないようにしてくれてるんだ。
「ん……俺がちょっと目を離した隙に、男子トイレに引っ張り込まれてな。あ、いや、悲鳴が聞こえたから、すぐに駆けつけたんだけど」
そこで詰まった。
泣いてるひなたを慰めるように何度か頭を撫でる。
「俺が行ったら、連れ込んだヤツはすぐに逃げてさ。ひなたが下着降ろされてへたり込んでたし、追いかけるわけにも行かなくて……」
「ぅ、ぐす、怖かっ、た」
「うん、もう大丈夫だから」
やわらかく田原さんが抱きしめる。
そんなの、私のキャラじゃないものね。
任せておこう。
「それで?」
「ん、ああ。それで、まあ、何かされた、ってわけじゃないらしいんだけどな」
「うん」
だから良いとは思わない。
それぐらいは、本間も分かってるだろうけど。
と、ひなたと何事か話していた田原さんが立ち上がった。
「ねえ、これからみんなでケーキでも食べに行かない?」
「「ケーキ……?」」
本間と顔を見合わせる。
なんでそんな話になるわけ?
「甘いもの食べると、元気になるから。ね?」
そう言って、にこっと微笑んだ。






Last updated  2008.02.20 23:53:22
[TS小説] カテゴリの最新記事


PR

X

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

Comments

=うずら=@ 下から二番目さん わざわざ恐竜くんまで……。 この作品が一…
下から二番目@ ふにゅ・・・(ちょっとぷれっしゃ~) To うずらさま まったりとおまちくだ…
=うずら=@ 下から二番目さん わ、ほんとですかー? 期待していいんで…
下から二番目@ (*^-^*) ふに~。 はぐ~♪ うずらさんのために…
=うずら=@ 下から二番目さん いえいえー。 来ていただけてることが分…

Favorite Blog


© Rakuten Group, Inc.