語りと筆しごと~書家香玉のうずまき帖

2006/04/25(火)02:41

世にも怪しい掃除夫

育児の記録(121)

昨日はおこりんぼうのワタシについて 自戒を込めて書いてみたけれど、こどものとんでもない 行動を目撃しても、怒るに怒れない、逆に思わず 笑い転げてしまうことだってある。 なんの予告もなしに、息子がなにやら洗面所で ごそごそやっている。やけにおとなしいなぁと 気にはなっていたが、夕飯の後かたづけを一気に 終わらせたかったので、気づかぬふり。 ふと顔をあげた次の瞬間、洗面器に水をいっぱいいっぱい入れて 一応はこぼさないようにと、抜き足差し足で歩いているつもりの 彼の姿が目に飛び込んでくる。 当然、床はばしゃんばしゃんと水浸し。 「わ、わ、わぁ~!なにしてるの~??」 慌ててかけより、あらためて彼の顔をまっすぐに見て吹き出す。 どこで見つけたか、口は豆絞りの手ぬぐいで覆い なんと目には黒いサングラス。 あんた何者?? 笑い転げるワタシを横目に、本人はいたって真剣な顔つきで 「今からお掃除をしてあげようと思って」と お手伝いをする自分に酔っているかのような、妙に大人びた口調。 すぐさま、手にしていたお気に入りのミッフィーのハンドタオルを 洗面器の水に浸しほとんど絞れていない状態で、雑巾がけスタイルに 突入。 「ちょっとぉぉ~!気持ちは嬉しいけどさ~  雑巾はちゃんとしぼろうよって、それ、雑巾じゃないし。  ミッフィーのタオルはお顔とか拭くやつでしょう」 しかし、息子はぜんぜん聞いていない。 これ!と思ったら、やらずにはおれない性格らしく 実は、それって私譲りかもしれないのだが。 でも、せめてタオルは固く絞ってほしい。 絞り方を教えるが、手が小さく握力も足りないため、一度にギュッが なかなか難しい。 それでも、つるんつるん、足をすべらせ床にぺしゃんこに なりながら、がむしゃら15分は拭き掃除に励んでいた。 息子がなにゆえ、マスクにサングラスだったか。 答えは簡単、「ぐりとぐらの大掃除」という絵本を 読んだから。仲良し野ねずみの、ぐりとぐらも 布で顔中を覆ってお掃除にはりきっていたっけ。 この間、この日記を読んでくれている京都の女子大生が ある1冊の本をプレゼントしてくれた。 北村薫著「月の砂漠をさばさばと」 小さな女の子とそのお母さんの心の交流がつまった その本にも、コドモなりの不思議な行動、その理由に 気づいてあげられなかったお母さんのことが、出てきた。 頭ごなしに叱ってばかりいてもツマラナイ。 こどもなりの理由を楽しみたい、一緒に楽しむための 心の余裕が大事。

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