2023/01/01(日)07:22
古希到達企画長文回想『悦楽の女子高生』
新年艶色回想
「女高生バイク物語」告白編 2021/10/21開始
2022年12月8日で古希70に達した。もちろん、こののち無事に71になれるかどうかはわからない。だが大げさに言うなら確実に死が近づいている。
もはや恥も外聞も・・と言っては開き直り過ぎかもしれないが、やや吹っ切れた感じの今、十の年の差がある婦人との互いに若かりし頃のことを、書き直してみたいと思うようになった。
2006年に女子高校生との交際の物語を不定期連載したが、二人の仲に関してはかなりおさえて書き、余り生々しい描写はカットし脚色した。ここに当時を再現し直してみる。当時わたしは26、相手の少女は実に17歳、高二女生徒である。
誕生月に開きがあるので数か月だけ年の差は九つとなる。
確かに付き合いのきっかけは、私が乗り始めたばかりの250ccオートバイだったし、少女も162.5cmの体格からすると決して小さくはない車格のオートバイに慣れることに熱心だった。
カワサキZ250FT 主要諸元 全長×全幅×全高(mm)2020×760×1085 車重153kg シート高805mm 最高出力27ps/10000rpm 最大トルク2.1kg・m/8500rpm
しかしオートバイ・車程度なら、運動神経よりも慣れで一通りの操作は可能になる。少女もほどなく車格・車重にも余り恐怖心や抵抗感を持たなくなっていた。
私は異性の身体的特徴に関しての美的感覚が鈍く、少女を容姿容貌整える健康な高校生と軽く評価する程度だった。ところがこの鈍い感覚に変化が訪れ、時間と共に審美眼が研ぎ澄まされてゆくという、ある意味で欠点と言える性質があり、容姿端麗であれば、会うごとにそれを再認識し、そのうちにある種の想いが芽生え募って来ることが常だった。
やがて慕情を覚えるようになった。年配になると十の年の差は余り感じなくなるが、既に二十代半ばを過ぎていても、少女の姿はどう見ても高校生に違いなく、姿だけでなく、話し方にも少女らしい清潔さが表われていた。
社会人として働きたい思いから始めた家庭教師は、まあアルバイトには違いなかったが、私はいずれ個人学習塾を開業する予定だったので、これを生業(なりわい)と考えていた。そして指導依頼のほとんどが高校生の数学だった。
少女と知り合う前から、彼女と同い年の女子高校生も指導していたから、やや妙な気持ちだった。ところが指導する相手との会話などに慣れると、年齢差を忘れて接するようになる。これが最大の難点だった。私には相手の立場になって思いやる余裕や思考力が欠けていたかも知れない。ずいぶんと世間知らずだった。
家庭教師先の女生徒に欲望を覚え、オートバイに乗せようと誘うまでは首尾よく進んだものの、どこかに半ば回避する気持ちがあったかも知れぬことがあった。というのも、無謀を承知でモーテルにもついでに誘おうと予定を告げ、そのまま次の指導の時に断わられ、つまりクビになったこともあったのだ。今ではこれを下種(げす)野郎というのだろうが、現にこのような行為に及んだのだ。
私の品性卑劣な経験談はまだまだあるが、本題からだいぶそれるので、このくらいで措(お)く。
私はこの高校生の少女の人柄に救われていたと言える。初め、陸上部の活動をしながら、適当に休憩して私のとめた250ccバイクに近寄って熱心に見つめる姿に親近感を覚えたが、話しかけるムードではないと決めて、言葉少なに済ませようとしたところへ、声がかかった。
私のオートバイに乗りたいのだと察したが、少女にも厚かましいとの遠慮があった。私は一人、女性ライダーが誕生するかも知れぬとの予感に、妙に関心が高まり、私のバイクだけが狙いとの彼女の下心を承知で、毎週日曜の昼間、彼女の下宿から後部シートに乗せて、富士市五貫島の富士川河川敷の見事によく出来た舗装路での個人教習を開始した。
そして、少女の意外な性格のおおらかさに救われて、いつしか友達のようなやりとりをするまでになった。些細なことでケンカもするようになった。
昭和55年(1980)も秋深まる頃、高3になっていた彼女と、またも些細なことでケンカをしてしまった。
ただし、ケンカのきっかけは取るに足らぬことだったものの、そのあとに互いに気遣いし過ぎたことで、せっかく仲直りしかけるムードだったのに、ケンカはさらに気まずいものへと変化してしまった。
病(やまい)膏肓(こうこう)に入(い)るという言葉があるが、私は修復不可能としか思えぬところまでこじらせたことを後悔し、優にやさしい少女の心を踏みにじったことへの償いの方法がわからず、ついに己れの指をナイフでいくらか切って、したたる血で謝罪の文句を毛筆で紙片にしたため、そのどす黒く変色することなぞ知るはずもないまま、彼女に届けようと、早朝バイクで下宿へと向かった。
話は少女のいる二階の部屋の気配を下からうかがうところから始まる。いつもなら少女を迎えに行けば、バイクの排気音に気づいた彼女が窓をあけ莞爾(かんじ)としてあいさつしてくれて、やがて既に支度整った姿で降りて来て、タンデム・シートにまたがるところである。
この朝は当然ながらそのような場面にはならない。私も早めにエンジンを切って、ヘルメットをかぶったまま、しばらく二階の様子をうかがっていたが、窓があく気配もなく、少女の姿も影形全く認められない。
力なく引き返そうとしていた。エンジンをかけ、二気筒の排気音を聞きながら、他の人々に迷惑かとも思いつつ、未練で空ぶかしを数回してみた。それからもう一度ゆっくり二階の窓に視線を向けてみると、窓が開いており、カーテンに手をかけた少女が姿を見せていた。
この朝のことは永く忘れられぬものとなった。少女はなぜか私が帰路に就いてしまうと恐れたと、のちにわかったのだが、その気持ちを裏付けるように、「先生、待って ! 待って下さい ! 」と大きく叫んだ。この時、ずるい考えながら、私は転瞬、(彼女はもはや怒ってはいない)と踏んだ。ただし、少女の寛容をうれしく思った。ややホッとして、バイクを少女の駐車スペースのほうへ向けると、自転車のとなりにとめた。
少女が降りて来て、もう寒くなったから、部屋に入って暖まるようにと促してくれた。その言葉のいちいちがうれしく、不覚にも涙を流しそうになった。この時、私には初めて少女が年下ながら、何か気づかいしてくれる姉の如く、あるいは母親のようにさえ見えた。
私は己れが幼いゆえかと思ったが、後年、先ごろ亡くなった名優・中村吉右衛門氏が主演する「鬼平犯科帳」で、かつて少女だった『おまさ』の思い出話をした時、「年は若くとも、女は時に姉であり、母親でもあったなぁ」と述懐するシーンで、なるほどと合点したことがある。
ようやく私は少女の部屋に落ち着いたが、改めて(ここは高校生の女子が暮らす部屋なのだから、これは彼女を冒涜することになりはしまいか)と、罪悪感を覚えた。ほとんど無意識にテーブルに向かって腰をおろしてくつろぐ格好になっていた。
すぐさま私は正座し、非礼を詫びようとしたが、少女が「足を崩して楽にして下さい」と気遣いしてくれた。この時になって少女を異性として意識し始めて、舌がもつれる心地で、言葉が出なかった。その様子を察したかのように、少女は私の向かいに腰をおろして、視線を向けた。この時心から感じ入ったことがある。『この女子高生の部屋は実にきれいに片付いている。しかも何やらいい香りが漂い、家具・調度品も必要不可欠のものに限ってあり、さらに台所もきれいだ。ついでに彼女の服装も品が良くて、センスもいい』
少女は紅茶を淹れるからと告げて、湯を沸かしていた。
彼女はテーブル越しにこちらへのしかかるような姿勢になった。
「先生、なんで来てくれたんですか ? まさか、たまたま用事が出来たついでだなんて言わないでしょうね」
その表情がイタズラっぽく見えた。
私「夕子さん、もう一度聞くけど・・怒ってない ? 」
彼女はまたもイタズラっぽく今度は「フフッ」と小さく笑った。
夕子「うーん、どうかしら・・。先生はどう思う ? それとも怒ってみせたほうがいい ? 」
また敬語が取れた。
私は無口である。口下手でもある。返答に窮した。
夕子はさらにのぞき込む姿勢になっていた。
夕子「わざわざ日曜の朝早く来たから、私が喜んでると思ってるでしょ ? 」
こんなにイタズラっぽく、しかも次第にこちらにのしかかるように話す彼女を見たのは初めてだ。言をいじるように正反対の内容を並べて、完全におとなの男を茶にしている。
彼女ははす向かいの位置に移動した。
夕子「先生、そっちへ行っていい ? 」
何だかにわかに彼女がつやっぽく見えて来た。
夕子「先生に甘えちゃおうかなぁ・・。もしイヤだったら、私を突き飛ばしてもいいですよ・・」言葉の最後が途切れそうな口調だった。はす向かいの位置から、こちらへ移った。
もはや涼しさなぞ感じない。むしろ心臓の鼓動が早まっているのがわかる。一瞬、彼女が悲しげに顔をしかめたように見えた。
村松「夕子さん、ひょっとして泣いて・・ ! 」
「ううッ ! 」
少女は私の胸に顔をうずめて一声短く発した。やがておえつをもらす声が聞こえて来た。思い付きの言葉は浮かばず、理性が吹き飛びそうな妙な衝動を覚え、覚えつつも、何やら心地よく感じた。それでも乏しい経験を思い出して、そっと彼女の背中に手を回し、その手に少しずつ力を入れた。
土曜の晩に風呂に入ったのか、少女の髪の毛からリンスのようなかおりが漂って来た。
私はつまらぬ質問をした。
私「きのうお風呂に入ったの ? 」
返事がなかった。彼女は顔をうずめてずっとこらえるように泣いている。
私「ハハ・・。なんかリンスみたいないい香りがしたんでね」
(バカかお前は。もっと気の利いたことを言え)と私の中なるもう一人の自分が命じたが、うまい文句が浮かばない。考えた。よしこれを言おうと決めた。
私「見当はずれだったらごめんね。夕子さん、こんな広いところで、よくたった一人で暮らしているね。感心したよ・・」
これがまあ良かったみたいだ。彼女はさらに声を上げて、私の胸に強く顔をうずめた。だが強く顔をうずめると共に、彼女は私の背中に回した両手にさらに力を入れた。私はこの場面にふさわしくない男だから、このまま硬直したように動けなかった。初め、良からぬ行動は必ず控えようとは思っていた。ところがにわかに覚えた心地よさが快感に変じつつあった。彼女を抱きしめる手の力はゆるめなかった。これもかなり快感をもたらした。要するに気持ちが良かった。
彼女はなかなか泣きやまなかった。ここは追い討ちをかける言葉をささやくほうが良いかと、ようやく考える余裕が出て来た。
私「夕子さん、可哀想に。アパートの部屋で、これまでずっと耐えて来たんだね。偉いなぁ・・。私なんかとてもマネ出来ない」
私も次第に敬語が取れていた。
彼女はさらに激しく泣き続けた。
ようやく顔を上げた彼女を見て、ドキッとした。当たり前だが、今、彼女の顔は、私の顔とくっつきそうなほど、目の前にある。張り詰めた思いが一気にゆるんで、しばし泣いたからか、少女の涙にぬれた顔がまぶしかった。
私はなにゆえか歯の浮くような言葉を継いだ。
私「夕子さんのそんな麗しい顔、初めて見たよ」
少女がようやくニコッと笑った。白く歯並びが良い。
夕子「ごめんなさい。この部屋に越して来てからの二年ぶんくらい、思い出して、一ぺんに泣いちゃった・・」
当然だが、まだ彼女の顔が私の目の前にある。何とか離さねばと思った。しかしそれは束の間で、彼女を抱擁する心地よさを振り切り難い衝動が起きつつあった。
少女は時折ぐすんと涙をぬぐうような音を立てた。
「先生があたしをねぎらったりするから、余計泣けちゃった・・。もう一度抱きしめさせて」
少女の言葉は煽情的であり、現にまだ軽くしゃくり上げながら、わたしの背中にまわした手に力を入れ直した。
当時のビデオカメラで、この場面を撮影したら、美少女と不細工男の全く絵にならぬラブシーンが出来上がっていたのは言うまでもない。映画館にでもかけたら、爆笑か怒号が起こったことは間違いない。しかし、私は何か少女の気持ちにこれまでとは違う変化を感じていた。妙に色気がある。
戯れに言ってみた。
私「夕子さん、こんなに顔を近づけたら、私も男だから、変な気を起こしかねないよ」
夕子は意外なことを言った。
夕子「どうぞ。私の唇、すぐ近くでしょ。こんなので良かったら、どうぞお好きに」
村松「夕子さん、ダメだ ! そんなこと言われたら・・」
この言葉を合図のように、彼女の唇がぐーっと迫って来た。半開きの中に、深紅の舌が見える。私のように白くよごれてはいない。整った顔全体から甘い香りが漂う。もはや偽りの紳士面もこれまで。唇を近づけたのは彼女だ。拒むのはむしろ無礼だ。勝手に理屈をつけるまもなく。
美形の高校生との接吻の応酬。これは経験者にしかわからない快感だ。この最中に一度わたしが顔を離そうとした時。
夕子「イヤ、もっと濃厚なの ! 」
これまでの彼女の印象がこの時吹き飛んだ。変な表現だが、いい意味でこの娘は恥ずかしいことを楽しもうとしている。
夕子「先生、Bまで行くの ? 」
村松「あの、Cは控えるよ」
夕子「あたし、恥ずかしい・・・ ! 」
村松「Aからの距離があり過ぎるからね。夕子さん、恥ずかしい ? 」
夕子「ええ、恥ずかしい。でも・・」
村松「何 ? 」
夕子「あの、イヤ、やっぱり言うの恥ずかしい・・でも、あの・・白状しますと・・・」
村松「ハズレてたら、横っ面張ってかまわないから。もしかして、夕子さん、独りで処理していた ? で、夕子さんが独りで処理してたことと気持ちは似ていても、男のわたしの指だから、恥ずかしいってこと ? 」
彼女は顔を赤くしてうなずいた。
夕子「よく・・・わかるのですね」
「そうですよ。私は好色なのです」とはさすがに言えなかった。
村松「無理強いはしないよ。わたしには今のだけでも夢のようだから」
夕子「先生、覚悟出来ました・・、恥ずかしいけど・・期待もあるから。あの、でも、夕べお風呂に入ったけど、あの・・舌での刺激はまだ恥ずかしいから・・」
村松「承知しました。指でだけ」
夕子「え ! ? 」
村松「何かまだ・・」
夕子「胸から先じゃないんですか・・・」
村松「あ、そうか。なんだかムードがなくてごめんなさい」
夕子「あの・・胸は飛ばしてもいいです」
村松「・・・」
夕子「どうかしましたか ? 」
村松「夕子さん、スケベだね」
夕子「・・ ! もういい ! 離れて ! 」
村松「あ、ごめんなさい ! あの、うれしくて・・」
夕子「んもお ! あたし、萎えちゃった」
村松「ごめんなさい。離れます」
夕子「なによお ! いちいち言うとおりにしないでよお。さあ、責めて」
少女はわざと感情的になって声を荒げ、むしろ気分を昂揚させようとしている。
「この娘(こ)、スケベだ ! 」と、さらに感激していた。
村松「ゆ、夕子さん、す、凄い魅力 ! 」
思わず言ったとたん、彼女の唇がわたしをとらえ、舌が絡んで来た。わたしは左手を彼女のトレーニングウェアのズボンにのばした。すかさず彼女の手がさえぎろうとした。
村松「ん ? 」
夕子「あの・・・恥ずかしいです・・」
それ以上の手の動きをとめて、やめようかと言おうとした。その時。
夕子「これ、Aより刺激があるんですよね、当然」
村松「そうだよね、これは勝手な意見だけど、Aを重要視し過ぎると思ってたんだ」
夕子「あ、そうなんですね。唇なんて、たいしたものでは・・・」
村松「いや、あなたみたいな素敵な女の子と唇重ねるだけでも、たいしたものだけど、次に来るBがインパクト強すぎる行為がいろいろあるから、それに夕子さんが今言った通り、これによる感覚に慣れないうちは、羞恥や恐怖が優るのも当然だから・・・」
夕子「ごめんなさい。これじゃ、ムードなくなりますよね」
村松「あの、夕子さん、またビンタされても仕方ないけど、あの・・ホントに夕子さん、独りで」
夕子「してました、独りで・・・」
村松「あの、変なこときいて悪いけど、きっかけは ? 」
夕子「自転車のサドルとか、あとシャワーで・・。それで、ベッドに入ってから、・・・。だから、その感じって、想像はつくんです」
村松「ふうーん・・・」
夕子「先生、どうしました ? もしかして、理屈ばっかり言って恥ずかしがってばかりで、シラケちゃいましたか・・・」
村松「いえ、そんなことないですよ。ただ、夕子さんって、こんなムードで恥ずかしい話を出来る女(ひと)なんだって、感心したんです」
夕子「ごめんなさい。さすがにホントに恥ずかしい気持ちが起きて来て」
村松「ううん。かまわない。今回はこのへんにしておこう」
夕子「ごめんなさい ! やっぱりイヤ ! あたしのこと責めてッ ! おとなしくします」
村松「・・・・・」
夕子「どうかしましたか ? 」
村松「ごめん。・・・何んだか妙に落ち着いちゃって」
夕子「すみません。あたしがごちゃごちゃ言ったから、先生のほうがイヤになったのですか ? 」
ごめんと謝ろうとした刹那。
村松「あ ! 」
少女が唇を重ね、舌を激しく絡めて来た。
夕子「先生、あたしとのキスばかりでつまらないですか ? 」
村松「とんでもない ! とっても気持ちがいい」
私は改めて少女のウエアのズボンに手をかけた。
村松「夕子さん、ここ、いい ? 」
夕子「あぁ、恥ずかし・・、・・・ああぁ、気持ちいぃ・・。もっと、もっと強くッ ! 」
少女は激しく重ねた唇を次第に離していた。責められる快感に身を委ねているようだった。私は人差し指を少女の最も敏感な局部に入れて、往復を繰り返した。敏感な壁に傷をつけてはいけないと思うが、かなり潤っている。
数学が抜群で、化学も優秀で、短距離走の選手で、さらに合唱部でも活発で、そしてたった今わたし自身が衝撃と共に目の当たりにしているのが、それまでの彼女のイメージを一気に崩すような、みだらさである。凄いギャップが、むしろわたしを喜ばせた。
とりあえず指は一本から始めたが、既にかなり潤っていて、彼女も「もう一本」と要求したので、中指を加えて、さらに動きを激しくした。少女の切なげな吐息と喘ぎ声がわたしの気分を昂まらせた。
村松「痛くない ? 」
夕子「痛くない。気持ちいい ! あぁ」
夕子「先生、もうすぐ達しそう ! あぁ・・ ! もうすぐよ。ああぁッ ! ! 」
少女の腰がピクピクと数回波打った。
・・・・・・・・・・
わたしは、いかにも治まったかという心地だった。だが。少女は再び顔をゆがめ、さらに泣き出した。
村松「夕子さん、やっぱりいきなり過ぎたよね。ごめんなさい」
わたしは彼女から離れようとした。ところが。
夕子「違うの。ごめんなさい。初めての感覚だったから、何んかわからないけど、泣けて来ちゃったの。先生、指もう一度入れて」
わたしが一方的に凌辱し尽くしたばかりでもないと安心出来る応え方だったので、少女の寛容に感謝の念を覚えた。それにしても「もう一度入れて」はかなり刺激だった。わたしは座布団をあてがって、少女を促して仰向けにさせた。
村松「夕子さん、下、取ってしまうよ」
夕子「イヤ ! 恥ずかしいッ ! 」
かまわず、ウエアのズボンごと、下半身から引き抜いた。肌があらわになる。
村松「夕子さん、今のご気分は ? 」
夕子「イヤ、いじわる・・。あ、何するの ! 」
村松「もうぬれてるけど、これ以上よごさないようにさ」
ティッシュ・ペーパーを見つけて、数枚重ねて、彼女の股間をふいた。
夕子「あ、イヤっ ! ! きたないし、においが・・・」
村松「君のここ、おいしそう ! 」
夕子「ああッ ! 」
核(さね)に舌を這わせて、テキトーに動かした。少女の喘ぎ声と吐息が、こちらをも昂ぶらせる。一度十分潤わせて達した割には、不快なにおいではなく、前夜に風呂で洗った時のいい香りの残臭(ざんしゅう)が混ざって、愛液となっていた。
さらに驚くべき発見があった。きれいに毛を剃ってある。
村松「夕子さん ! 凄い ! 」
夕子「もおイヤ ! あたしのこと、完全に変態って思われたよね。ああ、いやいや」
村松「おじさん、感激ッ ! ! 」
夕子「からかわないで ! 」
わたしは核(さね)から舌を離し、最も敏感なところへと指を入れた。ここから先ほどの往復運動の繰り返しだ。
村松「ねえ夕子さん」
夕子「なによ」
村松「スポーツやってるから、こんなに手入れしたの ? 」
夕子「それもあるけど、スッキリしておきたいの。もお、そんなにジロジロ見ないで」
村松「夕子さん」
夕子「なによ」
村松「この、今入れてるとこからオシッコも出るの ? 」
夕子「違います」
村松「あ、そうなの ! 」
夕子「なに興奮してるのよぉ ! 」
村松「あのね、中学の時ね、えーと中三の時。席が近い女子が、『女は穴が三つある』って言ったの覚えてるけど、あの女子は正しかったんだって」
夕子「んもお ! 早くして」
わたしは指の往復を早くした。ずっと利発な『淑女』と思い込んでいた少女の現実を知って、むしろうれしくなっていたので、指の動きを速めるにつれて息遣いを荒くする少女の表情に、何んとも言えぬみだらな思いを募らせていた。
「夕子さん、どお ? いい ? 」
「うん・・、もうすぐよ。もうすぐなりそうよ」
ひと声喘いだと思うまもなく、「ああっ」と身体を波打たせて、少女は恥じらうこともなく、下半身露出したスタイルのいい身体を畳に横たえた。達した直後の心地よい脱力感に浸っているようだった。
・・・・・・・・・・
夕子「イヤ、恥ずかしい」
村松「はい、ズボンとパンティ。あと、その他」
夕子「先生」
村松「ん ? 」
夕子「あたしのこと、失望、幻滅でしょ」
村松「ハッキリ言わせてもらうけど、君は珍しい女(ひと)だと思う」
夕子「わかります。実はこんなに乱れるなんてって、思いますよね」
村松「あのね、さっきのさっきまで、こんなこと出来るなんて、夢にも思ってなかったの。それが君という美少女とこんなこと出来るなんて、とてもうれしい」
夕子「ホント、ですか・・・」
村松「ああ、ホントです。平均的な女性ってのは、もっと手間がかかって、ハッキリ言って面倒なんですよ。君みたいにストレートだと、いや、世の中、君みたいにストレートな女の人ばかりなら、もっと最短距離で交際出来るのになって思った」
夕子「先生がこういうことの初めての男の人で良かった・・・」
村松「精一杯のほめ言葉、ありがたいけど・・・もう少し顔立ちの整った大人だと、もっと良かったよね」
夕子「先生、なぜそんな卑屈なこと言うのですか ! ? わたしのたった今の様子、見たんでしょ。そんなふうに言われたら、シラケちゃうわ」
村松「ごめんなさい。夕子さんが余りに美人なんで、つい・・気後れして」
夕子「もっと素直になって ! 」
村松「は、はい。ありがとうございます。あの、一つお願いがあるのですが」
夕子「はい」
村松「そろそろわたしを名字なんかで呼んでもらえますか」
夕子「いいんですか ! 」
村松「はい」
夕子「あの、村松、さん」
村松「はい」
夕子「うふっ、ちょっと照れるけど、あ、待ってて」
少女は立ち上がって、机から何かを取り出した。
夕子「村松さん、はい。焼き増しして整理しておいたの」
村松「うお ! これ、いつの大会の ? 」
夕子「あたしなんか予選だけ。でも、何か感想は ? 」
村松「この写真、感激ッ ! 夕子さんのその、おへそが」
夕子「あら、それだけ ? 」
村松「よ、ようしもう言うぞ。君はもうじき受験して、で、合格して、新しいところへ巣立って行く人だ」
夕子「合格出来ればね」
村松「合格に決まってる。で、この際だから言うけど、君は私が今まで出会った中で、最高の美人だ。美女だ。スタイルもいいし性格も好きだし、頭もいいし」
夕子「うれしいッ ! 何んか、ケンカして良かったって後味」
村松「写真、宝物にするね。え ! ちょっと、夕子さんッ ! 」
夕子「逃がさないわよ」
村松「また変な気分になっちゃうよぉ・・・あの、やっぱり大学へ行ってから、もっとカッコいい人と・・」
夕子「あら・・。あなたたった今・・・。わたしをどうしたの ? 言ってみなさいよ」
村松「夕子さん・・何んか急に恐くなった・・・」
夕子「そうよ。あなたは、とうとうわたしの身体の恥ずかしいところを責めたんですもの。いくらわたし自身がとても良かったからといって、こんなことするなんて。もう男女の仲になったも同然。・・・それとも最後の一線越えてないからとでも言うの ? 」
村松「夕子さん・・・ホントに恐い。もしホントは傷ついたのだったら、改めてお詫びします」
夕子「そんなことないわよ。ただ・・・ふふふ」
村松「何んですか ? 」
夕子「眠っていたわたしの本性を覚醒させたのよ。あたしのふしだらなとこ、ついに見たわね。恥ずかしかったわよ、ホントは。・・許さないわよ」
村松「ご、ごめんなさい・・ ! 」
夕子「いやねえ。おこってないの。じゃ、言い方かえるよ。逃げられないのよ。覚悟しなさい。・・・何からしたい ? 」
村松「いえ、いささか反省、後悔し始めておりまして・・・」
夕子「あきらめが悪いのね。わたしが何をするか、覚悟しながら待機してるのね」
村松「夕子さん、ホントに傷ついて」
夕子「いません ! 何んだかまだ身体が熱くて、どっちかというと、うれしいんだもの」
村松「夕子さんは、いやらしいんだね」
夕子「誰がそうさせたのッ ! ? 」
村松「わっ ! だからやっぱりごめんなさい ! ! 」
夕子「イヤよ ! もっと良くなりたいんだからぁ」
少女は急に動きをとめて、うつむいた。本人もいきなりの体験が続いて、ふと我れに返るのか。「どうしたの」と問うてみた。
夕子「あたし、しつこいですか ? 」
村松「とんでもない。さっきも言ったように、こんなきれいな高校生とこんなに激しく出来て、まだ夢みたいな気分だよ」
夕子「唇重ねますよ」
実は昔も今も、この私もこれが好きだ。Cと言われる最後の一線を越える行為よりもある意味で、一番みだらな気持ちを起こし、その気持ちを昂ぶらせ続ける手段として、この、Aとかつて呼んだものが最も合っている。
さらに女性の体臭についても、昔中学生の頃、体育の授業が終わり、教室一室を更衣室として与えられた女子たちが着替えをすっかり済ませたところへ私たち男子が入るやいなや「くせえ ! 女くせえ ! 」と何人かの男子が口々に言い放って、女子の体臭を見下すような態度をとったものだが、この時も私は「女子って、体全体からこんなにおいを出しているなんて、素晴らしいなあ」と正反対のことを思ったものだ。
まあ、体育で汗をいっぱい流したあとだから、独特の臭気だったかも知れないが、普段、セーラー服姿の女子の近くに寄ると、化粧なぞほとんどか全くしていない女子の全身から、我々男子にはないいい香りが漂ったと記憶する。ゆえに、当時の私は女子に縁がない現実を思い知るいっぽうで、「女子の肌のにおいをかぎたいなあ」と思った。
中三当時、クラスに一人私に関心を向けてくれていそうな女子がどういうわけかいて、確かにこちらへ秋波を送り、やや熱めの視線を流してくる女子の存在を時々認めていた。席が近い男子が「お前に気があるぞ ! 」と言ったことも一再ならずあったが、いかんせん、中三当時は身の程をわきまえずに、面食いなところがあった。
この女子には既に小学四年ごろ、近所の同期の男子と既に経験を重ねているとのうわさがあり、気分をそそるものもあった。要するに色気があった。
ただなぜか、持ち前の好色な性質を欲望のままに実行に移さんという気にはならなかった。
当時のこの女子も、今にして、好意を抱いてくれていたかも知れないと思うと、惜しいことをなどと思いはするが、現にその気にならなかったのも事実だ。
私の初の体験は大学二年の時、19になってしばらくした秋だった。己れの不細工や、どうやら異性には縁がないことを否応なく悟り出してもいたからか、相手は6つか7つ年上の人妻だった。
この人妻は二件目の家庭教師宅の夫人だったが、私との年齢差が6,7歳との事実にも驚いたし、何より7歳ほどの年齢差を感じさせない美形だった。
私はこの心優しい人妻に、手ほどきを受けることとなった。
このようなことについて、私は自身の学歴を改めて誇りに思った。というより、本当に合格出来て良かったと思った。
今や廃学となって、茨城県に移転した新しい『筑波大学』との名前のほうが認知度も高かろうが、その筑波大学の前身とも言える東京教育大学は、家庭教師のアルバイトに困ることがないどころか、毎日新しい依頼票が学務係により掲示されるという引く手あまたの好環境だった。私はこの大学に在籍していた。
そして、家庭教師をする教育大生に対して、各家庭であたたかく迎えてくれた。殊に私にとって、この人妻は優に優しい女(ひと)だった。学生が好きだとも言っていた。今改めて考えると、私が長く住んだ東京都文京区は、教育熱心な地区だった。国立大に絞っても、まず天下一の東京大学があり、私がかよった東京教育大学があり、さらにそのすぐ近所に女子の最高学府として最高レベルのお茶の水女子大学があった。
今住んでいる田舎の富士市では考えられないことだが、東京に住む人々にとって、最も目指すべき学校は、大学であったに違いない。
多分学習塾への需要でも明らかと言える気がするが、ここ田舎では、高校合格が最大の目標であり、そのために各家庭は余裕があれば子供を中学三年間は塾に通わせることに熱心だが、高校から先はおまけみたいにとらえているように思える。
首都東京に住む人たちは、少なからず大学を最終最大の目標学府とみているはずだ。ゆえにあるレベル以上とみた大学への家庭教師依頼は一日も途絶えたことがない。子を持つ婦人の価値観も田舎とは大違いで、学歴を重視する。それゆえかどうかは断定出来ないが、年齢的にはまだまだ若造の私たち大学生は、子を持つ母親から好意的に迎えられた。
異性に縁がないと、そろそろ悟り始めていた私に優しい視線を向けてくれた家庭教師宅の人妻は、子供の前では先生と呼んだりしたが、さし向かいの雑談になると、名字で呼んだ。遂に確かめなかったので推測だが、生まれは敗戦間もない昭和20年ごろ。かなり早い結婚には事情があるが、ここでは細かくは書かない。
すぐに出産したが、結局一人っ子である。とにかく私の目にはとてつもない美人と映った。上背(うわぜい)はさほどはなく、小柄なほうに見えたが、スタイルが良く、そのぶん全身も整っていた。
私はその若さについて詮索しないように努めていたが、その代わり「どうしても七つの年の差には見えない。同世代に近く感じる」とよく言ったが、あとで親密になってから話題にすると、「とてもうれしかった」とポツリ答えたのが印象に残っている。
横道にそれて長くなるのでここは措(お)くが、要するに男女の仲について、話せる女(ひと)に恵まれたと書きたかった。
オートバイがたまらなく好きな女子高生・夕子は、またその方面について話のわかる女生徒でもあった。
彼女は音楽にも興味と技術があり、特に早くから始めたピアノが巧みで、今ではエレクトーンに絞って骨休めに弾いているほどだ。
その彼女が、お互いが激しく気分昂揚し、求め合ったあと、何んとなくもう一度と欲しているのに、私がいかにも一段落(いちだんらく)して治まったような休息をしている時、こんな話をしてくれた。
夕子「あたしって、みかけによらずいやらしい娘だと思われても反論しないけど、でもね、山田耕筰の名曲『赤とんぼ』の中に『十五で姐(ねえ)やは嫁にゆき・・・』って歌詞があるでしょ。さらに十五を数え年と仮定すると、つまり14 , 5でかつては嫁いだのよ。未成年に手を出すか出したがる男をゲスだなどと言うけど、あたしはかなり疑問ね」
彼女の知識に驚き、さらに慧眼(けいがん)に敬意を持った私は問うた。
村松「あの、ねえやってのは、お姉さんのことなの ? 」
夕子「いいえ。子守り奉公に来ていた年上の女(ひと)だったらしいわよ。
でも、14か15。これ、大ざっぱに中三から高一とみていいわよね」
村松「ふうーむ・・・そうかぁ」
夕子「何、感心して・・るの ? 」
村松「あ、いや・・。君は凄いと思った」
夕子「童謡にかこつけて、あたしのはしたなさを弁解したって思ったでしょ ? 」
村松「その正反対だよ。そうか、姐やかぁ。中三か高一で・・・」
夕子「でも誤解しないでね。あたしはたった今ではなくて、前から・・ ! 」
少女はかなり狼狽したようで、「あッ ! 」と短く発したまま、うつむいて黙ってしまった。
わたしは察したように言うのはこの寛容な少女を冒涜するように思えたので、問いただすような言葉は慎んだ。代わりに言った。
村松「でもさあ、夕子さん、ついさっきから、ていねいな言葉がとれて、くだけた感じになったね。もちろん、いい意味だけど」
夕子「ごめんなさい、生意気なことばかり言って・・・」
村松「わたしは今朝のことは奇跡だと思ってるよ。第一こんな不細工な男に対して、君はホントに素敵だ」
夕子「何んでそんな言い方するんですか ! ? 」
村松「どうもすみません」
夕子「村松さんは、わたしの心がわかってないんですね」
村松「ごめんなさい。とにかく、君は素敵過ぎるから・・・」
「わたしの心・・・」と少女は非難口調だったが、言わんとするところは悟れた。悟れたが、実はわかることはなかった。少女の優しさゆえと感謝するばかりだった。むかしも今も実は『男も女も面食い』、外見の良し悪しで異性を品定めするものと断じているからだ。
少女は改めてやかんに湯を沸かして、紅茶を淹れてくれた。
掲載画像資料 : 睦月影郎氏著書等